葉山海岸
散策:2009年09月下旬
【海辺散策】 葉山海岸
概 要 葉山海岸は三浦半島の西側に続く海辺です。 今回は長者ヶ崎から、長者ヶ崎海岸・大浜海岸・一色海岸・芝崎海岸・森戸海岸を経て、葉山マリーナまでを歩きます。 岩礁の磯や岬があったり砂浜があったりと変化に富んだコースになっています。 条件が良いと、丹沢や箱根の山稜の奥には富士山を望むことも出来る眺めのいい所です。
起 点 葉山町 長者ヶ崎バス停
終 点 葉山町 葉山マリーナバス停
ルート 長者ヶ崎バス停…長者ヶ崎…長者ヶ崎海岸…大浜海岸…葉山公園…臨御橋…小磯…一色海岸…一色公園…芝崎海岸…真名瀬漁港…森戸磯…森戸神社…みそぎ橋…森戸海岸…葉山マリーナ…葉山マリーナバス停
所要時間 3時間10分
歩いて... この時は遠くが霞んでいて、残念ながら富士山は見えませんでした。 満潮に近い時間帯でしたが、波飛沫がかかることもなく、安心して歩いていけました。 砂浜は海水浴場になっていて、海の水は綺麗でした。 海にはカヌーやボードやヨットなどが浮かんでいて、長閑な休日を楽しんでいるようでした。
関連メモ 佐島・大楠山のみち, 葉山, はやま三ヶ岡山緑地, 長者ヶ崎, 仙元山, 葉山堀内
コース紹介
長者ヶ崎(ちょうじゃがさき)バス停
逗子駅(JR横須賀線)から、[逗4]大楠芦名口行きバス、[逗5]横須賀市民病院行きバス、 [逗6]長井行きバス、[逗7][逗71]佐島マリーナ入口行きバス、[逗8]電力中央研究所行きバス, または,[逗72]湘南佐島なぎさの丘行きバスにて16分、1時間に5本程度の便があります。
バス停の20mほど先にある長者ヶ崎交差点の横断歩道を渡って、 すぐ左にある坂道から一段下にある駐車場へ降りていきます。
長者ヶ崎
駐車場に降りてすぐの所から右手へ続く砂混じりの階段を降っていくと、砂浜が広がっています。 左手の先には「かながわの景勝50選」や「三浦半島八景」にも選ばれている長者ヶ崎があります。 岬の先には小島があって砂州で繋がっています。 以前に来た時には歩いて行けたのですが、この時には落石が頻繁に発生するため 「立入禁止」になっていました。 先端まで行くと素晴らしい眺めが広がっているのですが残念です。 今回はここから北へ向かって海岸沿いに歩いていきます。
三浦半島八景 長者ヶ崎の夕照
「三浦半島八景」は、神奈川県が三浦半島地区の4市1町と協働して、 この地域の"うるおい","にぎわい"づくりをめざし、 半島をぐるっとまわれるような新たな「八景」をつくるため「三浦半島八景」選定委員会を設置し、 県民の皆様のご意見を参考に平成13年11月に選定したものです。
・大塔(鎌倉宮)の夜雨
・灯台(燈明堂)の帰帆
・大佛の秋月
・長者ヶ崎の夕照
・神武寺の晩鐘
・猿島の晴嵐
・城ヶ島の落雁
・建長寺の暮雪
「八景」の考え方は15世紀に中国から日本に移入されました。 「近江八景」や「金沢八景」が有名ですが、 三浦半島地域でもこれまでにたくさんの「八景」が残されています。 伝統的な「八景」は次の八つの景色を基本形につくられ、 それぞれ次のような情景を表わすのではないかと言われています。
・夜雨:水辺の夜の雨
・帰帆:港に帰る漁船
・秋月:水辺に映える秋の月
・夕照:夕日に照らされた遠くの山
・晩鐘:山寺の晩鐘
・晴嵐:朝もやに煙る松林
・落雁:干潟に降り立つ雁の群れ
・暮雪:夕暮れの雪景色
 (神奈川県横須賀三浦地区県政総合センター)
この先 立入禁止
・ここから先は立入禁止です。
・落石が頻繁に発生しており、崖下近くの通行は大変危険です。
