八国見山
散策:2005年06月中旬
【低山ハイク】 八国見山
概 要 八国見山は、丹沢山系の南側に広がる渋沢丘陵の脇にある低い山です。 山頂の前後の丘陵には畑地が続き、のどかな山村風景が残されています。 コースの途中からは、相模湾や箱根の山々を望むことができる景色が広がります。 訪れる人も少なくて、静かな丘陵歩きを楽しめるコースです。
起 点 中井町 比奈窪バス停
終 点 厚木市 峠バス停
ルート 比奈窪バス停…槐の木…富士見橋…鬼王段三郎の墓…鴨沢隧道…高尾下バス停…清雲寺…農道終点…栃窪無線中継所…八国見山…震生湖分岐…渋沢駅分岐…峠配水場…渋沢駅分岐…頭高山分岐…なかまる橋…峠バス停
所要時間 2時間50分
歩いて... 概ねは緩やかな簡易舗装道が続いていて、大変歩きやすくなっています。 山頂付近には山道も少しありますが、傾斜も緩やかで息が切れるようなことはありません。 訪れた日は一時小雨が降る生憎の天気で、雲がたち込めて眺めも今ひとつだったのが残念でした。
関連メモ 雑色の里, 渋沢丘陵, 頭高山, 頭高山, 八国見山, 曽我丘陵, 渋沢丘陵
コース紹介
比奈窪(ひなくぼ)バス停
二宮駅(JR東海道線)の南口のバスターミナルから、 [二30]比奈窪行きバス, または,[二31]比奈窪経由高尾行バスにて20分、1時間に2本程度の便があります。
本数は少ないですが、朝夕には国府津駅(JR東海道線)からもバスの便があります。
秦野駅(小田急小田原線)からも、1時間に1本から2本程度の便があります。
富士見橋
バス停から少し戻った所にあるT字路を右折して、中村川沿いの道を進んでいきます。 川向こうには田んぼが広がる長閑な里山風景が続いています。 松本橋を過ぎて真直ぐに進んでいくと、数100mで富士見橋があります。 橋の手前で右手へ分かれていく道がありますがそのまま橋を渡り、 その先にある富士見橋交差点を右折して、中村川沿いに続く県道77号を進んでいきます。
雑色の里
県道沿いに進んでいくと、右手には田んぼが広がっています。 水が張られた田んぼには苗が植えられて青々としていました。 空にはトビがのんびりと輪を描いて飛んでいました。 向こう側にあるこんもりとした山には、8世紀頃に造られたという横穴群もあったりして、 この辺りに定住した先人たちの暮らしが偲ばれます。
槐の木
富士見橋から数分進んでいくと、道路の左手へ30mほど入った所に、 神奈川県の天然記念物や名木100選に指定されている槐(えんじゅ)の木があります。 かなりの老木で、左右に張り出した枝には支え柱がしてあります。
かながわの名木100選 中井のエンジュ
後白河天皇の御代、 比叡山の僧義円法印東国行脚の途路、霊夢によりこの地に 祠を建てた後、五所宮八幡神社、中井雑色のこの地に休み、 挿した杖が発芽成長したものであると伝えられる。 県内のエンジュとしては他に類を見ない巨木・古木である。 昭和33年には神奈川県の天然記念物に指定されている。
  樹高 16m、胸高周囲 8.0m、樹齢 約800年(伝承)
エンジュは、北海道から中部以北の本州に分布する落葉高木で、 秋には扁平なさやができ、中に数個の種がある。 樹高18m、胸高周囲10m、樹齢約500年に達するものもあると言われている。
 (神奈川県)
鬼王段三郎の墓
槐の木を後にして県道を進んでいきます。 雑色バス停を過ぎていくと5分ほどで十字路があります。 そこを直進して馬橋、池田橋と過ぎていきます。 槐の木から12分ほど中村川沿いに県道を進んでいくと、道路の左手に短い石段があります。 傍には「鬼王段三郎の墓」の石柱が建っています。 石段を登っていくと小さな石仏が並んでいて、その奥には石碑が建っていました。
鬼王段三郎の墓
建久4年(1193)富士の裾野の巻狩の際、曽我兄弟の仇討が行われた後、 その従者であった松原鬼王丸、富田段三郎はこの地に仮寓し、兄弟の冥福を祈り、 念仏三昧の余生を送ってこの世を去ったと云われております。 また一説によれば、両名は同一人物であり、あまりに強かったので人々がおそれて、 鬼王の名をつけたとの説もあります。
 (中井町教育委員会)
鴨沢隧道
鴨沢バス停を過ぎた先で、道が二手に分かれています。 右手は集落を通っていく道ですが、正面に見える鴨沢隧道を抜けていきます。 延長51.0mで、昭和60年に完成したトンネルなのだそうです。
農地・河川に空カン・空ビンなどの投げ捨てはやめましょう!
