稲荷山
散策:2004年07月下旬
【低山ハイク】 稲荷山
概 要 稲荷山は都心から1時間ほどの高尾山への登りコースのひとつにあり、 しっかりとして緩やかな散策路が尾根筋に続いています。 谷筋からは涼やかな風が吹き上がってきたりもします。 稲荷山を経て高尾山に登ってからは、いろはの森コースを日影沢へと降っていきます。
起 点 八王子市 高尾山口駅
終 点 八王子市 日影バス停
ルート 高尾山口駅…清滝駅…旭稲荷…稲荷山…大垂水峠6号路分岐…高尾山…高尾ビジターセンター…十三州大見晴台…いろはの森入口…林道出会…治山ガーデン…山荘…いろはの森出口…日影沢園地…日影沢…日影バス停
所要時間 4時間10分
歩いて... 稲荷山コースは緩やかでしっかりとした道が続いていて、それほど苦労することもなく登っていくことができます。 いろはの森の樹木の銘板や和歌、日影沢のせせらぎなども楽しみです。 訪れた日は曇っていたので、残念ながら稲荷山や高尾山からの眺めは今ひとつでした。
関連メモ 高尾山, 小仏城山, 高尾山, 高尾山, 高尾山, 高尾山, 小仏城山, 景信山
コース紹介
高尾山口(たかおさんぐち)駅
高尾山口駅(京王高尾線)から歩いていきます。
改札口を出た所に大きな「高尾山・陣馬山ハイキングコース案内図」があるので、 これからのコースを確認しておきましょう。
高尾山の山頂まで続いている散策路は、1号路・6号路・稲荷山コースの3つがありますが、 今回は稲荷山コースで山頂まで登り、いろはの森から日影沢へと降るコースを歩きます。
高尾山
高尾山は標高600mほどの山である。昔から信仰上、政治的また軍事的に庇護され、 明治には皇室御料林として保護されてきたため、自然林の趣をそのまま残し 動植物の宝庫となっている。特に植物は、暖地性のものから寒地性のものまでと広く、 日本の全植物の約1/4にあたる1600種あまりがみられる。 昭和25年(1950)都立高尾陣馬自然公園に、そして昭和42年(1967)には 明治百年の記念事業として明治の森高尾国定公園に定められた。 昭和45年(1970)には大阪府箕面市までの東海自然歩道の起点として整備され、 また現在は関東ふれあいの道ともつながり広域のハイキングの出発点となっている。 高尾山は関東屈指の修験道の道場としても有名で、 山頂近くにある古刹薬王院には多くの修験者や参拝者が訪れている。
コースを確認して、民家や店舗が続く右手の道を小川沿いに進んでいきます。 2分ほど進んで小さな橋を渡ると、広くなった場所に出ます。 正面には「高尾山薬王院」と刻まれた石柱が立っています。 ここに「明治の森 高尾国定公園案内図」があり、山頂までのコースが載っています。 所要時間は、1号路・6号路・稲荷山コース共に90分とのことです。 1号路は東海自然歩道や関東ふれあいの道のコースにもなっている表参道、 6号路は谷筋に続くコース、稲荷山コースは尾根筋に続くコースです。
高尾山山頂方面にハイキングされる皆様へ
高尾山頂(大見晴台)のトイレは大変に混雑し、ご不便をおかけすることが予想されます。 あらかじめ、駅周辺の公衆トイレをご利用ください。
 (八王子市、東京都西部公園緑地事務所)
清滝駅
広場の左手にはケーブルカーの清滝駅があります。 6号路と稲荷山コースは、その左脇を抜けていきます。
高尾山からのお願い
・自転車の乗り入れは禁止されています。
・草木を摘んだり、虫をつかまえたりするのはやめましょう。
・ゴミは各自で持ち帰りましょう。
 (東京都高尾自然公園管理センター)
すぐの所で6号路と稲荷山コースが分かれます。 ここに「自然研究路・6号路と稲荷山コース」の案内図があるので参考にしましょう。 6号路はそのまま沢沿いの道を進んでいきますが、 稲荷山コースは、道標「稲荷山コース、高尾山頂」に従って左手の小さな橋を渡っていきます。
植生復元中
