葉山の里
散策:2006年05月中旬
【里山散歩】 葉山の里
概 要 三浦半島にある葉山町の木古庭地区から上山口地区にかけて散策します。 山の傾斜地には棚田があったり、下山川沿いには古東海道が通っていたりします。 山際には滝もあって寺社などの古刹も沢山ある静かな里をゆっくりと歩いていきます。
起 点 葉山町 不動橋バス停
終 点 葉山町 水源地入口バス停
ルート 不動橋バス停…下山川…不動滝…不動堂…明神社…大沢の庚申塔…木古庭大沢橋…上山大沢橋…大沢配水池…棚田…杉山神社…正吟の庚申塔…観正院…むかいばらばし…水源地入口バス停
所要時間 2時間10分
歩いて... 訪れたのが小雨の降る日だったこともあって、静かな散策になりました。 先日来の雨のためか、不動滝を流れ落ちる水にも勢いがありました。 今回は省略しましたが、古東海道が通っていたり寺社なども多くあるので、 また機会を得てじっくりと歩いてみたい所です。
関連メモ 山口の里
コース紹介
不動橋(ふどうばし)バス停
衣笠駅(JR横須賀線)から、[衣13]上山口小学校行きバス、 [衣14]葉山町福祉文化会館行きバス,または,[逗15]逗子駅行きバスにて10分、 1時間に2本程度の便があります。
下山川
バス停から県道27号を衣笠駅方向へ少し引き返し、不動橋を渡った所にある不動橋交差点を右折して、 下山川の左岸に沿って進んでいきます。 道は程なくして下山川から分かれて左手へと曲がっていきます。 水路が二つ合わさっている所を過ぎて、左右に住宅が続くやや傾斜の急な坂道を登っていきます。
坂の途中にある左手に分かれていく道を見送って、道なりに右手へと曲がっていきます。 三浦アルプスの稜線を右手に眺めながら坂道を登っていくと、程なくして緩やかな道になってきます。 民家が途絶えて畑や空地などが続く道を進んでいくと、やがて山裾に近づいてきます。 開けた斜面にポツンと建つ小屋を過ぎて、その先にある竹林の脇に続く坂道を登っていきます。
坂道を登り切って正面の道を降っていきます。 送電線の下を過ぎて道なりに進んでいくと、バス停から10分ほどでY字路があります。 脇には「奉納 南無不動明王」と書かれた赤い幟が幾つも立っていて、 「三浦三不動尊 不動滝不動堂」と書かれた案内板も立っていました。
不動滝
Y字路を左手に入っていくと、すぐ左手に不動滝があります。 それほど大きくはありませんが、先日来の雨のためか、滝壺に向って勢い良く水が流れ落ちていました。 手前の左手にある石燈籠には花束などが供えられていました。 不動尊でしょうか、石燈籠の後ろの方には石仏がひとつ立っていました。 手前の右手には「不動瀧縁起」の石板もありました。 「今から凡そ七百九十余年の昔・・・」と刻まれていましたが、 風化のためかなり擦れていて明瞭ではなく、残念ながらほとんど読めませんでした。
不動堂
不動滝を後にしてその先の坂道を登っていくと、民家の先で道は右手へと降っていきます。 その角から左手へと登っていく石段があります。 大きなイチョウの木の脇を通って両脇に石仏が控える石段を登っていくと、 立派な不動堂のある境内に着きます。 両脇には「奉納 南無不動明王」と書かれた白い幟が立っていました。 境内にはお堂以外にも小さな祠が二つほどありました。 お堂の前に置いてあったパンフレットによると、この不動堂は、 最初の不動橋交差点を左折して下山川沿いに400mほど行った所にある本円寺の境外仏堂とのことです。
大明山 本圓寺
…(前略)… 境外仏堂として、三浦三不動随一不動堂(大楠山山麓)があります。 本尊に不動明王を祀り、山号を「瀧谷山」、道場を「瀧不動堂」と称します。 字の如く山より水が流れ瀧となり祈祷祈願の道場として聖域を創っております。
『不動明王は、火生三昧に住み、参拝者のけがれを焼き尽くす炎を背に有し、 また右手には全ての悪慶や敵を摯滅させる剣を持ち、 左手にはそれを撃縛させる索を持ち眼は開き、牙を出して下の歯で上唇を噛み、 頭の上には七髻があり、左肩には髻弁の一端をたらす。』