・安全確保のためにご協力をお願いします。
 (神奈川県環境農政部緑政課、葉山町都市経済部産業振興課)
長者ヶ崎海岸
右手には長者ヶ崎海岸の砂浜が続いています。 夏には「長者ヶ崎海水浴場」にもなるようです。 よく晴れて空気が澄んだ日には、丹沢から箱根にかけての山稜や富士山も綺麗に見えるのですが、 この時には相模湾に浮かぶ江の島が見えていた程度で、その後の山々は霞んでいました。 夏の忘れ物のように、浜辺にはボートが幾つかありました。 砂浜に打ち寄せる波の音を聞きながら、締まって歩きやすい波打ち際を歩いていきました。
葉山 海・浜のルール
ごみ ・ごみは持ち帰りましょう。
・タバコのポイ捨てはやめましょう。
犬の散歩 ・散歩の際は、必ず犬をリードでつなぎましょう。
・フンは、必ず持ち帰りましょう。
密漁 ・密漁は犯罪です。
・水中めがねをかけて"イソガネ"や"モリ"を使用したり、水中銃、アクアラングを使用して、 魚、貝、海草類を採ってはいけません。
徐行エリア
安全航行エリア
・モーターボート、マリンジェットなどを使用する際は、左図の徐行エリア、安全航行エリアのルールを守りましょう。
バーベキュー ・ごみは持ち帰りましょう。
・直火でのバーベキューはやめましょう。
・他の海岸利用者の迷惑にならないようにしましょう。
花火 ・夜10時以降の花火は、近隣住民の迷惑(騒音など)になることがあるのでやめましょう。
・後片付けをきちんとしましょう。
・他の海岸利用者の迷惑にならないようにしましょう。
放置ボートなど ・ボートの放置はやめましょう。
・ボートなでゃ、適正な保管場所で管理しましょう。
生物観察 ・生物観察をした後は、必ず元にいた場所に戻しましょう。
・石(転石)を動かしたら、必ず元に戻しましょう。
車両の乗り入れ ・海岸保全、海岸利用者の安全確保のため、砂浜への車両の乗り入れはやめましょう。
キャンプ ・海岸及び海岸周辺地域の美化・環境保全を図るため、海岸でのキャンプはやめましょう。
ライフジャケット ・行方不明者や死亡事故などを少なくし、「青く美しい安全な海 葉山」の発展のためライフジャケットを着用しましょう。
 (葉山町)
長者ヶ崎海岸の先まで進んでいくと突堤があります。 歩いて行けるようになっていたので、先端まで出てみました。 左側には、先ほど見送ってきた長者ヶ崎とその先にある小島がよく見えていました。 右側には岩礁があって、その先には砂浜が広がっていました。 海にはボードに立って乗って櫂で漕いでいる人も見かけました。 殆ど沈んでいないところを見ると、かなり浮力のあるボードのようです。 この時は波も穏やかで気持ちよさそうに見えました。 沖の方には5人(+1)乗りのレガッタの練習をしているグループもいて、まだ夏は終わっていないようでした。
注意
この付近の海には、漁業権が設定されているため、 あわび、さざえ、とこぶし、ばていらなどの貝類や、 わかめ、てんぐさなどの海草類、その他たこ、いせえび、などとらないでください。 また、次の行為は法令により禁止されているため、違反者は処罰されます。
(1)水中メガネをかけてイソガネやヤスを使用したり、水中銃、アクアラングを使用して魚、貝、海草類をとること。
(2)魚、貝、海草類に有害なものを海や川に捨てたり、流したりすること。
 (葉山町、葉山町漁業協同組合、葉山警察署)
大浜海岸
突堤を過ぎていくと、大浜海岸の砂浜が続いています。 夏には「大浜海水浴場」にもなるようです。 海辺を散歩している人も見かけましたが、真夏の賑わは遠退いたようでした。 浜辺では、先ほど見かけたボード乗りの現地講習が行われていました。 指導員から説明を受けた後で、実際に海へ出て乗るようでした。
