矢倉岳
散策:2009年03月下旬
【低山ハイク】 矢倉岳
概 要 矢倉岳は箱根連山と丹沢山塊の間にある山で、お椀を伏せたようなこんもりとした姿をしています。 今回は大沢林道から小山町の設定するトレイルロードを通って足柄万葉公園へ登り、 そこから矢倉岳へと登っていきます。 天候に恵まれると、矢倉岳からは、裾野まで広がる富士山や箱根の山々などを望む素晴らしい景色が広がっています。
起 点 小山町 駿河小山駅
終 点 南足柄市 矢倉沢バス停
ルート 駿河小山駅…大沢林道…大澤名水…遊女の滝…奥大沢分岐…奥大沢…丸太橋…776m峰…足柄万葉公園…地蔵堂分岐…矢倉沢分岐…鷹落場分岐…山伏平…矢倉岳…貯水槽跡…白山神社…矢倉沢バス停
所要時間 4時間50分
歩いて... 大沢林道から分かれて足柄万葉公園へ登っていくトレイルロードは、傾斜が急な所もありますが、 テープが点々と取り付けられていて、迷うことなく登っていけました。 朝方には綺麗な姿を見せていた富士山ですが、 息を切らせて矢倉岳に登り着いてみると、広がってきた雲に次第に覆われてきて、 遂にはすっぽりと雲に隠れてしまいました。
関連メモ 矢倉岳, 矢倉岳, 鷹落場, 足柄峠, 鷹落場, 足柄峠
コース紹介
駿河小山(するがおやま)駅
駿河小山駅(JR御殿場線)から歩いていきます。
線路脇には「金太郎ざくら」という札が立てられた桜の大木があって、 四方に広げた枝一杯に綺麗な花を咲かせていました。 駅舎からは、冠雪した富士山が快晴の青空に頭を出しているのがよく見えていました。 歩き始めは綺麗に見えていても、山頂に登り着いた時には霞んだり雲に隠れていることを何度も経験しているので、 今回は大丈夫だろうかと、はやる気持ちを抑えるのでした。 小山町観光案内所の横に立つ「遊女の滝3.2km」の看板に従って、道路を左手へと進んでいきます。
(写真は駅の陸橋から富士山を写したものです)
小山町観光12選
1.小富士 標高1979メートル。富士山東裾の側火山。須走口登山道古御嶽からほぼ等高線沿いにコメツガ、ダケカンバなど樹木が茂る遊歩道。
2.富士山 標高3776メートル。日本一の山である。須走口登山道のバスの終点、古御嶽までは「ふじあざみライン」と呼ばれる舗装道路。
3.三国山稜 丹沢山塊の最西端の籠坂峠から明神峠を結ぶ稜線である。明神峠から相模・甲斐・駿河の分岐点の三国山付近にはブナの原生林が残る。
4.金時山 標高1213メートル。小山町と神奈川県南足柄市、箱根町との分岐点にある箱根外輪山の最高峰。山頂から箱根や富士山の展望が素晴らしい。
5.足柄峠 海抜759メートル。峠には戦国時代小田原北条氏によって築かれた足柄城の遺構が残る。新羅三郎義光吹笙の石や文学碑など石造物がある。
6.金時公園 「坂田金時の子孫の家」の伝承があった「坂田屋敷」跡。金時神社・金時産湯の七滝・第六天社など金時ゆかりの史跡がある。
7.宝鏡寺 曹洞宗大雄山宝鏡寺。本尊の木造地蔵菩薩坐像は県指定有形文化財だが、60年に一度開帳の秘仏。御厨地蔵横道第一番札所。
8.富士浅間神社 富士山東口(須走口)登山道の鎮守。社記では大同2年(807)の創建と伝える。県指定天然記念物のハルニレや登山記念碑がある。
9.唯念寺 開山は念仏行者滝沢唯念。開基の檀那は大御神の天野伝右衛門。奥の沢開山堂境内には百余を数える信者奉納の石仏群がある。
10.唯念上人の大名号碑 唯念の教義を信仰する人々が、彼の記した南無阿弥陀仏の名号を石碑にしたもの。足柄峠栗の木沢にある、高さ4メートル、幅2.1メートルの碑。
11.富士スピードウェイ 1周4.47キロメートルの国内屈指のレーシングコース。雄大な富士を眺めながら各種のモータースポーツが楽しめる。
12.富士霊園 敷地面積230ヘクタールの公園墓地。四季花々に彩られ、日本さくら名所百選に選ばれた5千本の桜や、つつじ・さつきの時期は華やかである。
 (国際ソロプチミスト御殿場)
軽い登り坂を進んでいくと、「滝沢川砂防事業完成記念」と刻まれた記念碑の先で、 右手から降ってくる道が合流してきます。 角には道標が立っていて、右手の道は「滝沢ルート(舗装路)足柄峠へ最短コース6.6km」、 正面の道は「大沢ルート 足柄峠 小山町トレイルロードに通ず」となっています。 右手の道は地形図に載っている実線の道で、県道365号に出て県道78号の通る足柄峠へと続いているようです。 「舗装路」とのことなのでその道は見送って、今回は正面に続く緩やかなになった道から、 大沢ルートを経てトレイルロードへと進んでいくことにしました。