 (あしがら農業協同組合、あしがら農協農政対策協議会)
トンネルを抜けた所にある柄沢橋の先の十字路を直進していくと、正面に東名高速道路の高架が見えてきます。
高速道路の下にある鴨沢大橋を過ぎていくと、 採石会社の向かい側の中村川沿いの狭い土地に田んぼがありました。 ちょっとした土地でも開墾してきた先人の苦労が偲ばれます。
美化運動にご協力下さい。 この辺にゴミを捨てないで下さい。
 (足柄採石株式会社)
横道橋を過ぎて、中村川沿いに更に車道を進んでいきます。 高速道路から8分ほど進んでいくと、道路の左下に養鶏場がありました。 そこを過ぎて更に進んでいくと、やがて正面に高尾歩道橋が見えてきます。
高尾下バス停
その高尾歩道橋のすぐ先に高尾下バス停があります。 比奈窪バス停から50分ほどで到着しました。
本来なら二宮駅からここまでバスに乗って来きたいのですが、 本数が極めて少ないので、 今回は比奈窪バス停から歩くことにしました。
 【二宮駅発】 土日曜 6:25 11:25 12:55 15:25
この高尾下バス停の100mほど先にある高尾バス停までは、 新松田駅(小田急小田原線)から、いこいの村あしがら行きバスで来ることもできますが、 こちらも本数が少なくなっています。
 【新松田駅発】 土曜 7:43 9:23 12:00 15:10 (日曜は運休)
バス停の道路向かいにある急な坂道を戻るようにして登っていきます。 大きく左へ曲がりながら登っていくと、道が二手に分かれています。 角には「県営農地保全事業高尾地区」の案内図があり、農地とその中に続く道が描かれています。 現在地がどこなのかと探してみましたが、それらしい記述は見当たりませんでした。 しかし、県道77号から戻るようにして続く道は一つしかなく、その先にある十字路がこの場所になるようです。 T字路なのに十字路?なんて考えていたら、左手すぐの所でまた二俣に分かれていて、 大きくみれば十字路のように思えたりもします。 ここを左折して、案内図の上方にある四角の「3番」が書かれた緑色の所へと続く道を進んでいきます。 途中で分れ道も何箇所かありますが、この図を頭にしっかりと入れておき、間違わないようにしましょう。
(案内図の四角の「3番」までのルートを水色の点線で示しておきました)
清雲寺
左折してすぐの所にある右手へ分かれていく道を見送って直進し、 左手に降っていく道を見送って右手の坂道を登っていくと、正面が開けてきます。 大きく右手へ曲がり、左手への分岐を見送って畑地の中を真直ぐに登っていきます。 小さな墓地を過ぎた所の右手に清雲寺があります。 道から5mほど外れていますが、ちょっと立寄っていきましょう。 六体のお地蔵さんが出迎えてくれます。
元の道へ戻り、お寺の裏手に続く道を緩やかに登っていきます。 工事中の金ピカ屋根のお堂を右下に見ながら登っていくと、広い畑地へ出ます。 正面のこんもりとした森を目指して真直ぐに進んでいきます。 道なりに緩やかに登っていくと、やがて森の中へと入っていきます。
2分ほどで森を抜けると、再び畑地が広がります。 振り返ると広々とした景色が続いていました。 この日は生憎と曇天だったので見晴らしは良くありませんでしたが、 晴れた日には相模湾や箱根までも見えるのでしょうか。
注意
ハンターのみなさん! この附近に住宅・農耕地等があります。 狩猟に注意しましょう。
 (神奈川県)
畑地を後にして進んでいくと、再び森の中へと入っていきます。 簡易舗装された広い道が雑木林の中に緩やかに続いています。
5分ほどで森を抜けると、コンクリートブロックで補強された崖が正面に見えてきます。 そこで左手へ道が分かれていますが、 角に立つ案内板によると「この先行止り」とのことなので、右手の道を進んでいきます。 竹林の側を過ぎて緑のトンネルを抜けて畑地へ出ると、道は少し降るようになります。 黄金色に実った麦畑越しに、こんもりとした山が見えてきます。 これが目指す八国見山で、その手前には電波塔が建っています。
農道終点
麦畑を巻くようにして左手へ曲がり、正面に電波塔を見ながら緩やかに降っていきます。 この辺りまで来て、急に小雨が降ってきました。 こんな事もあろうかと傘を持ってきていたので、傘を差しながらの散策になってしまいました。 しかし、それ程の本降りになることもなくて、パラパラと雨が落ちてくる程度だったので、 不幸中の幸いでした。
