仏果山
散策:2005年10月下旬
【低山ハイク】 仏果山
概 要 仏果山は丹沢山系に佇む宮ヶ瀬湖の東側にある低い山です。 山頂にある展望台からは、眼下には宮ヶ瀬湖が、 その向こうには幾重にも折り重なるようにして続く丹沢などの山々を見渡すことができます。 今回は宮ヶ瀬ダムから高取山を経て仏果山へ登り、半原地区へと降るコースを歩きます。
起 点 愛川町 半原バス停
終 点 愛川町 撚糸組合前バス停
ルート 半原バス停…日向橋…愛川大橋…石小屋ダム…新石小屋橋…宮ヶ瀬ダム…宮ヶ瀬湖…高取山登山口…展望地1…展望地2…高取山…宮ヶ瀬越…仏果山…林道…鷹取浄水場…宮沢大橋…ホタルの里…半原神社…撚糸組合前バス停
所要時間 5時間40分
歩いて... 宮ヶ瀬ダムから高取山への登り道は急傾斜の横木の階段が続いています。 段差も結構あるので暑い夏場だとたっぷりと汗を搾られそうです。 夏場に歩く場合には降り道に選んだ方が無難のようです。 高取山と仏果山の山頂には展望台があって、ぐるりと見わたせる360度の素晴らしい景色が広がっています。
関連メモ 丹沢山塊東辺のみち, 仏果山, 仏果山
コース紹介
半原(はんばら)バス停
本厚木駅(小田急小田原線)の北口から、 [厚01][厚02]半原行きバスにて37分、1時間に2本程度の便があります。
[厚01]野外センター経由と[厚02]田代経由では半原バス停に着くのが逆向きになります。 今回は[厚01]野外センター経由のバスに乗ったので、 日向橋を渡って本厚木へ引返すような方向から到着しました。
日向橋
バス停の道路向かいに大きな「宮ヶ瀬ダム下流域観光案内図」があります。 宮ヶ瀬ダムまでのルートが載っているので参考にしましょう。 今回は、バス停の先の日向橋を渡り、中津川沿いに宮ヶ瀬ダムまで行き、 その先から高取山を経て仏果山へと登っていきます。
日向橋を渡った所に 「宮ヶ瀬ダム・インクライン・あいかわこう園 水とエネルギー館 約1.5km、石小屋ダム 約1km」と 書かれた青い道標が左手の川沿いの道を指しています。 この道標に従って左折して、中津川沿いの道を進んでいきます。 川の流れの向こうには山々が聳えています。 これから向う高取山や仏果山はどれだろうかと思いを巡らせながら歩いていきます。
愛川大橋
宮ヶ瀬ダムへの道標を過ぎていくと、道路は民家の生け垣の前で右手へ曲がっていきます。 右折してすぐ先にある十字路を左折して真直ぐに進んでいきます。 やがて正面に愛川大橋が見えてくると、道は右手へと曲がっていきます。 道なりに左手への坂道を登っていき、橋の下のトンネルをくぐって向こう側に出ます。 この上の国道412号に登ると、そばに愛川大橋バス停があります。 野外センター経由のバスに乗れた場合にはこのバス停で下車すると便利ですが、 今回は半原バス停からのルートを紹介しています。
橋をくぐって坂道の上に出るとT字路があります。 角に立つ宮ヶ瀬ダムへの道標に従って左手へと進んでいきます。 なだらかな道を3分ほど進んでいくと、道が二手に分かれています。 角に立つ道標によると、右手へ登っていく道は「県立あいかわ公園0.3km」、 左手の道は「宮ヶ瀬ダム・水とエネルギー館、インクライン0.4km、石小屋ダム0.2km」となっています。 ここにも半原バス停の前にあったのと同じ「宮ヶ瀬ダム下流域観光案内図」があります。 また、「周辺案内」として、宮ヶ瀬湖の周辺にあるスポットが紹介されていました。 今回は宮ヶ瀬ダムの下流にある石小屋ダムを経由していきます。 ダムまでのルートを再確認したら、道標に従って左手の道を進んでいきます。