左右に分かれていく枝道もありますが、道なりに真っ直ぐ進んでいきます。 小さな沢を過ぎて左手に山並みを眺めながら進んでいくと、 駿河小山駅から8分ほどで、T字路の脇に大きな「下谷(小山四区)案内図」があります。 これから向かう大沢林道までの道が図示されているので参考にしましょう。 その図によると、遊女の滝までは1時間30分、足柄峠までは2時間30分となっています。 案内図の右手の奥には、特徴的な姿をした大野山がよく見えていました。
土石流危険渓流 鮎沢川水系菖蒲沢
土石流が発生する恐れがありますので、大雨の時などは十分注意して下さい。
 (静岡県、小山町)
T字路を直進して1分ほど進んでいくと、 道端に「金太郎 猿待ち合い伝説 下谷大沢古道」の看板が立っていて、 その脇には石碑がありました。 石碑には多くの文字が刻まれていましたが、風化が進んでいてよく読めませんでした。 先ほどの案内図にも猿待合へ至るハイキングコースが載っていたし、 どんなコースなのか気になったので、今回はその猿待合へ続く道を探ってみることにしました。
数10m進んでいくと、道端に道祖神が三体並んでいて、半鐘も立っていました。 そこを過ぎて降り始めると、すぐに右手へ細い道が分かれていきます。 先ほどの案内図に載っているハイキングコースへの入口のようですが、道標類は見かけませんでした。 少し不安になりながらも右手の道へ入っていきましたが、 猿待合へと続くハイキングコースは見つけることが出来ませんでした。 諦めて引き返してきて、正面に続く坂道を降っていきました。
右手の道の様子
東名高速道路の下を過ぎていくと、沢の左手に鳥居が見えてきます。 傍まで行くと「大祖神社」と刻まれた石碑も立っていました。 鳥居の先に続く幅の広い枕木の階段混じりの道を登っていくと、小振りの社殿がありました。 案内図にも載っている神社なので、この道で合っていると思えてきました。 沢まで引き返してその先へ進んでいきました。 花が綺麗に咲いている梅林を過ぎていくと、竹林の先に大きな砂防ダムがありました。 その手前から右へと続く山道を登っていくと畑地に出ましたが、 その上まで進んだ辺りで道が不明瞭になってしまいました。 砂防ダムを越えていく道もありましたが、その先にも道らしきものはありませんでした。 (この探索に要した時間は所要時間に含めていません)
土石流危険渓流 鮎沢川水系下谷沢1
土石流が発生する恐れがありますので、大雨の時などは十分注意して下さい。
 (静岡県、小山町)
正面に通っている東名高速道路の下までくると、道が二手に分かれています。 角には道標類が幾つか設置されています。 それらによると、右手の道は「遊女の滝2.4km」,「至 大沢林道」,「大沢コース」、 左手の道は「至 国道246号線」,「山北駅10.0km」、 今来た道は「至 駿河小山駅10分」,「駿河小山駅・観光案内所0.8km」となっています。 今回はここから高速道路の下をくぐって右手へ続く道を進んでいきます。
大沢コース
遊女ノ滝を経て「奥大沢」にてルートは分れる。 小山町新設の「トレイルロード」は万葉公園・足柄峠に行く。
「トレイルロード」とは、 富士山五合目〜須走立山〜三国山〜明神峠〜湯船山〜不老山〜足柄峠〜金時山を結ぶ延長30kmほどの道で、 小山町の2008年度事業として調査が開始されたようです。 不老山から降りてきて、ここから大沢林道を経て足柄峠へと登っていくルートのようです。
道の左側には小川が流れています。 民家の建ち並ぶ浅い谷あいに続く坂道を登っていくと、大澤橋を渡っていきます。 右手に広がる田んぼを見ながら坂道を登って高速道路が見えてくると、和手橋を渡っていきます。 前回訪れた時には「トレイル・ロード体験ウォーク順路」と書かれた紙が括り付けられていたのですが、 この時にはなくなっていました。
土石流危険渓流 鮎沢川水系下谷沢2
土石流が発生する恐れがありますので、大雨の時などは十分注意して下さい。
 (静岡県、小山町)
土石流危険渓流 鮎沢川水系和手川
土石流が発生する恐れがありますので、大雨の時などは十分注意して下さい。
 (静岡県、小山町)
畑などを眺めながら坂道を登っていくと、白壁の民家の先にT字路があります。 正面に立つ「遊女の滝2.0km」に従って右手へ進んでいきます。 畑の脇に続く道を進んでいくと、道端の石段を登った一段高い所に、 大きな「大沢林道開通記念碑」と「大澤川流域治山治水碑」が並んでいました。 裏面には解説文が刻まれていました。 大澤川流域治山治水碑は何とか読めましたが、大沢林道開通記念碑はうまく写せませんでした。