植物保護のため立入らないでください。
 (東京都高尾ビジターセンター)
たき火・喫煙注意
明治の森高尾国定公園山林内
 (東京消防庁)
橋を渡って、右手に続く横木の階段を登っていきます。 明るい雑木林の中を緩やかに登っていきます。
ペットをお連れの方へ…
ペットと過ごす楽しい時間…。 お気持ちはわかりますが、高尾の森にすむ生きものたちの声も聞いてもらえませんか? 豊かな自然が残る高尾の森では、ペットを持ち込むことで、生きもの同士のつながりが 崩れてしまうことがあります。ペットの病気が森の生きものにうつってしまうことも…。 様々な生きものが安心して森で暮らせるようにペットの持ち込みはご遠慮ください。
 (東京都環境局)
旭稲荷
4分ほど登っていくと、少し広くなった所に旭稲荷がありました。 社は歴史を感じるものでしたが、鳥居のそばのキツネ像はまだ新しくて、 造り直されてから間もないようでした。 でも時が流れていくにつれて、自然へ溶け込んでいくのでしょうね。
旭稲荷の左手に続く道を登っていきます。 傾斜が緩やかで幅も広くなっていて、普通の山登りに比べても楽に歩いていけます。 木の根がむき出しになっている所もあったりしますが、歩きにくいというほどではありません。 散策路は樹木に被われていて木陰になっているので、 暑い季節でしたが直射日光に晒されることもなくて、息が切れることもありません。
尾根筋に快適な道が続きます。 研究路ほどではありませんが、自然に関する解説板が所々にあったりします。 谷筋から吹き上がってくる風が、時々涼しさを運んできたりもします。
高尾山のスズメバチ
スズメバチの仲間は、幼虫を育てるために獲物となる昆虫などを捕らえます。 また、甘い蜜も好物で樹液にも集ります。 人に危害を加える昆虫として取り上げられることもあるスズメバチですが、 自然界では必要不可欠な存在です。ハチのことをもっと知ってうまくつきあっていきましょう。
コガタスズメバチ 体長(はたらきバチ)22〜27cm。 里山や都市郊外で普通に見られる。庭木や街路樹、人家の軒下に巣を作る。 ハエやアブなど小さな昆虫をおもなエサとし、攻撃性はあまり強くないが毒性がやや強い。
オオスズメバチ 体長(はたらきバチ)27〜38cm。 世界でもっとも大きくて強いスズメバチ。 雑木林に多く、カブトムシなどの甲虫でさえも場所をゆずることがある。 巣は、地中や木の穴などに作る。主に昆虫をエサとし、 秋にはキイロスズメバチなどほかのハチの巣をおそって全滅させることもある。
キイロスズメバチ 体長(はたらきバチ)17〜24cm。 もともとは里山に覆い種類だが、都市部でも見られるようになっている。 巣は、あらゆるところに作る。土の中や木の穴などせまいところにも作り、 夏に家族が増えると家の軒下や天井うらなどの広いところへ引っ越すことも多い。 気が荒く、はたらきバチの数も多い。
クロスズメバチ 体長(はたらきバチ)10〜12cm。 平地から山地まで普通に見られる。巣はおもに土の中に作る。 性質は比較的おとなしいが、体が小さく、しかも他のスズメバチのように黄色っぽくないので、 そばに近づいても気づかないことが多い。
【ハチを見かけたら…】
まず、あわてない。さわがない。 手で払ったりせず、静かにその場をはなれましょう。 ハチが1匹だけのようなら、ハチの方がはなれてくれるのをじっと待つのもいいでしょう。
【刺されたら…】
ハチの毒は、水に溶けやすいので、傷口を水でよく洗ってください。 その後は、抗ヒスタミン剤などのぬり薬をぬります。 人によっては、ひどくはれたり気分が悪くなることがあるので、早めに病院へ行きましょう。
高尾山のサクラ
花と葉が同時に開くヤマザクラが代表的です。 葉は、緑から赤褐色まで多様な色合いを見せてくれます。 今では、お花見と言えばソメイヨシノが有名ですが、以前はヤマザクラが主役でした。