すぐ先にゲート付きの車止めがあります。 ゲートの開門時間は、午前7:30から午後6:00までとなっています。 車止めを越えてその先へと進んでいきます。 次第に登り坂になってくる道を進んでいくと、道が二手に分かれています。 左手に降って行く道はすぐ先でゲートで閉ざされているので、右手の坂道を更に登っていきます。 2分ほど進んでいくと、再び道が二手に分かれています。 角には「半原渓谷 石小屋」と刻まれた石碑が立っています。 左手の下の方には石小屋ダムが見えているので、左手の道を降っていきます。
石小屋ダム
「石小屋ダム」と刻まれた大きな石を過ぎて坂道を降っていくと、すぐに石小屋ダムがあります。 ダムの上は橋になっていて、歩いて向こう岸まで行くことができます。 橋の中ほどまでいくと、奥の方に宮ヶ瀬ダムが聳えているのが見えます。 橋の手前の金網に「エレベーターのりば→」と書かれた案内板が括り付けてあります。 その看板に従って、その先へと続く道を進んでいきます。
新石小屋橋
正面に宮ヶ瀬ダムを見ながら進んでいくと、右手から道が合流してきます。 角には「ダムサイト あいかわ公園マップ」があります。 あいかわ公園や宮ヶ瀬ダム周辺の案内が載っています。 宮ヶ瀬ダムの観光放流というのもあって、 毎週水曜日と毎月第2日曜日の午前11:00と午後2:00(冬季は1:00)に実施されるようです。 すぐ先の小広くなった所では、ロードトレインが待機していました。 昔の蒸気機関車が牽引する列車を模した三両編成の乗物で、「愛ちゃん号」というのだそうです。 宮ヶ瀬ダムサイトやあいかわ公園内の3.3kmを30分ほどかけてを走っています。 広場の先にある新石小屋橋を渡っていくと、左手の崖には大沢の滝が流れ落ちていました。
大沢の滝
目の前の岩山をつたい流れる「大沢」は、これより奥、高取山からの一尾根を挟んで出ている「屏風沢」と 「夕日の沢」を源としている。 この沢が中津川に入る少し手前で岩を噛む数段の滝となる。 地元では、これを「大沢の滝」と呼び親しんでいる。
 (愛川町商工観光課)
ダム本体を有する宮ヶ瀬湖のシンボル的空間として、 ダム施設や水資源などに関する学習施設「水とエネルギー館」を拠点に、 地域の自然・文化のふれあいの空間として整備しています。
宮ヶ瀬ダム
新石小屋橋を渡って右手へと進んでいくと、正面に宮ヶ瀬ダムが聳えています。 ダムの手前には水力発電所があります。 ここにあるのが第1発電所で、先ほどの石小屋ダムの下流に第2発電所があります。 ふたつの発電所を併せて25,400kw、約21,000戸の家庭分の電気を発電しているのだそうです。 ダムの袂にはインクライン(有料)の乗り場があります。 10時台から16時台まで運行していて、ダムの上までは約4分とのことです。 今回はその右手から奥へと続くトンネルをくぐった先にあるエレベータ(無料)に乗って、 ダムの上まで登っていきます。 トンネル内の壁面には、ダムやその周辺に関する事柄が多くのパネルで紹介されていました。 エレベータの運行時間は9:00から17:30までとなっていて、ダムの上までは約1分とのことです。 エレベータ乗り場のあるB3階は標高170.25mで、ダムの上になる1階は標高290.00mとのことです。 ダムの上は「ダム天端(てんば)」と言うのだそうです。
水に、自然に親しめる空間をめざして
宮ヶ瀬ダムでは「人と自然、都市と地域の交流・共存をめざす自然公園的機能をもった都市近郊リゾート地の形成」を 基本理念として、神奈川県・地元町村と協力しながら周辺整備をしています。 具体的には、湖畔地域全体の自然を極力保全していくこととし、その中から自然と接する場として、 大きな有効性と可能性を持った3つの地区に限定して拠点整備をしています。
インクライン