昔木古庭の畠山城の畠山重忠が、衣笠城の三浦大介を改めた時、 戦勝を祈念して畠山重忠の守本尊「不動明王」をこの場所に祀ったと伝えられています。 清冽なる瀧と、幽邃なる樹林は葉山町の天然記念物に指定され、 悠久なる歴史と瀧不動尊の霊験と共に参詣者も多くおられます。 …(後略)…
 (出典:本圓寺パンフレットより抜粋)
明神社
不動堂の裏手の一段低い所に明神社があります。 左手にあるのが本殿で、右手にあるのが小屋風の拝殿になります。 謂れなどを記したものは見当たりませんでした。 この地区の方々でしょうか、小雨の降る中、大勢で神社から不動堂にかけての草刈り作業をされていました。
(正面からだと引きがなくて全体が入らなかったので、社殿の横側から撮ったものです)
敬神生活の綱領
一、神の恵みと祖先の恩とに感謝し、明き清きまことを以て祭祀にいそしむこと。
一、世のため人のために奉仕し、神のみこともちとして世をつくり固め成すこと。
一、大御心をいただきてむつび和ぎ、国に隆昌と世界の共存共栄とを祈ること。
 (神社本廳統理 徳川宗敬)
大沢の庚申塔
鳥居の先の石段を降ると、坂道が下まで続いています。 苔むしている所もあったりするので、雨の日などは滑って転ばないように注意しながらゆっくりと降っていきます。 不動滝の手前のY字路を右手へと進んできた道に降り立つと、 「明神社参道入口」と書かれた標柱が立っていました。 そばには小さな祠に仏像が安置されていて、綺麗な花も供えられていました。 正面には葉山町指定重要文化財の「大沢の庚申塔」があります。
左折して、山際に続く舗装された道を2分ほど進んでいくと分岐があります。 右手に降っていく道は県道27号へ出てしまいそうに思えたので、今回は左手に続く坂道を登っていきました。 手元の地図によると、県道27号に出ることなく途中から分かれていく道が描かれていたのですが、 そのような分岐は見当たりませんでした。 歩いてきた道と同じ位の幅のように描かれていたのですが、実際にはずっと細くて、 うっかりと見過ごしてしまったのかも知れません。
木古庭大沢橋
坂道を登り切って作業場のような所を過ぎて右手に大きく曲がりながら降っていくと、 下山川に架かる木古庭大沢橋を渡った先で、結局は県道27号に出てしまいました。 右手にはガソリンスタンド、左手には自動車用品販売店がありました。
上山大沢橋
左折して県道を1分ほど進んでいくと境橋バス停があります。 バス停を過ぎてその先へと進んでいくと、程なくして大沢橋入口交差点があります。 そこを左折して、下山川に架かる上山大沢橋を渡っていきます。
砂防指定地 下山川
この土地の区域内において宅地造成、家屋の新築、土採取等の行為をする場合は県知事の許可が必要ですから、 神奈川県横須賀土木事務所にご相談下さい。
上山大沢橋を渡って、正面に続く道を進んでいきます。 次第に登り坂になる道を1分ほど進んでいくと、神奈川県企業庁水道局の大沢ポンプ所があります。 左右に曲がりながら登って、大きなホテルへの入口を過ぎていきます。 少し緩やかになった道を進んでいくと、右手に竹林があります。 更に道なりに進んでいくと、上山大沢橋から9分ほどで、 小さな竹林の先にカーブミラーの立つ分岐があります。 道標などは見当たりませんでしたが、角に立つ電柱には 「大沢支17」や「大沢215」などと書かれた小さな鉄板が貼り付けてありました。 ここから右手へ分かれていく道を降っていくと杉山神社がありますが、 ここを直進していった所から降っていくことにします。
葉山都市計画大楠山風致地区、衣笠大楠山近郊緑地保全区域
この地区内で建築、土地造成、木竹類の伐採当を行なう場合は事前に許可が必要です。
 (葉山町都市計画課)
お願い
ここは、皆様のご家庭に給水するための重要な水道施設です。 漏水等の事故にお気付の方はお手数でも下記にご連絡をお願いします。
 (神奈川県企業庁水道局寒川浄水場)
大沢配水池