麦畑から2分ほど降っていくと、道が右手に曲がっていきます。 その先には「この先通行出来ません」の看板が立っていました。 正面には細い山道が続いていました。 手元の2万5千分の1の地形図では破線でこの先の八国見山まで道が続いているようになっているので、 小雨の降る悪条件でしたが、傘を差しながら森の中へと入っていくことにしました。
広い農道が終わって、ここからは山道になりますが、 踏み跡はしっかりと続いていて分岐もないので迷う心配はありません。 それほどの傾斜もない道なので、息が切れてしまうようなこともなく歩いていけました。
そんな山道も8分ほどで終わって小広い草地に出ると、いつしか雨はやんでいました。 丁度山道を歩いている間だけ降っていたことになります。 雨に濡れた草木の中を歩いてきたので、膝から下がびっしょりと濡れてしまいました。 小広い草地の先からは、再び簡易舗装の広い道になります。 すぐに道が二手に分かれています。 八国見山へは正面の道を進んでいくのですが、左手の道の数10mほど先に、 先ほどから見えていた電波塔があるので、ちょっと立ち寄っていきましょう。
栃窪無線中継所
左手の道の先には電波塔があります。 鉄塔は金網で囲われているので近づけませんが、金網越しに「栃窪無線中継所」と書かれたドアが見えました。 NTTの電波塔のようです。 案内板も設置されていましたが、長年の風雨に晒されて、すっかり読めなくなっていました。
電波塔の左手は展望が開けていました。 生憎の空模様だったのであまり良くは見えなかったのが残念ではありますが、 箱根の二子山や駒ヶ岳らしき姿が薄っすらと見えていました。 晴れていたら、さぞ素晴らしい景色なのだろうと思われます。
電波塔から元の道へ引き返して、その先へと進んでいきます。 簡易舗装されて歩きやすい道を緩やかに登っていくと2分ほどで峠に着きます。 この先から道は緩やかに降っていくのですが、 この峠の左手に八国見山へ登っていく山道があるので、ちょっと立ち寄っていきましょう。 草に覆われていて入口が分かり難いので、うっかりして見落とさないようにしましょう。
銃猟禁止
 (神奈川県)
八国見山 (標高319.4m)
草を分け入っていくと、踏み跡が続いています。 数分ほど登っていくと竹林があります。 その左手のこんもりとした小高い所に八国見山の頂上があります。 竹林からその高みへの登り口ははっきりとしませんが、竹林へ少し入った辺りから登っていくことができます。 少し戻るようにして登っていくと、草が刈り祓われた3畳ほどの所があります。 周りは樹木に覆われていて、展望はまったく得られません。 山頂を示す案内標識などは見当たりませんでしたが、四等三角点がありました。 その側には、小さなお地蔵さんと剣が置いてありました。
八国…
この八国見山は「はちこくけんざん」と読むようです。 八国というのですから、ここから八つの旧国を望めたということなのでしょう。 よくは分りませんが、駿河・伊豆・相模・甲斐・武蔵・安房・上総・下総の国々なのでしょうか。 今では樹木に覆われていてまったく展望は得られませんが、 その昔にはここから各国を見渡すことができたのでしょう。
三角点は撤去
2010年7月に再訪した時には三角点はなくなっていて、 国土地理院の基準点閲覧サービスからは既に削除されているようです。
八国見山から元の道まで引き返して、簡易舗装された道を緩やかに降っていきます。 5分ほど進んでいくと、道端に水仙が群生していました。 花の季節ではなかったので咲いてはいませんでしたが、 一斉に咲くと綺麗なのだろうと思われます。 日陰になっていることが多いのか、降り坂の路面には苔が生えていている所がありました。 上に足を置くと滑るので注意しましょう。
震生湖分岐
峠から7分ほど進んでいくとT字路があります。 角に立つ道標によると、右手の道は「震生湖1時間10分」、 左手の道は「渋沢駅(隧道下経由)30分」となっています。 ここを左折して更に降っていきます。
八国見山へ…
T字路の30mほど手前の左手が堀切のように窪んでいて、そこから山道が続いています。 少し入ってから左手へ曲がり、これまで歩いてきた道と並行するようにして進んでいくと、 15分ほどで八国見山の頂上へ行くことができます。 余り歩かれていないのか道は少々心細い状態になってはいますが、踏み跡はしっかりと続いているので、 こちら側から登ってみるのもいいかも知れません。
(後日に歩いた時の様子は「八国見山」, 「渋沢丘陵」を参照)
発砲危険!