ブラシのような花が咲くこんなサクラも見られます
 イヌザクラ(別名:シロザクラ)、ウワミズザクラ(別名:ハハカ)
この2種類のサクラは、とてもよく似ていますが、ちょっとした違いがあります。 見つけられるかな。ヤマザクラやウワミズザクラの美しい樹皮は、さまざまな工芸品の材料として用いられます。 ナタのさや、茶筒、茶托…
 (東京都高尾ビジターセンター)
旭稲荷から25分ほど進んでいくと、関東森林管理局の大きな看板がひっそりと立っていました。
ようこそ 高尾山国有林へ
高尾山自然休養林
林野庁・関東森林管理局は、高尾山国有林(452ヘクタール)を自然休養林に指定し、 皆様の保健休養の場として利用頂いております。
 (林野庁、関東森林管理局)
やがて横木の階段が現われますが2分ほどで終わりになります。 階段を登り切ると道が二手に分かれています。 道標などは見当たりませんでしたが、右手の道を登っていきます。 左手の道は巻き道になっているようです。
持ち帰ろう ゴミは一人で 帰れない
 (八王子森林パトロール隊)
稲荷山
ひと登りするとすぐに稲荷山に着きます。 最初の登り口にある小橋から40分ほどで到着です。 山頂には休憩舎とトイレが設置されています。
たばこ火による火災発生 たばこ投げ捨て禁止
 (高尾警察署、高尾防犯協会)
北東側が開けていて八王子の街並みが見渡せるとのことですが、 この日は雲っていて、残念ながら余りはっきりとは見えませんでした。
ここからの眺め
正面に見える市街地は、八王子市の街並みです。 右よりに続く丘陵は多摩丘陵、左よりに見える帯状の丘陵のうち、 手前は加住丘陵、その向こうが狭山丘陵です。 展望のよい日には、新宿や池袋の高層ビル、あるいは遠く筑波山まで見えることがあります。
稲荷山からその先へと進んでいきます。 平坦な所や降り気味の所もあったりして、 緩やかで広い道が尾根筋に続くこの稲荷山コースは大変歩きやすくなっています。
高尾山のヘビ
有毒:ヤマカガシ、マムシ
無毒:ジムグリ、ヒバカリ、アオダイショウ
ヤマカガシの毒牙は、上アゴの奥にあり、よほど深くかまれない限り、この毒が人の体に入ることはありません。 また、ヤマカガシは、首に有毒物質を出す腺があります。 マムシの毒牙は、上アゴの前方にあります。獲物を捕らえるだけでなく、 近づく敵から身を守るために、とびかかってくることがあります。 決して手を出さないでください。
【ヘビを見かけたら…】
人に対して積極的に攻撃するヘビは少なく、多くの場合、自分の身を守るためにかみつきます。 つついたりふみつけたりしないでそっとしておきましょう。
【ヘビにかまれたら…】
どの種類のヘビにかまれたのか見きわめることが大切です。 無毒のヘビならば、傷口を消毒しましょう。 有毒なヤマカガシやマムシにかまれた場合でも、すぐに命に関わるものではないので、 あわてずに病院へ行きましょう。
 (東京高尾ビジターセンター)
小さな高みを登っていくと、稲荷山から20分ほどで少し開けた所がありました。 その真ん中には大きな木が生えていました。
高尾山のウルシ
ヤマウルシ、ヌルデ、ツタウルシ
ウルシ科の植物には、ふれるとかぶれてしまうものが数多くあります。 特に樹液は、ふれることで皮膚に炎症を起こすものが多く、また、 枝などを燃やした煙によって炎症を起こす場合もあります。 ウルシ科の植物による「かぶれ」は、アレルギー性の皮膚炎です。 個人差があり、かぶれにくい体質の人もいるようですが、 ふれてから1〜2日たって症状が出る場合もあるため、 ウルシが原因と気づかないこともあります。 秋には美しく紅葉して私たちを楽しませてくれます。 さわらずに見て楽しみましょう。
 (東京高尾ビジターセンター)
大垂水峠6号路分岐
更に4分ほど進んでいくと、道が三手に分かれています。 左は「高尾林道を経て大垂水峠方面」への道、右は「自然研究路6号線」への道です。 稲荷山コースはこのまま正面の尾根道を進んでいきます。