葉山公園
大浜海岸の陸側には葉山公園があります。 幅の広い階段を登っていくと、松が幾つも生えた広場になっていて、先の方には東屋もありました。 東屋の先にある階段から砂浜へ降りて、その先へと進んでいきます。
この柵内は公園区域(県立葉山公園敷地)です。 公園区域内では、バーベキュー及び火の使用はできません。
 (県立葉山公園指定管理者、財団法人神奈川県公園協会)
公園利用者の皆様へ
公園内は、利用者皆様が楽しく過ごす場所です。 公園内では、他の利用者へ迷惑になる行為や、火気の使用など危険な行為は行わないでください。
 (神奈川県横須賀土木事務所)
園内にてトンビ等の鳥による、食べ物を狙う事故が発生しておりますので、ご注意ください。
 (神奈川県横須賀土木事務所、財団法人神奈川県公園協会)
臨御橋
砂浜の先へ進んでいくと、川で行き止まりになっています。 右手には朱塗りの臨御橋が架かっています。 その先には葉山御用邸がありますが、一般者は立入禁止になっています。 橋を渡って、塀沿いに続く草地を進んでいきます。 警邏中の警察官を見かけたりもします。
小磯
松が生えている所まで来ると、海側にちょっとした岬があります。 岬は開けた綺麗な芝地になっていて、ピクニックには良さそうな所です。 長者ヶ崎バス停から35分ほどで着きました。 岬の先は岩畳や岩礁になっていました。 手元の地図には「小磯」と記されていますが、この岬の名前なのでしょうか。 右手の岩の上には赤い鳥居と石祠があって、藁馬や松ぼっくりなどがお供えされていました。 両脇に立てられた細い竹の間には紐が渡されていて、黒い布のようなものが垂らされていました。
岬からは360度の素晴しい眺めが広がっています。 中程に立って回転しながら、海側の240度ほどの範囲を写してみました。 左側が大浜海岸で、海に突き出た長者ヶ崎も見えています。 右側が一色海岸で、大峰山や芝崎海岸の奥には江の島や丹沢山塊も見えていました。 これに富士山が加わればもっと良い眺めになるだろうにと、霞んで見えないことを残念に思うのでした。
一色海岸
10分ほど居た小磯から引き返して葉山御用邸の塀沿いに進んでいくと、一色海岸の砂浜が続いています。 夏には「一色海水浴場」にもなるようです。 海底の形などによるのでしょうか、 砂浜に打ち寄せる波の先端が一直線ではなく曲がりくねっていて、綺麗な模様を描き出していました。
一色公園
一色海岸の陸側には一色公園があります。 幅の広い階段を登って一色公園公衆便所の先へ進んでいくと、草地に彼岸花が綺麗に咲いていました。 大きな松の木の生える先には広場がありました。 この時はゲートボールが行われていました。 ルールは知らないのですが、「2番、タッチ!」とか言いながらゲームが進められていました。
一色公園から砂浜に降りて、その先へと進んでいきます。 右側には葉山しおさい公園がありますが、海側に入口はありません。 白い建物が見えてくると、その先から道路へ登っていく階段がありますが、 砂浜はその先へとまだ続いていたので、階段は見送って、砂浜を進んでいきました。 程なくしてコンクリート塀に沿って続く岩場を進んでいくと、海に突き出た岩場がありました。 岩場の先の方へ出て、広がる眺めを楽しんでいきました。 左側には、先ほどの小磯や長者ヶ崎が見えていて、右側には芝崎の集合住宅が見えていました。