緩やかな坂道を登り切って峠に差し掛かると、神奈川県企業庁水道局の大沢配水池があります。 階段が山へと続いていましたが、登り口は金網で閉ざされていました。
峠の右手が開けていて、三浦アルプスの稜線を見渡すことができました。 形からすると二子山でしょうか、奥の方には電波塔のある頂きも見えていました。
緩やかに降るようになった道を2分ほど進んでいくと、 右手の小さな沢沿いに簡易舗装された細い道が分かれていきます。 すぐ先には「砂防指定地 大沢」や「大沢 地すべり防止区域」の看板が立っています。 今回はここから右手へと降っていきました。
棚田
正面に三浦アルプスの稜線を眺めながら、沢沿いに続く金網の脇を降っていきます。 短いコンクリート製の橋を渡っていくと、正面には棚田が広がっていました。 緩やかな斜面に沿って幾重にも重なるようにして続く見事な棚田です。 田んぼの荒起しも終って綺麗に水が張られていて、 後は田植えを待つばかりの状況のようでした。 棚田を眺めながら、簡易舗装された細い道を右手へと降っていきます。
子供の頃に、苗代に籾を蒔く手伝いをしたものです。 水を張った田んぼの水面より少し上に出た苗代に籾を蒔き、 風で飛ばされないように、温かくして発芽しやすいようにと、 その上を黒いビニールシートで覆って、縁を少し土の中に押し込みます。 一人では出来ない作業なので、よく手伝いに駆り出されました。 皺にならないようにピーンと張って土の中へと押し込んでいきます。 中腰での作業が続くので、腰にかなりの負担になります。 時々腰を伸ばしながら田んぼの向こう側までシートを被せていくのでした。
立入禁止
関係者以外の立入を禁止します。
一、水田及び田のアゼ
一、草刈場、牧草地
たんぼやあぜにはいらないで下さい。
 (水田管理者)
杉山神社
簡易舗装された細い道を棚田沿いに降っていくと、杉山神社の裏手に着きます。 脇から境内に入っていって正面へ回り込むと社殿があります。 本殿と拝殿に分かれた立派な社殿でした。 境内には大きなイチョウの木がありました。
杉山神社
一、祭神大国主命
一、元宮是より南方400メートル程の山中にあり
一、創建年代不詳
一、明治6年指定村社
一、明治8年杉宮大明神の神号を杉山神社と改める
一、大正3年神饌幣帛料供進神社指定
一、稲荷社
一、祭神食稲魂命(うがのみたまのみこと)
由緒
新編相模国風土記稿に、杉宮村の鎮守なり、祭神詳ならず、昔、土人神像を海中より得たり、 折しも除日(12月末日)のことにて、歳終繁劇の間、杉葉を集めて仮に社の形をなして鎮座す、 故にこの神号起これりと云ふ。
 (杉山神社氏子会)
危険につき、境内での石投げ及び狛犬さんや石灯籠などに乗って遊ぶことを禁じます。
 (杉山神社氏子会長)
社殿の正面にある鳥居をくぐって短い石段を降りていきます。 左右からの道を合わせて正面へと進んでいきます。 すぐに所にある葉山町朝市農産物加工所・とりたて野菜即売所を過ぎていくと、 正面に県道27号が見えてきます。 県道の向こう側を流れる下山川沿いには古東海道が通っていて庚申塔などもあって趣きのある所ですが、 そのルートは以前にも歩いているので、今回は県道に出る手前から左手へと分かれていく道を進んでいきます。
正吟の庚申塔
民家を過ぎていくと畑地が広がるようになります。 真っ直ぐに進んでいくと、民家の手前でT字路があります。 そこを左折して道なりに進んでいきます。 右へ曲がってから左へと曲がっていく角を10mほど入った所に葉山町指定重要文化財の「正吟の庚申塔」があるので、 ちょっと立ち寄っていきましょう。 「庚申供養塔」と刻まれた石碑を真ん中にして、左右に幾つかの石碑が並んでいました。
元の道に戻ってその先へと進んでいくと、すぐにT字路があります。 そこを右手へと進んでいくと、樹木が道の上まで枝を伸ばして、緑のトンネルのようになった所があります。 緩やかに降った所には小さな沢が流れていて、その上を道路が通っています。 橋を渡った所で左手へと道が分かれていますが、正面の道を進んでいきます。