分岐から10分ほど進んでいくと、ベンチが幾つか設置された小広い場所があります。 稲荷山から40分ほど歩いてきたので、小休憩していきましょう。 近くに「山頂周辺コース案内」の案内図があるので、高尾山頂までのルートを確認しておきましょう。
すぐ先にある5号路を横切って、正面に続く横木の階段を登っていきます。 今回のコースの中で一番の難所です。急いで登ると息が切れてしまいます。 この階段を登り切ると高尾山頂なので、一歩一歩ゆっくりと登っていきましょう。
急な階段を4分ほどかけて登り切ると、高尾山の山頂に到着です。 ゆっくりと登ってきたつもりですが、この暑さも手伝ってか、かなり息が切れてしまいました。 最初の登り口からは1時間40分ほどかかりました。 案内図では90分と書いてあったので、まあ、こんなものでしょうか。
左手に無料休憩所があったのですが、どういう訳か、閉鎖になっていました。
高尾山 (標高599m)
高尾山の山頂は広くなっていて、茶店も何軒かあります。 この日は猛暑だったこともあって、その中の1軒に入ってかき氷を食べました。 う〜ん、頭がキューンとしたりもしますが冷たくて気持ちがいい。
高尾ビジターセンター
山頂にはビジターセンターがあります。 季節展示、自然研究路のジオラマ、東京都VC紹介、トレイル状況などが展示されています。 靴を脱いで入らないといけないので、ちょっと面倒だと思う人もいたりします。
高尾ビジターセンターのご案内
高尾ビジターセンターは、自然に親しみ自然と人とのルールを学ぶための自然公園の施設です。 建物の中の展示やスライドを見たり、自然教室に参加して自然と友だちになりましょう。
開館時間午前10時より午後4時まで
休館日月曜日(月曜日が祝祭日のときは翌日)
年末年始(12月29日から1月3日まで)
入場料無料
ご注意館内は、喫煙及び飲食等はできません。
緑とふれあう高尾山
東京の都心から西へ約50キロメートルに位置し、東京都八王子市高尾山とその周辺には、 約1200ヘクタールの国有林があり、東京神奈川森林管理署が管理しています。 高尾山国有林は、モミや広葉樹の天然林とスギ・ヒノキの人工林がほどよく調和した森林のため、 この地域の国有林をレクリエーションの森として、森林との「ふれあい」の場をみなさんに提供しています。 四季を通じて、自然に親しみながら、森林浴、バードウォッチング、自然観察、ハイキングなどを 楽しんでいただき、一般の方々に広く利用されています。 また、自然環境の保全、水資源のかん養など、森林のもつ様々な機能が十分発揮できるよう、 それぞれの森林の特徴に合わせた管理を行っています。 なお、高尾山は明治の森高尾国定公園と都立高尾陣馬自然公園に指定されています。
 (林野庁、関東森林管理局)
国際森林記念の森は、国際森林年(1985)を記念して、 森林の役割や森林を守り育てることの大切さ理解して頂くために、 ここ高尾山国有林に設置したものです。 この記念の森を、多くの皆さんに親しんで頂くため、展示林や学習の歩道、森林浴の歩道、 展望台などを整備しています。
 (関東森林管理局)
高尾山で見られる動植物
スズメバチ 日本で最大になるハチです。集団で生活し、土の中や木の洞に巣を作ります。 働きバチは樹液や花の蜜を食べますが、幼虫は肉食です。 よくミツバチの巣を攻撃します。毒が強いので注意しましょう。
ホンドリス ニホンリスとも呼ばれ、本州、四国、九州に分布しますが、西日本にはあまりいません。 主にドングリやマツの実、クルミなど植物質のものを食べます。 夏と冬で毛がかわり、冬毛には耳の先にふさ毛があります。
イノシシ 夜行性で、円盤状の鼻で土を掘り返して、草や果実、小動物などを食べる雑食性です。 親子で生活し、子供は、はじめ体にしまがあってウリのようなのでうり坊と呼ばれます。