宮ヶ瀬ダムインクラインは、ダムの維持管理のため堤体外部を点検する施設として、 工事中に活躍したダンプトラック搭載型インクラインの一部を活用し設置された昇降設備で、 ダムの体験学習ができる機能も併せ持っています。
エレベータ
このエレベータは、宮ヶ瀬ダム堤体内放流設備などの機器の交換や点検等の維持管理のための設置されたもので、 ダムの体験学習ができる機能もあわせ持っております。
宮ヶ瀬湖
エレベータで登ったダム天端はとても広くなっています。 正面には宮ヶ瀬湖が広がっていて、その向こうには丹沢の山々が続いていました。
ダムが出来る前…
この宮ヶ瀬湖ができる前には、この谷間には長閑な山村がありました。 かなり前になりますが、ヤビツ峠から県道70号を通ってここまで歩いてきたこともありました。 ダム工事は少し始まっていましたが、民家はまだ残っていました。 その頃とは随分と風景が変わってしまったものです。 湖底に沈んだこの地区の先祖代々の生活の跡を想わずにはいられません。
宮ヶ瀬湖憲章
宮ヶ瀬湖は、長い年月をかけ、多くの人々の努力によってつくられ、 水道用水、水力発電への利用や相模川・中津川周辺を洪水から守るなど 安全で豊かな生活を与えてくれるダム湖です。 こうした恵みには、ダム建設のため、先祖代々住み続けた土地や家が湖底に沈むこととなり、 移転を余儀なくされた人々や失われた豊かな自然がありました。 ダム建設にあたっては、人や動植物にできる限り快適なものになるように、自然の再生が図られました。 周辺の自然は、貴重な水源として、生き物を育む場として、また、安らぎと憩いの場としてとても大切です。 私たちは、周辺の自然を大切にし、守り、育て、利用し、 次の世代に伝えていくことを誓い、ここに宮が瀬湖憲章を定めます。
1.清らかな宮ヶ瀬湖の水をみんなで大切にしよう。
1.美しい宮ヶ瀬湖周辺をみんなで守ろう。
1.宮ヶ瀬湖周辺の自然をみんなで育て利用しよう。
1.宮ヶ瀬湖の意義・歴史を忘れずみんなで後世に伝えよう。
 (宮ヶ瀬湖憲章制定会議)
高取山登山口
エレベータから降りて左手へと進んでいくと「水とエネルギー館」があります。 開館時間は午前9:30から午後5:00までとなっているので、時間があれば立ち寄っていきましょう。 建物の前から湖に沿って右手へと進んでいきます。 遊覧船のりばを過ぎ、駐輪場や駐車場を過ぎていくと、 橋の手前の左手に「高取山・仏果山登山口」の道標が立っています。 ここが高取山への登り口になります。 ガードレールと石垣の間の細い道へと入っていきます。
登山者の皆様へ
愛川町消防署では、登山道上に下記のような山火事防止用の標識を木に設置しております。 この標識には番号が記入してあり、登山者が病気や怪我などで助けを呼ぶ際に目標となります。 通報されるときには、発生場所近くの番号を申し添えてくださるようお願いします。
 (愛川町消防署)
高取山・仏果山・経ヶ岳 登山道入り口
この登山道は、急な登り下りや、狭くて険しい尾根があります。 登山される方は、足下に十分注意し事故のない安全で楽しい登山を行いましょう。
美しい自然を守るために
1.草や木を折ったり持ち帰ったりしないようにしましょう。
2.自分で出したゴミは必ず自分で持ち帰りましょう。
 (愛川町観光協会)
「山火事防止」の看板を過ぎて斜面に続く細い山道を進んでいくと、ほどなくして急な横木の階段が始まります。 道幅は広くていいのですが、段差がかなりあります。 右足をヨイショ、左足をヨイショと引き上げながら、一段一段ゆっくりと登っていきます。 各段の横木の間には土がしっかりと残っていて抉れてはいないので、足を平らに置けるのがせめてもの救いです。 傾斜もかなりあって息が切れてきます。 この時は気温も下がってきた季節だったのでまだよかったのですが、 夏場だと汗が止め処もなく噴き出してきそうな道です。 振り返ると樹木が途切れて宮ヶ瀬湖や周辺の山々を見渡せる所もあったりするので、 休み休み登っていきましょう。