大澤川流域治山治水碑
昭和廿三年九月十六日アイラ ン台風ハ大澤川一帯ニ未曾有 ノ大惨事ヲ生ジタリ時ニ小山 町長湯山正平氏ハ鋭慈災害ノ 復旧ト永遠ノ治山治水ノ計ヲ 画リ盡力セラル即チ東京営林 局ハ小山町ニ治山事業所を置 キ国営ヲ以テ昭和廿五年度ヨ リ三箇年県及町ハ昭和廿三年 度ヨリ五箇年中井組ニ命ジテ 工事ニ當ラシメ又水源林五十 町歩ノ植樹ヲ完成セリ此ノ工 費実ニ六千五百萬円ノ巨額ニ 達ス茲ニ工事ノ竣功ニ當リソ ノ大略ヲ述ベテ永ク後世ニ傳 ヘ地元住民ノ謝恩ノ記トナス
昭和廿八年四月十五日 尾崎幸雄撰 土屋高雲書
石碑を過ぎて高速道路の傍までくると上大沢橋が架かっています。 橋を渡って左手へ曲がり、高速道路の下を過ぎていきます。 石垣の上の竹林を過ぎていくと、植林帯へ入っていきます。 左手には沢の流れが続いていて、心地よい水音をたてていました。 S字形に曲がって更に進んでいくと、上空には送電線が通っていました。 壊れたカーブミラーを過ぎていくと、沢に架かる小橋を渡っていきます。 沢には石がゴロゴロしていました。
禁漁中
県条例で11月1日より2月末日まで、すべの釣はできません。 これに違反すると罰せられます。
 (小山町観光協会、小山町釣友会、御殿場警察署)
復旧治山事業
荒廃した森林を、もとのすがたにもどし、災害を防止するため治山工事を行なっています。
 (静岡県)
大沢林道
カーブミラーを過ぎてガードレールが設置された所を過ぎていくと、 「林道大沢線」の看板が設置されていました。 ここからが大沢林道ということでしょうか。 駿河小山駅から35分ほどで着きました。
林道 大沢線
林道の規格・構造は、公道とは異り路肩の保全・法面の落石防止等の処置が十分ではありませんので、 利用される方は次の事項を厳守のうえ通行してください。
1.降雨・降雪時には、スリップまたは落石の危険があります。
2.車のスピードは、20km/時速以下としてください。
3.夜間または濃霧のときの通行は避けてください。
4.見通しの悪い箇所での駐車は避けてください。
 (小山町)
大澤名水
沢沿いに続く林道を登っていきます。 4分ほど進んでいくと、送電線の鉄塔「北駿線No.21」への巡視路を左手に分けていきます。 林道は砂利道になったり舗装路になったりしながら続いています。 傾斜は急ではありませんが、長く歩いていると疲れてきたりもします。 再び植林帯へ入っていくと、送電線の鉄塔「北駿線No.22」への巡視路を左手に分けていきます。 そのすぐ先は、道が膨らんで小広くなっていました。 大沢林道の看板の所から13分ほどの所になります。 左手には「大澤名水」と書かれた標柱が立っていました。 小さな沢から竹製の樋で引かれた水が流れ落ちていました。 これが「大澤名水」のようです。 解説板などは見かけませんでしたが、手で受けて飲んでみると、冷たくて美味しい水でした。
大澤名水を後にして林道をその先へと進んでいきます。 左手が雑木林になった植林帯を山襞に沿うようにして進んでいくと、 大澤名水から3分半ほどで、右手へ降っていく「遊女の滝」への入口がありました。 脇には「金太郎探索実行委員会 遊女ヶ滝 大澤古道」と書かれた看板が立っていて、解説板もありました。 看板の柱には「さわやかウォーキング常設コース」の貼り紙もありました。 傍には道標も立っていて、正面の道は「足柄峠方面」、今来た道は「駿河小山駅方面」となっています。 また左手にも道標が立っていて、右手へ降りていく道は「遊女の滝」、 正面に続く林道は「県道 金太郎富士見ライン2.0km」、今来た道は「駿河小山駅3.1km」となっています。 この下の方に遊女の滝があるので、今回も立寄っていくことにしました。
遊女の滝
硬質プラスチックで補強された横木の階段をクネクネと曲がりながら降っていきます。 トラロープが張られていたりもしますが、それほど必要な感じはありませんでした。 植林帯から雑木林に変わった斜面を降っていくと、林道から2分ほどで、 大きな石がゴロゴロしている沢に降り立ちました。 上流には心地よい音を響かせながら流れ落ちる滝が見えていました。 あれが遊女の滝だろうと思って、足元に注意しながら石伝いに沢を上流へ進んでいきました。 前回は滝壺の傍まで行けたのですが、この時には流れる水の量が多くて、手前までしか行けませんでした。 垂直に切り立つ崖の上から末広がりになりながら、水が勢い良く流れ落ちていました。 大沢林道の看板から23分ほど、駿河小山駅から1時間ほどで到着しました。 写真を写したりしながら、しばらく休んでいきました。