シジュウカラ 市街地から山地にかけてふつうに見られます。巣箱もよく利用します。 黒い頭に胸の黒いネクタイ、白いほおが特徴的です。 ツツピーやジュクジュクと鳴きます。
ヤマガラ よく茂った常緑広葉樹林に生息し、腹の赤茶色が目立ちます。 木の実を樹皮の割れ目に貯える習性があります。 ツーツーピーやニーニーと鳴きます。
ホタルブクロ 山野に生える多年草で地下茎で繁殖します。 初夏に茎の先の方の花から咲き始め、赤紫色の可憐なつりがね形の花をつけます。 花の中に蛍を入れる遊びから、この名がついたといわれています。
ムラサキシキブ 初夏に淡紫色の花を多数つけます。 果実は紫色に熟し、その美しさを紫式部にたとえて和名が付けられました。
ヤマユリ 夏にむせるほど香りの強い大きな花が咲きます。 花は白色地に斑点と黄色い線があります。 山野の傾斜地や草むらに自生します。 鱗茎は百合根と呼ばれて古くから食用にされます。
オオバギボウシ 山地などのやや湿った草地に生える大形のギボウシです。 古くから観賞用に植えられ、園芸品種も多くあります。 若い葉柄や葉身はウルイと呼ばれて食用にします。
イロハモミジ 葉が5〜7に裂け、「い・ろ・は・に・ほ・へ・と」と数えられるところから名付けられました。 紅葉の名所である京都の高雄山の名をとり、タカオカエデの別名もあります。
マユミ 熟した淡紅色の実が、晩秋に割れて橙赤色の仮種皮に包まれた種子をつりさげます。 ヤマニシキギとも呼ばれます。 材は稠密で将棋の駒やこけしに用いられます。
カシワ 丸いドングリは細長い鱗片のついた穀斗に包まれています。 材はウイスキーの樽に、葉は餅を包んでかしわ餅とします。 冬に葉が枯れてもなかなか落ちず、木に残っています。
 (林野庁)
十三州大見晴台
山頂には「十三州大見晴台」の碑が立っています。 そばには三角点もあります。標高599.03mとのことです。 十三州を見渡せるとのことですが、この日はあいにくと雲っていて、 残念ながらほとんど見えませんでした。
十三州について
駿河(富士山)、 甲斐(南アルプス)、 信濃(北アルプス)、 越後(上越山塊)、 上野(上州三山)、 下野(日光山塊)、 常陸(筑波山)、 上総(房総半島)、 下総(房総半島)、 安房(房総半島)、 相模(丹沢山塊)、 伊豆(天城山)、 武蔵(ここ)
十三州 幾州見える 今日の月 草仁
いろはの森入口
高尾山からは1号路を降っていきます。 5号路を横切って広い道を5分ほど進んでいくと、左手に階段が分かれていきます。 そばには「いろはの森案内図」があります。 ここから1号路から分かれて、いろはの森を通って日影沢へと降っていきます。
いろはの森
この森林には、「いろは」48文字をそれぞれ頭文字とする樹木を選んで表示してあります。 なかには、昔から愛されている地方名で示したものもあります。 選んだ樹木の大部分は高尾山に自生しているものです。 きれいな花の咲く木、赤い実のなる木、常緑の木、落葉する木、太い木、細い木などさまざまなもとがあります。 皆さん、「いろはの森」で森林浴を楽しみながら48種類の樹木と友達になって下さい。
行程 現在地→いろはの森→日影バス停(60分)
 (関東森林管理局高尾森林センター)
尾根筋を8分ほど降っていくと、左手から自然研究路4号路が合流してきます。 そのまま50mほど降っていくと、再び4号路が分かれていきます。 道標「いろはの森コース・日影沢」に従い、左手の道を降っていきます。
杉桧や雑木林が続く山腹の道を降っていきます。 稲荷山コースよりも若干傾斜があって、しっかりとはしていますが幅も狭めになっています。 ベンチが設置されている所が何ヶ所かあるので、休憩しながら降っていきましょう。