展望地1
段差のある急な横木の階段を登ること15分ほどで、見晴らしのいい広めの場所に着きます。 宮ヶ瀬湖の湖面は手前の樹木に阻まれてほとんど見えませんが、 宮ヶ瀬湖を取り巻く山々や、遠くには川崎・東京方面を見わたせる景色が広がっています。 テーブルやベンチも幾つか設置されているので、 景色を眺めながら、疲れを癒やしていきましょう。
山ヒル注意
春〜秋
 (神奈川県)
疲れがとれたところで、道標「高取山1.7km」に従って、展望地の奥へと続く山道を登っていきます。 これまでの横木の階段とは違って、ここからは傾斜も比較的緩くなってずっと歩きやすくなります。 植林帯の中に続く尾根道を10分ほど登っていくと、背後の樹間からは宮ヶ瀬湖が見えるようになってきます。 道標「高取山1.25km」を過ぎていくと、やがて雑木林へと変わっていきます。
展望地2
道標「高取山1.05km」を過ぎていくと、ふたたび見晴らしのいい場所に着きます。 先ほどの展望地から20分ほど登ってきて標高が高くなったからなのか、 ここからは宮ヶ瀬湖がよく見える景色が広がっています。 先ほどの展望地ほどの広さはありませんが、 ベンチも幾つか設置されているので、景色を眺めながら休憩していきましょう。 奥の方には青い山々が幾重にも折り重なるようにして連なっていました。 方角からすると、奥多摩や中央線沿線の山々でしょうか。
展望を満喫したら、高取山を目指して山道を登っていきます。 雑木林の中に続く尾根道を1分ほど登っていくと、送電線の鉄塔の下に出ます。 そこから左手へ伸びる山道を緩やかに降っていきます。 雑木林を1分ほど降って小さな鞍部に着くと、「高取山0.85km」の道標が立っています。 そこから植林帯の中を登っていくと、ほどなくして雑木林に変わります。 横木の階段もあったりしますが、麓から展望地までの登り道に比べたらずっと歩きやすくなっています。
小さなアップダウンを繰り返しながら次第に高度が高くなってきます。 「高取山0.45km」の道標を過ぎていくと、尾根道にベンチが二つ設置されていました。 ベンチに腰掛けてひと息入れていきましょう。
馬の背のように細くなった所もあったりする尾根道を更に登っていきます。 振り返ると、樹木の間から宮ヶ瀬湖や下界の街並みが見えたりします。 小さなアップダウンを何度か繰り返しながら、横木の階段混じりの尾根道を登っていくと、 ロープが張られた所があります。 崖が迫っていたりもするので、滑り落ちないように注意しながら登っていきます。
高取山 (標高706m)
ロープ場を過ぎて緩やかになった尾根道を2分ほど進んでいくと高取山の山頂に着きます。 先ほどの展望地から35分ほど、麓の登山口からは1時間25分ほどで到着しました。 「高取山 標高705.7m」と記された標識も立っていました。 高取山の前方は開けていて素晴らしい景色が広がっています。 遠足だったのでしょうか、近くの小学生のグループが先生に引率されて来ていました。 山頂にはテーブルやベンチが幾つも設置されていますが、先ずは展望台の上まで登っていきましょう。
三つの高取山
丹沢の東辺にあるこの山稜には「高取山」と呼ばれる山が三つあります。 近い所になぜ同じ名前の山が三つもあるのかはよく分かりませんが、 それらを区別するために山のある地区の名前を冠して、この山は「半原高取山」と呼ぶようです。 この山の他にも、華厳山の南東に「荻野高取山(522m)」が、 華厳山の南側に「煤ヶ谷高取山(464m)」があります。 この辺りの山稜は「相州アルプス」とも呼ばれているようです。 800mにも満たない低い山々ですが結構アップダウンもあって、すべてを縦走するとかなり疲れそうです。