金太郎ゆかりの地 遊女の滝
この滝の名を「遊女の滝」といいます。 ある日金時山の頂きで寝ていた八重桐は夢の中で赤龍と結ばれました。 この時八重桐のお腹に宿ったのが金太郎です。 八重桐は山をおりるとこの滝に身を打たせ産まれてくる金太郎の健康を祈願しました。 八重桐が滝に打たれている姿を見た里人はその後この滝の名を遊女の滝を呼ぶようになりました。
往復12分ほどで遊女の滝から引き返してきて、大沢林道をその先へと進んでいきます。 林道に出て4分ほど進んでいくと、左手の斜面に登っていく鉄板製の階段があります。 袂に立つ標識によると、送電線の鉄塔「北駿線No.23」への巡視路のようでした。 上空を見上げると送電線が通っていました。 その下を過ぎていくと、僅かに降るようになります。 尾根が次第に近づいてきます。 背の低いガードレールが両側に設置されたコンクリート橋を渡って、林道を更に登っていきます。
奥大沢分岐
坂道を登っていくと傾斜が緩やかになってきます。 僅かに降るようになって少し右へ曲がっていく角に、 再び両側にガードレールの設置されたコンクリート橋があります。 その橋を渡った10mほど先で、左手へ戻るようにして道が分かれていきます。 遊女の滝への降り口から16分ほどの所になります。 手元の地形図では、632m峰の東500m辺りの実線の道が分かれている所になります。 右手へ曲がっていく林道から降ってくると正面に見える向きに道標が立っていて、 左手の道(降ってくる向きからは右手)は「奥大沢」、今来た道は「駿河小山駅」となっていました。 このまま大沢林道を進んでいくと県道365号に出ますが、 今回はここで林道と分かれて、左手の道を進んでいきました。
(写真は分岐を過ぎた所から振り返って写したものです)
奥大沢
砂利道になった広めの道を登り気味に進んでいきます。 程なくして緩やかになった道を進んでいくと、分岐から1分半ほどで僅かな沢を渡っていきます。 右手へと続く道を更に進んでいくと、奥大沢分岐から4分ほど、遊女の滝への降り口から21分ほどで、 小さな沢に堰のようなコンクリート製の橋が架かっています。 手元の地形図では、奥大沢分岐の南東250m辺りにある実線の道が分かれている所になるようです。 広めの道は橋を渡った先で左右に分れています。 足柄峠を通る県道へ続く破線の道は、橋を渡って右へ進んでいくようですが、 橋の手前からも道らしきものが分かれていました。 その入口には赤テープが巻かれた道標が立っていて、橋の手前から右へ分れていく道は「旧大沢林道」、 今来た道は「駿河小山駅」となっています。 橋の手前から右へ分れていく道は釜ヶ沢や二本松を経て県道78号へ登っていけますが、 今回は橋を渡って右へ続く道を進んでいきました。
橋の手前から右へ分れていく道の先にある道標から考えると、 この辺りが「奥大沢」と呼ばれる所のように思えますが、 その旨を示す標識などは見かけなかったので違うのかも知れません。 東名高速道路の下にあった道標に書かれていた 「遊女ノ滝を経て奥大沢にてルートは分れる」とはこの地点を指しているものと思われます。 また同じ道標に書かれていた「小山町新設のトレイルロードは万葉公園・足柄峠に行く」とは、 この橋を渡って右へと続く道のように思えます。 もしそうならば、橋の手前から右へ分かれていく道が、道標にあった「大沢コース」になるようです。
(橋の手前から右へ分かれていく道は「足柄峠」を参照)
丸太橋
小型車なら通っていけそうな幅のある道を登り気味に進んでいきます。 タイヤの跡も付いていたので林道なのでしょうか。 右下には沢が流れていて砂防ダムもありました。 所々に桃色テープが巻かれていたりもして、ルートを示しているようでした。 8分ほど登っていくと降り道になってきます。 2分ほど降っていくと、広めの道は終わりになります。 右手には砂防ダムがありました。 手元の地形図にある実線から破線の道に変わっている地点で、 ダムの記号が描かれている辺りになるようです。 奥大沢から10分ほどで到着しました。 その先に続く山道へ入っていくと、すぐに丸太を4本束ねた丸太橋が架かっています。 橋を渡っていくと、脇の樹木に桃色テープが巻かれていました。 さてどちらへ進んだものかと辺りを覗っていると、 左手の沢の先の方に桃色テープが巻かれているのが見えました。 そこへ続く踏み跡も明瞭だったので、ここは左手へと進んでいきました。