生け垣の続く緩やかな坂道を登っていきます。 民家の先で道が二手に分かれていますが、右手へと降っていく簡易舗装の細めの道を進んでいきます。 すぐに梅林が続くようになります。
梅林の脇を進んで両側が壁のようになった所を過ぎていくと、民家の脇を通っていきます。 民家を過ぎていくと右手が開けてきます。 再び森の中へと入っていくと、大きな木が生えています。 その先は広場のようになっていて民家風の建物が一軒建っていました。 簡易舗装された道はその広場を巻くようにして右手へと続いています。
観正院
右手から回り込んでいくと、変則的な十字路があります。 その左手にある短い階段を登っていくと、先ほどの広場に出ます。 脇には「葉山町指定重要文化財 木造十一面観音・菩薩立像」と書かれた標柱が立っていました。 それらしいものは見当たらないがと思って、先ほどから見えていた民家風の建物へ近づいていくと、 「浄財」と書かれた賽銭箱が置いてあり、鈴を鳴らす縄も垂れ下がっていました。 上の方には「三浦札所二十六番 上山口 観正院 十一面観世音菩薩」の額が掲げられていました。 三浦三十三観音の中のひとつに数えられている浄土宗の寺院のようです。 建物の中をそっと伺ってみると、そこには観音像が安置されていました。 標柱に書かれていた菩薩立像だろうと思われます。 両脇には色とりどりの千羽鶴や人形などが沢山吊り下げられていました。 広場と思えたのは、この観正院の境内になるようです。
観正院
山号を「松葉山」と称するこの観正院は寛永11年(1634)の創建とされています。 新善光寺の末で、元禄8年(1695)に開山され、本尊は十一面観音像となっています。 堂守がいないこの御堂は日頃は戸締まりされていて、 今では上山口小学校のそばにある西光寺の持ち寺となっているようです。 広場のような寺域の中に建つ民家風の今の御堂は、昭和11年に新たに建立されたもののようで、 方三間、切り妻屋根、トタン葺きの質素な造りになっています。 その昔には、普通の寺院のような御堂が建っていたのでしょうか。
観正院を後にして石段の先の十字路を直進していくと、すぐにT字路があります。 右手には白い大きなホテルが建っていて、その先の方には県道27号の信号も見えていますが、 今回は左手に見えている県道217号の高架の下をくぐっていく坂道を登っていきます。
小さな祠の前を過ぎて県道217号の高架をくぐり、庚申塔の脇を過ぎて坂道を登っていくと、 道は左手へと曲がっていきます。 その角の所から分かれて正面へと続く道を進んでいきます。
すぐに始まる坂道を降りきって登り返していきます。 坂道を登りきると正面に竹林があります。 右手に分かれていく分岐を見送って正面へ降っていくと再び分岐がありますが、 竹林を時計回りに巻くようにして続く右手の坂道を竹林沿いに降っていきます。
竹林を過ぎて民家の脇を過ぎていくと左手が開けてきます。 畑地に咲く赤や青の花の向こうには三浦アルプスの山並みが広がっていました。 傾斜が少し増してくる坂道を更に降っていくとT字路があります。 前の畑にはキャンピングカーのようなものが置いてありました。
むかいばらばし
T字路を左折して更に進んでいくと、下山川に架かる「むかいばらばし」があります。 橋を渡って坂道を緩やかに登っていきます。 二輪車の修理工場のような所を過ぎていくと車道に出ます。 右折して車道を進んでいきます。
橋の欄干には平仮名で「むかいばらばし」とだけ記してあり、漢字表記は見当たりませんでした。 手元の地図にも載っていないので、想像で漢字を充てても実際とは違う可能性があるので、 ここは平仮名のままにしておきました。
水源地入口(すいげんちいりぐち)バス停
車道を50mほど進んでいくと、県道27号の水源地入口交差点に出ます。 交差点を右折してレストランを過ぎていくと、信号から100mほどの所に水源地入口バス停があります。
逗子駅(JR横須賀線)まで、逗子駅行きバスにて20分、 1時間に3本程度の便があります。