注意
1.たき火、その他、キケンな遊びはやめましょう。(タバコの投げ捨てはやめましょう)
1.ゴミ、空カン等の投げ捨てはやめましょう。(ゴミはもち帰りましょう)
1.展望台から物を投げることをやめましょう。
1.シカ等の動物には十分注意してください。
1.樹木や草花を大切にしましょう。
1.その他、人に迷惑な行為を禁止します。
 (愛川町)
高取山展望台
中央に立つ四本の柱を取り巻くようにして続く階段を回りながら登って展望台の上に着くと、 何も遮るものがない360度の大パノラマが広がっていました。 西側には宮ヶ瀬湖とそれらを取り巻く山々が幾重にも続いています。 漫画風の案内図には、ここから見える、 丹沢山・蛭ヶ岳・袖平山・黍殻山・焼山・西峰・中峰・東峰・大山・三峰山などが、 おにぎりの様な形で描いてありました。
東側には麓の半原の先の丘陵の向こうに、相模原から東京へと続く街並みが広がっています。 遠くには高層ビル群らしきものも見えていました。 双眼鏡で遠くを見ている人や、大きな望遠レンズを付けた一眼レフカメラで写真を写している人など、 この素晴らしい景色を思い思いに楽しんでいるようでした。 南側には、これから向う仏果山が間近に見えています。
お昼にはもう少し時間があったので、この先の仏果山まで行ってから昼食にすることにしました。 展望台から降りてその先へと尾根道を進んでいくと、 ほどなくして「仏果山1.25km」の道標を過ぎていきます。 右手に戻るようにして続く「水源の森林づくり管理作業路」を見送って進んでいきます。 4分ほどで「愛川ふれあいの村(下山路)」の道標の立つ道が左下へと分かれていきますが、 広くて歩きやすくなった尾根道をこのまま進んでいきます。 しばらくの間は左手の樹木が少なくなっていて、いい見晴らしが続きます。
この附近は鳥獣保護区になっております。 鳥獣の保護と生活環境の保全にご協力下さい。
宮ヶ瀬越
軽いアップダウンはありますが息が切れるほどの所はなくて、快適に歩いていけます。 「仏果山1.0km」の道標を過ぎていくと、高取山から15分ほどで宮ヶ瀬越に着きます。 鞍部から少し登り坂になった途中にあって、ここから宮ヶ瀬へ降っていく道が右手へ分かれていきます。 手元の地図によると、県道64号にある仏果山登山口バス停の辺りへ40分ほどで降りていけるようです。 そばに立つ道標によると、右手の道は「宮ヶ瀬2.0km」となっていますが、 道標「仏果山0.7km」に従って正面の尾根道を登っていきます。
後日に右手の道を歩きました。(「仏果山」を参照)
郷土の緑 山火事注意
 (森林国営保険)
何度か「水源の森林づくり管理作業路」が分かれていきますが、そのまま尾根道を進んでいきます。 やがて正面に目指す仏果山が見えるようになります。 頂上にある展望台も小さく見えています。 所々に横木の階段があったりもしますが、それほど歩き難くはありません。
宮ヶ瀬越から15分ほど進んでいくと、仏果山の山頂への登りが始まります。 傾斜が増した尾根道に続く横木の階段を登っていきます。 道端にポツンと設置されたベンチを過ぎていくと、道の脇にロープが張られた所がありますが、 特にロープに頼らなくても登っていけました。
ロープを通す金属製の輪が幾つも設置されていましたが、 棒の中ほどにコンクリートの傘の様なものが付いていました。 地面にしっかりと固定するようにと棒の根元辺りにあったものだと思われます。 棒が道から浮き上がってきたということは考え難いので、 はやり以前はそこまで土があったのが抉れてなくなってしまったということだろうと思います。 人が歩く度に、また雨が降る度に、少しずつ崩れていくのでしょうね。