雑木の疎林を進んでいくと、次第に登るようになってきます。 左右には沢があって、砂防ダムもありました。 引き続き、樹木に桃色テープが点々と巻き付けられていて導いてくれます。 右側の堰堤を過ぎていくと、丸太橋を渡ってから1分半ほどで植林帯に入っていきます。 最初のうちは横に広がった斜面になっていますが、 登るにつれて次第にはっきりとした尾根の背になってきます。 植林帯に入っても桃色テープが点々と取り付けられています。 特に分岐などはなく踏み跡もしっかりとしているので、迷うことはありませんが、 そんなテープを確認しながら登っていきました。
次第に傾斜が増してくる植林帯の尾根を8分ほど登っていくと、道端に笹が生い茂る雑木林に変わってきます。 そんな中に続く一段と傾斜の増した道を登っていきます。 次第に息が切れてくるし、額には汗も滲んできます。 何度も立ち止まって呼吸を整えながら、ゆっくりと登っていきました。
手元の地形図にある破線の道は、谷筋を通って車道がヘアピンカーブしている辺りへ続くように描かれていますが、 今回歩いている道はその北側にある小尾根の背になるようです。 確かめた訳ではありませんが、先ほどの丸太橋から真っ直ぐに進んでいく道があったのかも知れません。
引き続き、桃色テープが点々と巻かれた道を休み休み登っていきます。 振り返ると、樹間からは富士山が見えるようになってきました。 手前の樹木が邪魔をして眺めは今ひとつでしたが、笹が生い茂るようになってから4分ほど登った所からは、 青空に聳えるまずまずの姿を望むことができました。 矢倉岳の山頂に着いてもこのままの状態で見られると良いがと、はやる気持ちを抑えるのでした。
776m峰
少し傾斜が緩んできた道を登っていきます。 何度も振り返って富士山などを眺めながら、ゆっくり登っていきました。 やがて尾根の左斜面を進むようになります。 再び傾斜が増してきた道を登っていくと、緩やかな高みに着きました。 手元の地形図にある776m峰になるようです。 丸太橋から28分ほどで登って来られました。 周囲には雑木が生い茂っていて展望はよくありません。 尾根は左正面へと続いているようでしたが、緑色テープが張られていて封鎖されていました。 道はここから右へ曲がって降っていきます。
足柄万葉公園
坂道を降っていくと、すぐに右傾斜の斜面を横切る緩やかな道になってきます。 笹の生い茂る尾根に出て、その先へと降っていきます。 幅の広い横木の階段を降って、その先の尾根を更に降り気味に進んでいくと広場に出ました。 776m峰から4分ほど、丸太橋から32分ほどで登って来られました。 ここは足柄万葉公園の北端になるようで、歌を書いた石碑や立札が沢山ありました。 これまで休憩らしい休憩をせずに来たので、脇の丸太に腰を降ろしてひと休みしていきました。
奥大沢からここまでの道には桃色テープが点々と巻かれ、 笹などが刈り払われて整備された様子もありましたが、 トレイルロードであることを示す標識は見かけませんでした。 まだ調査を始めたばかりのようで、これから整備が進むのかも知れません。 丸太橋を渡って真っ直ぐ進んでいく地形図の破線の道もあったのかも知れませんが、 ここでは今回歩いたルートがトレイルロードだとしておきます。
梧桐の日本 琴一面 対馬の結石山の 孫枝なり この琴 夢に娘子に 化りて曰はく 巻5-810
鳥総立て 足柄山に 船木伐り 樹に伐り行きつ あたら船木を 巻3-391
(文意) 神まつりして足柄山で船木を伐ろうとしていたのに、その木を他の人が伐ってしまった。 大切に思っていた木なのに。 「鳥総立て」とは樹を伐採するときに木霊をまつる信仰儀礼の一つ。 他人のもとへ行ってしまったあの乙女は私と交際を始めていて、本当にいい子だったのに。
足柄万葉公園の左手へ続く細い道を降っていきます。 正面に箱根外輪山を眺めながら急坂を1分ほど降っていくと、左右に通る道に降り立ちます。 角には道標が立っていて、左手の道は「至 矢倉岳 約2.2km」、右手の道は「県道・中央広場・便所・足柄古道」、 今降ってきた道は「万葉公園」となっています。 右手の道を進んでいくと足柄峠へと続く県道78号に出られますが、 今回はここから左手へ続く道を矢倉岳へと向かっていきます。
地蔵堂分岐