岩場を過ぎて、崖沿いに続く細いコンクリート道を進んでいくと、 消波ブロックが積み上げられて通れなくなっていました。 そのすぐ先には浜が続いていました。 距離は短いし、ブロックを登っていけば何とか通れないこともないのでしょうが、少し危なそうに思えたので、 今回は通るのは諦めて、手前にあった階段まで引き返して道路へ上がっていきました。
この時は満潮が近い時間帯で潮がかなり満ちていましたが、 干潮の時ならばブロックの海側を歩けるのかも知れません。
石段を登っていくと、県道207号の脇にある三ヶ岡駐車場に出ました。 駐車場から車道に出て、その先へと進んでいきます。 三ヶ下海岸バス停を過ぎていくと、 消波ブロックの所から見えていてた建物の手前から、戻るようにして海辺へ降っていく階段がありましたが、 海辺の道はその先へは続いておらず、行き止まりのようでした。 振り返ると、先ほど行く手を阻まれた消波ブロックがすぐ傍に積まれていたので、 消波ブロックがなければ、この階段まで歩いてこれたのだろうと思ったりしました。 今回はこの階段は見送って、車道をその先へと進んでいきました。
注意
ここの海岸で、あわび、さざえ、とこぶし、ばていらなどの貝類や、 わかめ、てんぐさ、ひじきなどの海草類をとらないで下さい。 とると違反になり処罰されますので注意して下さい。
 (葉山町漁業協同組合、葉山警察署、葉山町)
芝崎海岸
階段を見送っていくと、広めの舗装路が左手へ分かれていきます。 その道へ入って、堤防と集合住宅に挟まれた道を暫く進んでいくと芝崎海岸に着きます。 小磯から40分ほどで着きました。 堤防沿いに進んでいくと解説板があり、そこから海辺へ降りて行く階段がありますが、 この時は満潮が近い時間帯で、階段の下には潮が満ちていて通れませんでした。 400m×450m四方の浅瀬が天然記念物の「芝崎ナチュラルリザーブ」に指定されていて、 手前の砂州の先に岩礁が幾つも見え隠れしていました。 解説板によると、向芝原、四ツ場、鮫島、鍵取などという名前が付けられているようです。 干潮時にはもっと広い範囲が水面に顔を出すのでしょうか。
葉山芝崎海岸及び周辺水域
相模湾に面したここ芝崎海岸は、葉山層群の森戸泥岩層及び森戸凝灰岩層からなる岩礁を中心とした磯で、 転石地帯、砂礫地、砂地等、潮間帯付近ばかりでなく潮下帯の地形も大変変化に富んでいます。 海洋環境については、黒潮の流れによる外洋水の影響を受けるため潮通しよく、 年間を通して透明度がよいといえます。 また、黒潮暖流の影響で、真冬でも水温10度以上を保っているため、暖流系生物にとって冬は棲息しやすいところです。 向芝原(岸側中央部にある植物の茂った小高い場所)、その先に広がる岩礁を中心とした周辺水域の自然は残され、 ここで観察される潰瘍生物は貝類・魚類・海藻類その他他種多様です。 かつて、昭和天皇が幾度か当地へご研究に訪れ、ウミウシ類、ホヤ類、ヒドロ虫類の新種を多数発見された地でもあります。 芝崎の岩礁の1つである鮫島にちなんで「サメジマオトメウミウシ」と命名されたウミウシ類の新種もあります。 このように、芝崎海岸は調和した生物層を示し、海洋生物の宝庫となっています。 したがって、芝崎海岸のすべての生物を保護することにより、調和が保たれ、生態系が守られます。 そして、保護することによって繁殖したものは周辺海域へ拡散し、 葉山海岸全体の海洋生物が豊富になるという広い意味ももちます。
 (葉山町教育委員会)
芝崎海岸の海洋生物