崩れかけた道を補強するようにと設置された木橋を過ぎていくと、左右に伸びている尾根道に出ます。 今登ってきた道を指す道標「宮ヶ瀬越・高取山・宮ヶ瀬」は立っていますが、 それ以外は何も示されてはいません。 しかし、左手へと少し進んだ所に、関東ふれあいの道の道標が立っていて、 右手の道は「半原越・経ヶ岳・清川村坂尻」、左手の道は「仏果山山頂広場 標高747.1m」となっています。 左右に伸びているこの道は、半原越から仏果山へと続く尾根道です。
仏果山 (標高747m)
道標のすぐ先が、小さな岩場の上に「仏果山 標高747.1m」の標識が立つ仏果山の山頂になります。 宮ヶ瀬越から20分ほど、高取山からは40分ほどで到着しました。
周りは樹木に囲まれていて展望は得られませんが、 このすぐ先に山頂広場があって、テーブルやベンチが幾つも設置されていて小広くなっています。 また、高取山にあったのと同じような形をした展望台があるので、先ずはその上まで登っていきましょう。
仏果山のいわれ
この山は、室町時代のはじめ清川村煤ヶ谷にある正住寺(臨済宗鎌倉建長寺派)を 開山した天鑑存円上人(仏果禅師)が、座禅修行をした山といわれている。 天鑑存円上人が座禅をしたという座禅石は、いつの頃か煤ヶ谷側の仏果沢に 落下してしまった。こうした由来から、この山の名を「仏果山」と呼ぶように なったという。(現在この座禅石は下の採石場わきにある) また、この山は昔、煤ヶ谷の人々は南麓と呼び、半原越え(半原峠)から 仏果山周辺までを南山と呼んだ。津久井町長竹・韮尾根などでは半原富士と呼んでいた。
 (環境庁・神奈川県)
仏果山展望台
高さ13mの仏果山展望台からは、360度の大パノラマが広がります。 西側には塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳・姫次・黍殻山、北側には陣馬山などの山々が連なっています。 東側には東京方面が、また眼下には芦ノ湖に匹敵する2億トンの水を湛える宮ヶ瀬湖が一望できます。 先ほどの高取山と同じような景色が広がっていますが、 少し離れた所にあるためか、雰囲気も少し違うように感じたりします。
高取山の展望台にはなかったのですが、 この展望台の東側の外には無粋なアンテナが何本か立っていて、 この素晴らしい眺めに水を差しています。 以前はこの展望台にもおにぎりの形で描かれた山々の案内板があったのですが、 撤去されてしまったのか、今回は見かけませんでした。
登山者の皆様へ(お願い)
この展望台に取り付けてある施設は、愛川町の許可を得て設置したアマチュア無線の自動中継器(レピータ)です。 この設備はアマチュア無線通信のほか、遭難救助や災害時などの非常通信にも使われる重要な施設です。 危険ですから絶対に「手を触れたり物を投げたり」しないでください。
展望台の下の広場で昼食を済ませてひと息ついたら、関東ふれあいの道の道標「半原3.9km」に従って、 仏果山の山頂から降っていきます。 この道は、坂尻バス停から撚糸組合前バス停まで続く 関東ふれあいの道「丹沢山塊東辺のみち」のルートの一部になっています。 のっけから急な横木の階段を降っていきます。 段と段の間は広めになっていて、それほどは歩き難くはありません。 左手の樹木切れ間から山並みを眺めながら7分ほど降っていくと鞍部に着きます。 そこからは、少し歩きやすい尾根道になってきます。
横木の階段混じりの尾根道を小さなアップダウンを繰り返しながら進んでいきます。 ポツンとひとつ設置されたベンチを過ぎていくと植林帯の中へと入っていきます。 やがて正面が明るくなってくると、送電線の鉄塔が見えてきます。 下界に広がる街並みを眺めながら、その手前から右手へと道なりに降っていきます。