道の各所には、「いろは」48文字を頭文字にもつ樹木に銘板が掲げられ、 名前と簡単な解説などが記載されています。 見落さないようにと思って周りに目を配りながら降っていったのですが、 残念ながら35種類しか確認することができませんでした。 48種類全部あったのでしょうが、かなり見落としたものです。 下にあるカッコ付きの文字が確認できなかったものです。 また、樹木の名前に関係のある和歌も掲げられていましたが、こちらは14首しか見かけませんでした。
色は匂へど散りぬるを 我が世誰ぞ常ならむ 有為の奥山今日越えて 浅き夢見じ酔ひもせず
いろはもみじ、ろくろぎ、(は)、(に)、ほおのき、へいたまのき、(と)、(ち)、るりみのうしころし、(ぬ)、(る)、をおもみじ、 わせび、かや、よぐそみねばり、たまあじさい、(れ)、そろ、つのはしばみ、(ね)、なつつばき、らおぎ、むらさきしきぶ、 うわみずざくら、ゐたやかえで、のりうつぎ、(お)、くり、(や)、(ま)、けやき、(ふ)、こなら、えのき、ていかかずら、 あらかし、(さ)、きぶし、ゆずりは、めぐすりのき、みずき、しろだも、ゑんこうかえで、ひのき、もみ、せんのき、すぎ、んまべのき
真木柱 太き心は 有りしかど この吾が心 しずめかねつも 作者不詳
下野野 みかもの山の 小楢如す 目細し児ろは 誰が笥か持たむ 作者不詳
吾が兄子が 捧げて持たる 厚朴 あたかも似るか  青き蓋 僧恵行
三栗の 那賀に向へる 曝井の 絶えず通はむ 彼所に妻もが 作者不詳
昼は咲き 夜は恋ひ宿る 合歓木の花 君のみ見めや 戯奴さへに見よ 紀郎女
吾が門の 榎の実もり 喫む百千鳥 千鳥は来れど 君ぞ来まさぬ 作者不詳
吾が屋戸に 黄変づ鶏冠木 見るごとに 妹を懸けつつ 恋ひぬ日は無し 大伴田村家大嬢
つぬさはふ 石村の山に 白妙に 懸れる雲は 吾王かも 作者不詳
吾背子に 吾が恋ふらくは 奥山の 馬酔木の花の 今盛なり 作者不詳
古に 恋ふる鳥かも 弓絃葉の 御井の上より 鳴きわたり行く 弓削皇子
古の 人の植ゑけむ 杉が枝に 霞棚引く 春は来ぬらし 柿本人麿
足柄の 吾を可鶏山の 穀の木の 我をかづさねも かづさかずとも 作者不詳
言問はぬ 木すら紫陽花 諸弟等が 練の村戸に 詐かえりけり 大伴家持
池の辺の 小槻が下の 細竹な苅りそね そをだに君が 形見に見つつ偲ばむ 作者不詳
林道出会
4号路との分岐から30分ほど降っていくと林道に降り立ちます。 道標「日影沢方面(いろはの森・学習の歩道)」に従って左折し、 すぐ先で右手に分かれていく細い道を降っていきます。
ここは国有林です。 たき火・たばこなどの火の始末に注意し、樹木を大切にしましょう。
 (東京営林局)
治山ガーデン
7分ほど降っていくと、少し開けた場所がありました。 大きな「高尾山国有林治山ガーデン」の案内図とベンチが設置されていました。 右手の沢沿いにも散策路が続いているようですが、このまま真直ぐに降っていきます。
鋼製自在枠ダム
このダムは柔軟性があり、地盤が柔らかくてもこわれにくいので、 基礎となる固い岩の出ないところなどにつくります。 又、水はダムの中の砂や石のあいだをゆっくり流れるので、水をきれいにしたり、 下流の水不足をふせぐ役目もはたします。
コンクリートダム
治山ダムは土石を貯めて、上流の流れを緩やかにして、川岸が崩れるのを防ぐやくめをします。 コンクリートダムは強くて長持ちするので、現在では一番たくさんつくられています。
高尾山国有林治山ガーデン
この治山ガーデンは、山崩れを防ぎきれいな水をつくる森林を育てて、 下流の農地や人家等を災害から守るため、林野庁が実施している治山事業を広く一般の方々に理解していただこうと、 国際森林年(昭和60年)を記念して施工した治山施設です。 主な工種としては、渓間工と山腹工があります。
◎渓間工
渓流の浸食防止や渓流内に堆積した不安定土砂等の流出防止を図り、土石流災害等から人家や農地などを 保全することを目的に、渓流部で行われる治山ダム工等の総称です。