植林帯へ入っていくと、すぐに分岐があります。 角に立つ道標によると、右手に降っていく道は「地蔵堂・万葉ファミリーコース」,「地蔵堂50分」、 正面の道は「矢倉岳・21世紀の森・酒水の滝」、 今来た道は「足柄万葉公園・足柄峠」となっています。 右手の道は「あしかりの郷」を掠めて地蔵堂へと降っていけますが、 今回は矢倉岳を目指して正面の道を進んでいきます。
(右手の道は「足柄峠」を参照)
地蔵堂への分岐を見送って尾根道を進んでいきます。 「山伏平」を指す道標を過ぎていくと、右傾斜の斜面に、緩やかな降り基調の道が続いています。 7分ほど進んで植林帯から雑木林になると正面が開けてきて、目指す矢倉岳が見えてきました。 左手へ曲がっていく道を進んでいくと、手前の樹木が低くなって綺麗に見えるようになりました。 足柄万葉公園から8分ほどの所になります。
自然環境保全地域
自然を大切にしましょう。
 (神奈川県)
小さな山襞を過ぎ、大きな岩が露出した所を過ぎていくと、ふたたび植林帯へ入っていきます。 「矢倉岳・21世紀の森」を指す道標を過ぎて、丸太の小さな木橋を渡って更に進んでいきます。 引き続き、植林帯の斜面に降り基調の道が続いています。 先ほどの矢倉岳が見える所から10分ほど進んでいくと、 再び右手の雑木林が低くなって、矢倉岳が見える所がありました。 何だか傾斜が急な山のように見えてきます。
植林帯へ入って緩やかに降っていくと、僅かな鞍部に着きます。 手元の地形図によると、670m峰の西100m辺りにある鞍部のようです。 鞍部を過ぎて登り返し始める所に道標が立っています。 この先の道は「矢倉岳・酒水の滝」、今来た道は「足柄万葉公園・足柄峠」となっています。 右手にも道が分かれて降っていましたが、道標には何も記されてはいませんでした。 ここは正面に続く尾根道を登っていきます。
矢倉沢分岐
2分ほど登っていくと、左手の高み(670m峰)を巻き終えて僅かに降るようになります。 すぐに緩やかになって、その先で再び登り坂になってきます。 引き続き、よく踏まれてしっかりとした道が続いています。 人気のあるハイキングコースとみえて、多くのハイカーとすれ違いましたが、 10名ほどのマウンテンバイクのグループと出合ったのには興ざめでした。 「神奈川県森林公社分収造林地」の看板を過ぎていくと、登りの傾斜が少し増してきます。 植林帯に続く尾根道を7分ほど登っていくと分岐があります。 先ほどの鞍部にあった道標から10分ほどの所になります。 角に立つ道標によると、正面へ降っていく道は「地蔵堂45分」、 左手へ登っていく道は「矢倉岳・山伏平」、今来た道は「足柄万葉公園」となっています。 別の道標も立っていて、正面の道は「地蔵堂矢倉沢」となっていました。 正面の道を進んでいくと地蔵堂や矢倉沢林道へと降っていけますが、今回は左手の道を登っていきます。
(正面の道は「矢倉岳」を参照)
鷹落場分岐
傾斜の増した山道を1分ちょっと登っていくと、右手へ曲がっていく角に道標が立っています。 右手へと曲がっていく道は「矢倉岳・21世紀の森」、今登ってきた道は「足柄峠・地蔵堂」となっています。 道標の脇から左手へ降っていく小道も分かれています。 道標には何も記されてはいませんが、この道は鷹落場(819.2m峰)へ続く尾根の入口になります。
(左手の道は「鷹落場」,「鷹落場」を参照)
山伏平
鷹落場への道を見送って右手へ曲がっていくと、10mほどの所に分岐があります。 以前には見かけませんでしたが、この場所を示す真新しい道標「山伏平」が立っていました。 足柄万葉公園から34分ほどで到着しました。 角に立つ道標によると、「正面の道は21世紀の森・酒水の滝」、 右手に登っていく道は「矢倉岳」、今来た道は「万葉公園・足柄峠」となっています。 また、右手の方には壊れた道標があって、「矢倉岳ハイキングコース・山伏平ハイキングコース」となっています。 「・・平」という名前からは開けてなだらかな場所を想像しますが、そんな感じの所ではありません。
鹿避け柵沿いに続く尾根道を緩やかに登っていきます。 3分ほどで鹿避け柵から離れて雑木林の尾根道を登るようになると、少し傾斜が増してきます。 根元から枝分かれした樹木の生えた所を過ぎていくと、横木の階段が始まります。 途中で階段が途切れて見晴らしのいい所もあったりします。 富士山や裾野が広がる雄大な眺めですが、この時には湧き出した雲が手前にかかってきて、 下の方は隠れてしまいました。 『これはいかん!これでは矢倉岳の山頂に着く頃にはすっぽりと雲に隠れてしまうかも知れない』と、 これまで以上に気が焦るのでした。