下草が伸びている植林帯を更に降っていくと、「宮沢大橋0.9km」の道標が立っています。 この辺りから有刺鉄線が道に沿ってしばらく続きます。
林道
やがて右手の視界が開けてくると、階段を下った先で林道に降り立ちます。 仏果山の山頂から40分ほどで到着しました。 関東ふれあいの道は右手の少し先から更にその下へと続いていますが、 その道は以前にも歩いたことがあるので、今回はこの林道を降っていくことにしました。 林道に関する道標は見当たりませんでしたが、ここを左手へと進んでいきます。
太陽の光できらめくススキを眺めながら緩やかな林道を降っていきます。 10分ほど降って、土の道から簡易舗装された道へと変わっていくと、林道のT字路があります。 「林道半原中央線 基点 幅員4.0m、延長1,708m」や「林道半原大沢線 基点 幅員4.0m、延長1,460m」の 標識が立っていました。 正面にも林道が続いているようでしたが通行止めの看板がありました。 ここから右手へ曲がって、沢沿いに続く傾斜の増した林道を更に降っていきます。
緑は友だち 山火事注意
自然を守りましょう。
 (森林国営保険、神奈川県)
たばこの投げすて!火事のもと
 (神奈川県)
鷹取浄水場
沢を流れる水音を聞きながら急な坂道を降っていきます。 所々に砂防ダムもあったりします。 7分ほど降っていくと、愛川町の町営水道の取水口を過ぎていきます。 更にその先へと降っていくと、T字路から10分ほどで鷹取浄水場があります。
注意
この沢は町営水道の水源地です。 ゴミや汚物を捨てないで下さい。
 (愛川町水道事業所)
水道施設につき立入禁止
 (愛川町水道事業所、保健所)
宮沢大橋
更に降っていくと、「高取山登山口」の道標が沢の方を指していました。 「沢を横断し対岸へ登る」との注釈が付いていました。 「猿にエサをやらないでください」と書かれた看板も立っていました。 この辺りには猿が出没するのでしょうか。 高取山登山口を過ぎて2分ほど降っていくと、正面に県道514号の宮沢大橋が見えてきます。 車止めゲートの横からその先へと抜けていきます。 山道から林道へ降り立った所から更に山道を降ってくると、ここに降りてきます。 角には関東ふれあいの道の道標が立っています。 道標「半原バス停1.9km」に従って、正面の宮沢大橋の下をくぐっていきます。
一般車両通行禁止
半原中央林道・宮沢林道
この林道は、森林経営のためにつくられた林道です。 ここより先は下記以外の車両の通行は出来ません。
林業関係車両、林道関係車両、工事関係車両、地元関係車両
 (神奈川県県央地区農政事務所、愛川町)
宮沢大橋を過ぎて林道を4分ほど降っていくと、沢に架かる短い橋があります。 橋を渡っていくと「林道宮沢線 幅員3.6m、延長1,180m」の標識が立っていました。 そのすぐ先にT字路があります。 角に立つ道標によると、左手の道は「愛川ふれあいの村」となっていますが、 道標「半原市街地」に従って正面の道を降っていきます。 2分ほど降っていくと短い橋を渡った所で道が二手に分かれています。 関東ふれあいの道の道標「半原バス停」が左手の道を指しています。 角には道祖神が立っていて、「この地の産業」の解説板も設置されていました。
この地の産業 半原撚糸と沢よりや
江戸時代から続く伝統的な産業「半原撚糸」は、現在でも絹縫糸では全国生産高の約8割を占めている。 今では近代的な設備に変わっているが、かつてこの撚糸業を発達させたのは、 文化4年(1807)今の桐生(群馬県)地方から入ってきた「八丁式撚糸機」である。 この沢沿いの人家では、ほとんどが沢に水車をかけ、その動力で撚糸機を回し糸を撚っていた。 半原では、こうした場所を「沢よりや」と呼び、ここには板橋沢、入の沢などの地名が残っている。 町の郷土資料館(半原小学校内)には、古くから伝わる撚糸の工具などが保存されている。