黒潮の影響を受ける芝崎海岸の磯や海底は、岩礁、転石(ごろた石)、砂地、砂礫地など様々な地形が広がり、 それぞれの環境に適した多種多様な生物が生活を営んでいます。 とりわけ、転石地帯の潮間帯下部には、イソギンチャク、ウミウシ、ヒザラガイ、カニ、ホヤなどの仲間が多く、 この中には貴重な種類も含まれています。 干潮線以深には、アラメやカジメの群落が見られ、魚介類の成育にかかせない場所になっています。 また、先端部から鮫島周辺にかけての浅海には、イソバナやヤギ類など、潮通しのより海域を好む 腔腸動物の仲間が数多く生息しています。 芝崎では、これまでに、海綿動物14種、環形動物(ゴカイ、カンザシゴカイなど)35種、 軟体動物(貝、ウミウシなど)300種、棘皮動物(ウニ、ヒトデ、ナマコなど)34種、魚類137種が確認され、 カニ類だけでも68種が記録されています。 満潮線と干潮線の間を潮間帯といいます。 潮間帯は波の影響を受けたり、潮が引いた時は露出し、夏の炎天下、冬の気温低下など、 生物にとって厳しい環境のように思えますが、数多くの生物が適応して生息しています。 この図は芝崎の潮間帯で見られる主な生物の垂直分布をあらわしたものです。
 (葉山町教育委員会)
注意
次のことにご協力ください。
・動物、植物、岩石など採集しないでください。
・石(転石)を動かした場合は必ず元に戻してください。
・生物観察後は必ず生物がいた場所に戻してください。
・モリ、アミ、イソガネ、釣り道具、漁具などの採集用具を持って入らないでください。
・バーベキューやたき火、キャンプをしないでください。
・ビーチパラソル、サマーベット等を持ち込まないでください。
・カヌー、カヤック、ウィンドサーフィン、ジェットスキーなどマリンレジャーはご遠慮ください。
・その他、天然記念物の保護の妨げになる行為をしないでください。
 (葉山町教育委員会)
真名瀬漁港
芝崎海岸を過ぎて右手へ曲がっていく所までくると、海に突堤が出ていて、 その先が真名瀬漁港になります。 港の真ん中には突堤があって、漁船が接岸していました。 陸揚げされた船も何艘かありました。 漁船の傍では良い匂いが漂っていました。 釜あげ自家製直売「葉山しらす」の幟もはためいていたので、しらすを加工していたのかも知れません。 沖の方には、白い葉山灯台(裕次郎灯台)と、名島(菜島)にある赤い鳥居も見えていて、 その先には江の島が浮かんでいました。
漁港を利用される皆様へ
*この漁港は、葉山町が管理する第1種真名瀬漁港です。
*漁港利用者の方へ、漁港はきれいに大切にしましょう。
*漁港区域は、上の図のようになっています。
*この漁港は、葉山町が管理する漁港で、この区域で許可なく以下の行為をすることは禁じられており、 もし違反すると漁業漁場整備法により処罰される事がありますから注意してください。
(1)施設又は高札物の建設もしくは改良  (2)土石の採取  (3)土地の掘削又は盛土  (4)汚水の放流又は汚物の投棄
 (葉山町)
注意
漁港施設内につきバーベキューなど火気の使用を禁止します。 また、漁業(漁港管理)関係者以外の車の乗り入れはできません。
 (葉山町、葉山町漁業協同組合)
消波ブロック(テトラポッド)の上は危険なため立入禁止
 (葉山町、葉山町漁業協同組合)
真名瀬漁港を後にしてその先へ進んでいくと、先ほど分かれてきた県道207号に出ます。 左折して車道を進んでいくと芝崎バス停があります。 その脇から海辺へ降りていける階段がありました。 このまま車道を進んでいっても風情がないので、磯へ降りて森戸海岸まで歩いていくことにしました。 潮が満ち始めてはいましたが、まだまだ歩いていくことが出来ました。 岩場を進んでいくとすぐに砂浜になってきます。 道路へ登っていく階段を見送って砂浜を進んでいきます。 浜には「告知」と題した看板が点々と設置されていて、 プレジャーボート類の放置は禁止である旨が書かれていました。