横木の階段が途切れ途切れに続く尾根道を更に登っていきます。 急傾斜というほどではないにしても、結構息が切れてきます。 何度か登っている矢倉岳ですが、 富士山が雲に隠れてしまわないうちに早く山頂に着きたいと気ばかり焦って、この時はこれまで以上に疲れました。 何度も立ち止まって呼吸を整えながら登っていきました。
矢倉岳 (標高870m)
横木の階段を登って「水源の森林」の標識や「水源の森林づくり」の看板を過ぎて、 緩やかになった道を進んでいくと、坂道をひと登りした先で急に目の前が開けて矢倉岳の山頂に着きます。 山伏平から20分ほどで到着しました。 山頂には「矢倉岳頂上 標高870米」の標柱が立っています。 小さな石の祠などもある山頂は広い草原状になっていて、すでに多くのハイカーが登ってきていました。
神奈川県「水源の森林づくり」契約地(水源協定林)
水資源を大切にしましょう。
 (神奈川県農政部水源の森林推進室、神奈川県足柄上地区行政センター森林保全課)
矢倉岳の山頂は北側が少し樹木で隠れているものの、270度ほどの展望が広がっています。 北東には丹沢山塊が、東側には大雄山線沿線から国府津にかけての街並みや相模湾が、 南東から南西にかけては箱根外輪山が、西側には裾野まで広がる富士山を望める眺めが広がっています。 木組みの「見晴台」もありますが、富士山や箱根連山には雲がかかり始めていたし、 遠くの方は少し霞んでもいたので、今回は登るのは止めておきました。 お昼を僅かに過ぎた時刻になったので、見晴台の脇にシートを広げて昼食タイムにしました。
矢倉岳見晴台
気をつけてお登り下さい。 責任は負いかねます。
 (南足柄ライオンズクラブ)
山頂から東へ延びる道を降っていきます。 根元から枝分かれした樹木が生い茂る尾根を降っていきます。 冬枯れの季節とあって、葉を落とした樹木が続いていて、殺風景な眺めが続きます。 9分ほど降っていくと、幅の広い横木の階段が現れます。 横木が何本も積み重ねられてかなりの段差があり、降りていくのにひと苦労します。 階段を避ける人が多いのか、脇に細い踏み跡が出来ていたりもしますが、 そんな横木の階段も2分ほどで終わりになります。 左右の樹間からは山並みが見えていましたが、青葉が茂る季節になると見えなくなるのだろうと思われます。 かなり傾斜があるので、登ってくる時にはさぞ大変だろうと思いながら降っていきました。
山火事注意 火の用心
たきび・たばこは確実に消して!
 (森林共済セット保険、神奈川県)
特筆することもない冬枯れの尾根を淡々と降っていきます。 山頂から17分ほど降っていくと、道端にアオキなどが生い茂るようになります。 緑色を見かけて、何だかホッとしたりもしました。 更に2分ほど降っていくと、植林帯の縁を降るようになります。 山頂から24分ほど降った所に、行く手を指す道標「矢倉沢本村」が立っていました。 植林帯へ入っていくと、一段とアオキなどが増えてきます。 この尾根は水源協定林になっているようで、 「水源の森林」と書かれた頭の赤い白い杭が点々と設置されていました。 倒木が道を塞いでいる所もありましたが、難なく通っていけました。
自然環境保全地域
自然を大切にしましょう。
 (神奈川県)
神奈川県「水源の森林づくり」契約地(水源協定林)
水資源を大切にしましょう。
 (神奈川県農政部水源の森林推進室、神奈川県足柄上地区行政センター森林保全課)
貯水槽跡
やがて植林帯をくねくねと曲がりながら降るようになります。 山頂から38分ほど降っていくと、道端に石垣があって、その前に円弧形の鉄板が幾つも放置されていました。 4年半ほど前に来た時には、ここに高さ3mほどの円筒形をした貯水槽のようなものがありましたが、 この時には壊されてから年月がかなり経っているようでした。
(写真は振り返って写したものです)
貯水槽跡を過ぎて、植林帯を更に降っていきます。 緑色をした土嚢で道が補強されていたりもしますが、かなり前に置かれたようで、 道と自然に一体化していました。 他の所では白い土嚢をよく見かけますが、緑色のは自然と調和して良い雰囲気でした。 貯水槽跡から6分ほど降っていくと、 今降ってきた道を指す道標「矢倉岳」を過ぎて右へ曲がっていきます。 コンクリート敷きになってきた細い道を降っていき、 作業小屋のような建物を巻くようにして過ぎていくと、 正面には蘇我丘陵の山並みを見渡せる眺めが広がっていました。 その右手の方には相模湾と思われる海も見えていましたが、少し霞んでいて明瞭ではありませんでした。
たき火・たばこに注意
 (神奈川県)