近くに住宅・学校・農耕地等あり。危険!
 (神奈川県)
T字路の正面が少し開けていて丹沢の峰々を見渡せるのですが、 この日は雲っていて、残念ながら余りはっきりとは見えませんでした。
渋沢駅分岐
T字路を左折して緩やかに2分ほど降っていくと分岐があります。 角に立つ道標によると、右手へ降っていく道は「渋沢駅」、左手に登っていく道は「頭高山」となっています。 渋沢駅を目指して右手の道を降っていってもいいのですが、 今回は左手の道を経て峠地区へと向かっていくことにしました。
山火事注意 火の用心!
たきび・たばこは確実に消して!
 (森林共済セット保険、神奈川県)
峠配水場
左手の道を緩やかに登っていくとすぐにT字路があります。 左手にも道は続いていますが右手へと進んでいくと、 程なくして秦野市水道局の峠配水場があります。 配水場を左に見ながら坂道を緩やかに降っていきます。
水道施設につき立入禁止
 (秦野市水道局)
住宅・作業小屋・プレハブ倉庫等、用途・規模・構造にかかわらず、 建築基準法上、建築物に該当するものは建てられません。
(都市計画法の条件を満たし手続きをとったものは除く)
 (秦野市都市経済部開発審議課)
渋沢駅分岐
やがて正面が開けてくると十字路があります。 角に立つ道標によると、右手の道は「渋沢駅1.8km、震生湖4.3km」、 正面の道は「渋沢駅(頭高山入口経由)3.5km、頭高山入口1.0km」となっています。 左手に降っていく道は特に何も記されてはいませんが、畑地を経て峠地区へと降っていく道のようです。
正面の道を進んでいくと、左手の斜面には畑が広がっていました。 谷底には、これから向かう峠地区の集落が見えています。
捨てるな!
ごみは持ちかえろう。
 (秦野市)
頭高山分岐
左手に畑を見ながら真直ぐに進んでいくと分岐があります。 角に立つ道標によると、右手の道は「渋沢駅(頭高山入口経由)3.0km、頭高山入口0.5km」となっています。 左手の道は特に記されていませんが、峠地区へは左手の道を降っていきます。
なかまる橋
畑地の中に続く道を緩やかに6分ほど降っていくと、右へ曲がっていく所に「なかまる橋」があります。 左手には、峠隧道の出入口がぽっかりと口を開けています。 橋を渡って、その先へと降っていきます。
やまばと学園を右手に見ながら坂道を降っていくと、ほどなくして車道に降り立ちます。 ここを右手へ50mほど進んでいくと、峠多目的研修センターの手前に峠バス停があります。
峠(とうげ)バス停
渋沢駅(小田急小田原線)の南口まで、千村台行きバスにて6分、40分に1本程度の便があります。
駅まではそれほどの距離はないので、歩いていっても20分ほどで着きます。
小振りなバス
利用客が少ない路線のためなのか、運行しているバスは普通のよりも小振りのサイズでした。
六地蔵
バス停の右手には神明神社があります。 また、峠多目的研修センターの裏手の広場には六地蔵があるので、 バスの便まで時間があれば、ちょっと立ち寄っていきましょう。
秦野市指定重要文化財 石造六地蔵(真静院)
地蔵菩薩とは、釈迦入滅ののち弥勒仏の出現するまでの間、六道に迷う衆生を救済する菩薩であり、 六地蔵とは地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人道・天道の六道に配し、 各界の苦難を救う姿をあらわしたものである。 六地蔵の石仏は、寺院等の入口にあって珍しいものではないが、 そのほとんどは江戸時代あるいはそれ以後のものであり、それ以前のものは極めてすくない。 この六地蔵のうち一体は南北朝時代、他の五体はいずれも室町時代の制作である。 又、これらのうち銅板・団扇・太鼓をもっているものは他に例のない特異なものである。 本像は表現は素朴であるが、古い時代の小さな石像が六体一組として揃って保存されていたのはまれなことである。 又、通称「峠」と呼ばれる小田原街道のこの地に、この石仏が存在することは、 この「峠」が古くから交通の要所であったことを知る貴重な資料である。
 (秦野市教育委員会)