告知
平成20年11月1日から、真名瀬漁港区域内の海浜(公共空地)は すべてのプレジャーボート等の放置が禁止となりました。 至急、所有者の責任においてプレジャーボート等の移動をお願いします。 また、無許可の単管パイプのやぐら等の工作物の建設は漁業漁場整備法で禁止されています。 至急、撤去をお願いします。
 (葉山町)
森戸磯
車道へ続く坂道を見送っていくと、幅が狭まった岩場になってきます。 船を海へ降ろすレールの下をくぐっていくと、道路へ登っていく階段があります。 その階段を見送った先から海沿いに、コンクリート製の道のようなものが二段になって続いています。 その上を歩いていくと、岩礁になった森戸磯が広がっていました。 芝崎海岸から20分ほどで着きました。 この時はかなり潮が満ちていましたが、干潮時にはもっと岩礁が顔を出すのでしょうか。
小屋の先にある幅の広い階段を登っていくと、石原裕次郎の顔の像があります。 陸側には広場があって、記念碑などが沢山並んでいます。
夢はとおく 白い帆にのって 消えていく 消えていく 水のかなたに
太陽の季節に実る狂った果実たちの先達 石原裕次郎を偲んで
マルティーノ公使・ベールツ先生記念碑
葉山一帯ノ地源平時代ニ在リテ其名己ニ顕ハル而シテ近古ニ及ヒ却テ聞 ユル所アラス明治二十年中東京駐紮伊太利公使レナートデマルティーノ 氏甚タ葉山ノ風景ヲ愛シ創メテ其別業ヲ森戸ニ営ム後ノ細川候邸即チ是 ナリ先師エルウィンベールツ先生モ亦其海岸附近ノ地ニト宅シテ暇日休 急ノ処ト為シ頻ニ此地ノ保健ニ適スルヲ推賞ス池田徳潤男秋田映孝子相 前後シテ又別墅ヲ森戸ノ丘陵ニ建ツ明治二十ニ年六月鉄路ノ通スルニ及 ヒテ井上毅子モ亦ベールツ先生ノ説ヲ聞キテ其冬一色ニ来リ住ス翌年夏 金子堅太郎伯モ亦至ル尋テ有栖川宮家ノ別邸成ル明治二十七年ニ至リ其 一月ヲ以テ始メテ御用邸ヲ置カル是ニ於テ葉山ノ名忽チ天下ニ鳴ル予モ 亦夙ニ其風光ノ明媚ト気候ノ温和トテ愛シ蝸廬ヲ森戸ニ築キテヨリ己ニ 三十有余年ヲ過キ頗ル先師着眼ノ敏ナルニ服ス予他年葉山発達ノ歴史ノ 或ハ湮滅ニ帰スルアランコトヲ憂ヘマルティーノ公使及ヒ先師ベールツ 先生ノ先倡ノ功ヲ石ニ勤シテ以テ後人ニ諫ク
昭和十一年二月 東京帝国名誉教授医学博士入澤達吉 識 野村保泉刻
広場の横にある森戸神社の裏手の岩壁には古木のビャクシンがあります。 木製の鳥居をくぐって石段を登っていくと、正面に「飛柏杉」と刻まれた石碑があって、 その右側の岩場の上に古木があります。 森戸神社の御神木なのだそうです。 石碑の正面の下にも幹がよじれた大木がありました。 石碑の左側には「山王日吉社」と刻まれた石碑と石祠もありました。
かながわの名木100選 森戸大明神のビャクシン
和名:イブキ(ヒノキ科)
源頼朝が当地に伊豆の三嶋神社を勧請した際、そこの若木が飛来し、岩壁に根付いたものと言われている。 古木が海上にのりだした姿は珍しい。 葉山町の天然記念物に指定されている。
樹高15メートル 胸高周囲4.0メートル 樹齢約800年(推定)
イブキはビャクシンとも言い、東北南部から九州の海岸に生える常緑高木で、 社寺や庭園によく植えられるほか、生け垣などに用いられる。 樹高27メートル、胸高周囲8メートル、樹齢約1500年に達するものもあると言われている。