作業小屋を過ぎて少し幅が広がってきたコンクリート道を降っていくと、 1分もせずに広めの舗装路に降り立ちました。 これで山道は終わりになります。 矢倉岳から45分ほどで降りて来られました。 左側には家が建っていて、そこへ続いていると思われる道が左手へ延びていました。 道標類はないかと左右を覗っていると、右手の山際に道標が立っていて、 右手の道は「矢倉沢本村」、今降ってきた道は「矢倉岳」となっていました。 ここは道標「矢倉沢本村」に従って右手へと降っていきます。
かなり傾斜がある舗装路を降っていきます。 石垣沿いに植林帯を抜けていくと、左手に茶畑が広がっていました。 茶畑の横を降っていくと左右に通る道に出ました。 角には道標が立っていて、右手の道は「矢倉沢バス停」、今降ってきた道は「矢倉岳」となっています。 道標に従って広くなった舗装路を降っていきます。 箱根外輪山を正面に眺めながら舗装路を降っていきます。 再び植林帯へ入って左手へ曲がっていくと、古びた作業小屋のようなものが建っています。 そこを過ぎて植林帯を抜けると、ミカン畑などが広がるようになってきます。
白山神社
崖沿いに降って竹林の所を過ぎていくと、民家が点在するようになってきます。 その先へ更に降っていくと、左手にこんもりとした森があります。 道端には丸まった石碑と、祠に納められた四角い石碑がありました。 その右脇から続く石段を登っていくと神社の境内に着きました。 舗装路に降り立った所から17分ほどで到着しました。 社殿の中を覗ってみると、「白山神社」の扁額がかかる扉の更に奥に、白木の祠があるようでした。 由緒などを記したものはありませんでしたが、無事に下山できたことを報告していきました。
白山神社を後にして、正面に続く道を緩やかに降っていくとT字路に出ます。 その左手には今降ってきた道を指す道標「矢倉岳」が立っていました。 左右の道を示す板はありませんでしたが、右から来ると見える向きに立っていたので、 ここは右手へと降っていきました。 森と石垣の間に続く坂道を降っていくと左右に通る道に出ました。 角には双体の石仏が佇んでいました。 正面には今降ってきた道を指す道標「矢倉岳」がありました。 ここでも左手から来ると見える向きに立っていたので、ここは左手へ進んでいきました。
畑などが広がる所を進んでいきます。 斜めに通る道に出て右手へ進んでいくと十字路があります。 角に建つ民家の壁には「矢倉岳ハイキングコース」と書かれていて、今来た道を指していました。 角に佇む石仏の脇には「矢倉岳110分」や「矢倉沢裏関所跡」の道標もあって、同じく今来た道を指していました。 十字路を右折したすぐ先に本村バス停がありますが、週末の午後には18時台の2本しか便がないので、 この先の矢倉沢バス停まで歩いていきます。
内川に架かる前田橋を渡っていくと、右手に矢倉澤公民館やトイレ設備があります。 「観光案内」と題した案内板が設置されていて、 今回登った矢倉岳を始めとして、21世紀の森や浜居場城跡、地蔵堂から足柄峠へのルートなどが載っていました。 それによると、山伏平から矢倉岳までは20分、矢倉岳からここまでは80分となっていました。 今回は矢倉岳からここまで1時間15分ほどで降りて来られたので、まずまずのペースのようでした。
公民館の道路向かいには桜が満開の花を咲かせていました。 案内板によると「春めき」という品種の桜なのだそうです。 正確に数えた訳ではありませんが、全部で20本以上はあったでしょうか。 植えられてからあまり年月が経っていないのか、どれも若木のようでしたが、 今を盛りと綺麗な花を咲かせていました。
春めき
早咲きの桜で、花びらの色がソメイヨシノより濃くて長い蕊をしています。 かつては俗称で「足柄桜」と呼ばれていたのが、平成12年に「春めき」として品種登録された桜のようです。 実生の桜から生まれたとのことですが、交配親の品種はよく分からないようです。 学名は「Prunus cv. Harumeki」というようですが、無学の私には意味はよく分かりません。
矢倉沢(やぐらさわ)バス停
矢倉澤公民館を過ぎてその先へ進んでいきます。 切通しを過ぎていくと、左右に通る県道78号に出ます。 そのすぐ左手に矢倉沢バス停があります。 白山神社から14分ほどで到着しました。
関本(大雄山駅)や新松田駅(小田急小田原線)までの便が1時間に1本程度あります。
 土日曜 ...12:32 14:32 14:53* 15:32 16:32 17:32 18:11 18:46
※14:53発の便は4月〜11月の期間のみ運行