 (環境庁・神奈川県)
道標「半原バス停」に従って左手の道を降っていきます。 沢を渡ったり渡り返したりしながら降っていくと、「カタクリの自生地」の案内板がありました。
カタクリの自生地
カタクリ(カタカゴ)は北海道、本州に自生し、 四月上旬茎頂に紫色のかれんな花を下向きにつけるユリ科の多年草本である。 鱗茎からは良品のでんぷんが取れるが、普段私たちが使用している片栗粉はじゃがいもからできたものである。 カタクリ保護のため林地へは立ち入らないで下さい。
 (愛川町教育委員会)
道祖神の先にT字路がありますが、 正面のガードレールに括りつけられた案内板「半原バス停→」に従って、右手へと降っていきます。 短い橋を渡っていくと、国道412号の下をくぐっていきます。 道端には「両向坂(両向新道)」と書かれた標識が立っていました。
ホタルの里
両向坂の標識のすぐ先に「ホタルの里」の案内板がありました。 道の脇にはホタルの養殖場があって、幾段にもなった小さな流れがありました。 ここでホタルを育てて、横を流れる沢へ放しているのでしょうか。 先ほどから続いているこの沢は、宮沢とか松葉沢とか呼ばれているようです。
環境庁指定「ふる里いきものの里」松葉沢ホタル生息地
松葉沢では、ゲンジボタルは6月上旬頃から、ヘイケボタルは6月下旬頃から発生する。
下草やコケなどに卵を産む(約1ヶ月間)
幼虫 幼虫は水中生活をおくる(約10ヶ月間)
幼虫は自分の体の大きさに合ったカワニナの肉をとかして食べる
さなぎ 土まゆを作りさなぎとなる(約1ヶ月間)
成虫 成虫となり飛び交う(1週間〜2週間)
ホタル養殖場ですから、中へ入ったり物を投げ入れないで下さい。
 (松葉沢ホタル保存会)
すぐ先にY字路がありますが、正面の沢沿いの道を降っていきます。 沢から少し離れて左手へと道なりに曲がっていくと、山際から清水が出ている所がありました。 手ですくって少し飲んでみました。 一年を通して余り水温が変わらないのか、夏は冷たく冬は暖かい水です。 この時は、暖かくもなく冷たくもない中庸な感じでした。
半原神社
沢に近づいて沢沿いに降っていくと、左手に半原神社があります。 本殿と社殿の形になった立派な社でした。 境内には立派な鐘楼もありました。 先の大戦の時に供出されて一旦はなくなったものの、氏子達の篤い心によってまた復興したのだそうです。 ふるさとの木に指定されている大きなカエデの木も生えていました。 半原神社を出た所に撚糸組合前バス停があります。
ふるさとの木 半原神社のトウカエデ
樹種 トウカエデ(カエデ科)
樹高 19.60メートル、 胸高周囲 2.27メートル、 推定樹齢 90年以上
 (愛川町教育委員会)
撚糸組合前(ねんしくみあいまえ)バス停
本厚木駅(小田急小田原線)まで、[厚02]厚木バスセンター行きバスにて36分、 1時間1本程度の便があります。(毎時50分発)
淵野辺駅(JR横浜線)まで、[渕59]淵野辺駅南口行きバスにて43分、 1時間1本程度の便があります。(毎時51分発)
今回の起点とした半原バス停は、ここから左手へ歩いて5分ほどの所にあって、 [厚01]厚木バスセンター行きバスが1時間に1本程度出ています。 [厚01]野外センター経由と[厚02]田代経由で30分おきに交互に出発しているので、 待つようなら半原バス停まで歩いていきましょう。 [厚01]系統が毎時20分発、[厚02]系統が毎時50分発となっています。