 (神奈川県)
葉山町指定重要文化財天然記念物
「飛柏杉」の石碑の手前には、腰掛けるのに具合のいい角柱状の石が二つ横たえられていたので、 それに腰掛けて、正面の岩に生える松やその先に見える江の島などを眺めながら休憩していきました。 岩の上には「頼朝公御賞賛 千貫松」と刻まれた石碑が建っています。 大正8年10月に建てられた石碑のようです。 森戸神社の由緒書きにその謂れが少し載っています。 石碑と松の間から江の島が具合良く見える所を探して写してみました。 自己満足のアングルではあります。
森戸神社
広場の左側に森戸神社があります。 この時は社殿の扉が開かれていて、内部を見ることが出来ました。 社殿の前では、願い事を書いた絵馬を奉納している家族連れも見かけました。
森戸大明神 御由緒
永暦元年(1160)伊豆の蛭ヶ小島に配流された源頼朝公は三嶋神社を深く信仰し、源氏の再興を祈願した。 治承4年(1180)その神助を得て旗挙げに成功し、天下を治めた源頼朝は、 自らが信奉する三嶋明神の御分霊を鎌倉に近き元山王の社地であった此の景勝の地に勧請して、 永く謝恩の誠を捧げたと伝えられている。 当時のことは社宝として奉蔵の後二條院並びに花園院の院宣によっても篤く崇敬された様子がうかがわれ、 又、吾妻鏡には、この地で加持祈祷が行われ、七瀬祓の霊所としても重要な地であったことが記されている。 爾来、源氏はもとより、三浦、北條、足利諸氏の崇敬も篤く、天正19年(1591)には徳川家康公より社領七石が寄進され、 近くは、明治25年12月2日、英照皇太后の御参拝を仰ぎ、更に昭和20年まで毎年例祭には北白川宮家より幣帛を賜り、 葉山郷の総鎮守として近郷近在より多くの参詣を得ている。 特に境内より、富士、箱根、伊豆、江ノ島を望む光景は絶景で、 「森戸の夕照」として、かながわの景勝50選に選定されている。
御祭神 大山祇神、事代主神(えびす様)
御祭日 例大祭9月8日、潮神楽6月16日
史蹟
飛柏槙 (町指定天然記念物)(かながわの名木100選)
樹齢800年余。元暦元年(1184)頼朝公が当社を参拝の折、 三嶋明神から種子が飛来し発芽したものと伝えられ、当社の御神木である。
千貫松 頼朝公が衣笠城に向う途中、森戸の浜で休憩した時、 岩上の松を見て「如何にも珍しき松よ」とほめたところ、 出迎えの和田義盛は「我等はこれを千貫の値ありとて千貫の松とよびて候」と答えたという。
子宝石 「まいられよ、子宝の福、さずかりに」と詠まれている通り、信仰の篤い石である。
森戸神社の境内には、おせき稲荷社・水天宮・庚申塔・蓄霊社・総霊社などがありました。 水天宮の社の中には、石祠の左右に注連縄を渡されたお結び形をした大きな石があり、 それらの前には名前を記した丸い小石が沢山奉納されていました。 子宝に恵まれたということなのでしょう。
おせき稲荷社
古来より「せきが止まらない人」又「咽を使う職業の人」たちの篤い信仰があります。
水天宮
「まいられよ 子宝の福 さづかりに」と石碑に刻んである通り、 古くから子宝を求める人等の篤い信仰を受けている。 左右にある「子宝の石」を手でなで、お詣りすると子宝が授かると言い伝えられている霊験あらたかな石です。
子宝石
この石を持ち帰り御守と一緒に毎日お祈りすると子宝が授かると古来より言い伝えられている霊験あらたかな石です。 子宝が授かりましたら名前を記して戻して下さい。
庚申塔
庚申の信仰は、中国の道教の思想に基づくもので、江戸時代に盛んになり講中の人たちが庚申塔を建立した。 六十日毎にめぐって来る庚申の日の夜、眠った人の体内から三尸(さんし)と呼ばれる虫が出て、 天帝にその人の罪過を報告し罰が下されるといわれ寝てはいけないと信じられていた。
蓄霊社
かつて、多くの家畜が疫病にかかった時、この社にお願いすると病から免れることが出来ると云われ、 以来家畜(ペット)の守護神として篤い信仰を集めている。
総霊社
英霊、祖霊を始め水子の霊など、この社には多くの霊がまつられています。 どなたの霊でも「おまつり」いたしますのでお申し出下さい。
みそぎ橋
合わせて40分ほど居た森戸磯と森戸神社を後にして、境内の鳥居をくぐっていきます。 大きな狛犬の先の十字路を左折して、車止めを過ぎて狭い路地を進んでいくと、 森戸川に朱塗りのみそぎ橋が架かっています。 橋を渡った左右には石が敷かれて東屋も建っていて、ちょっとした公園風の所になっています。 左側には川まで降りて行ける階段もありますが、 由来に書かれている「みそぎ」をするためなのでしょうか。
「みそぎ橋」 かながわの名橋百選
由来  吾妻鏡によると、この森戸の海浜は鎌倉時代に七瀬祓の霊所と定められ、 事あるごとに、お祓いやみそぎが行われたことが記されている。 こうした故事により、この海浜で「みそぎ」がさかんに行われ、 神社から海辺に通ずる橋を「みそぎ橋」と云い伝えられている。 「みそぎ」とは、重大な祭事の前に海水を浴び、罪穢を祓いのけ、身を洗い清めることである。
森戸海岸
みそぎ橋を渡って右手へ進んでいくと、森戸海岸の砂浜が続いています。 夏には「森戸海水浴場」にもなるようです。
砂浜を進んでいくと、消波ブロックが海に突き出ている所がありました。 先の方へ出てみると、左側には先ほどの森戸磯が見えていました。 正面の海には江の島が浮かび、三角形の帆を広げたヨットが沢山浮かんでいました。 これから出帆しようというのか、浜辺には帆を広げたヨットもありました。
砂浜を進んでいって正面に家などが近づいてくると、 砂浜からコンクリート護岸された所になります。 手前は岩礁が広がる海になっていました。 船を浜に上げる設備などもあって、ちょっとした漁港のようになっています。 コンクリート舗装された堤防が海に突き出ていたので、先まで出てきました。 水はかなり綺麗で、陽の光が当たる所ではエメラルドグリーンに煌めいていました。 右側の先には葉山マリーナが見えていました。 その手前ではカヌーの講習会のようなものが行われていました。
砂浜を進んでいくと、コンクリート舗装された所があって、 作業場のような簡単な建物が並んでいました。 水揚げされた魚が天日干しされていたりもして、いい香りが漂っていました。 軒下をくぐってその先の磯を過ぎていくと、砂浜が続くようになります。
葉山マリーナ
次第に小石が混じるようになった浜辺を進んで家が建ち並ぶようになると、堤防に行く手を阻まれます。 堤防の先は葉山マリーナになっていますが、金網柵が設置されていて入っていくことは出来ないので、 金網の間からマリーナを写すだけにしておきました。 今回の浜辺歩きはここで切り上げて、バス停へ向かうことにしました。
葉山マリーナ(はやままりーな)バス停
堤防の手前から右手へ続く坂道を登っていくと県道207号に出ます。 左折して車道を進んでいくと、葉山マリーナの建物があります。 入口を過ぎた所の駐車場の前に葉山マリーナバス停があります。 森戸神社から40分ほどで着きました。
逗子駅(JR横須賀線)まで、[逗10][逗11][逗12]逗子駅行きバスにて6分、 1時間に4本から5本程度の便があります。