◎山腹工
崩壊跡地などの緑化を図ることを目的に、山腹斜面に行われる土留工や緑化工等の総称です。
 (林野庁、関東森林管理局)
案内板の前を降っていくと、すぐに小さなせせらぎを渡ります。 先日来の猛暑のためか、水量は多くはありませんでした。 水を手ですくって汗ばんだ顔を洗うと、冷たくてスッキリとした気分になりました。 流れを渡った先で道が二手に分かれています。 道標はありませんが、右手の道を進んでいきます。
護岸工
川の流れが岸にぶつかって、その上の山がくずれるおそれがあるとき、 川岸を守るために作ります。
火災の芽 摘んで緑の 八王子
 (八王子消防署、八王子市消防団、八王子山火事防止協議会)
山荘
せせらぎを渡って2分ほど進んでいくと、ぽっかりと開けた場所に家が一軒建っていました。 そばにかかっていた看板によると、擦れていて読みにくい文字もありましたが、 「国定公園明治の森 八王子山の会山荘」とのことです。 小川から水が引かれてきているのか、裏手には水道の蛇口から流し台に水が流しっぱなしになっていました。 ついでなので、ここでも顔を洗いました。 先ほどのせせらぎと同じく、冷たくて気持ちのいい水でした。
いろはの森出口
山荘を後にして更に2分ほど進んでいくと、いろはの森の出口に着きます。 高尾山頂から1時間20分で降りてこられました。 最初の案内板には日影バス停まで60分と書いてありましたが、 寄道をしたり写真を撮ったりしていたので、 ここから日影バス停まで10数分残していることを考えると、かなり時間がかかってしまいました。 林道が、右手から左手へと続いています。 ここにも、最初の入口にあったのと同じような「いろはの森案内図」がありました。
高尾山自然休養林
高尾山自然休養林は、皆さんに森林レクリエーションを楽しんでいただけるように整備した「いこいの森」です。 面積は452ヘクタールあります。 このあたりは高尾山国有林で、スギ・ヒノキの人工林です。 植えてまもない幼齢林から大正時代に植えられた壮齢林まであり、林木の成長の様子がうかがわれます。
【植物・昆虫】
高尾山一帯は、年平均気温13℃、年平均降雨量1,400mmで、暖地性植物と寒地性植物がよく繁茂し、 植物の群落地として知られ、約1,300種類あります。 原標本産地(植物が最初に発見されたところのことをいいます)になっているものも数10種類あります。 昆虫は、約5,000種に及んでいます。中でもギフチョウ、ムカシトンボ、ガロアムシなどは珍しいものです。
【鳥獣類】
鳥類は渡り鳥を含めて約100種、ブッポウソウ、ホホジロ、アキジ、オナガなどがいます。 獣類は約10種、ニホンリス、ムササビ、タヌキ、ヒメネズミがいます。 このため特別鳥獣保護区に指定されており、小鳥の巣箱を設置したり、えさ木を植えたりしています。
【森林の効用】
森林は水を蓄え、供給してくれたり、きれいな空気を提供してくれます。 また私たちに安らぎを与えてくれます。 そして家をつくるときなどに使う木材を供給してくれます。
国有林は皆さんの貴重な財産です。 美しい自然を守る為にも森林を大切にしましょう。
日影沢園地
いろはの森出口の左手には日影沢園地があります。 園内には日影沢が流れていてキャンプ場にもなっています。 一角には国産の木材で建てられた多目的ホール「ウッディハウス愛林」があります。 この時には「森林散歩の美術展」が催されていました。 2階には森林や自然に関する図書を集めた「森の図書室」もあります。
日影沢園地利用のみなさんへ
1. この園地は高尾森林センターで整備・管理を行っています。 利用される方は、高尾森林センターに申し込んで許可を受けてから利用して下さい。
2. 許可証をお持ちでない方は利用できません。
3. 高尾山国有林周辺では、ゴミの持ち帰り運動を実施しています。御協力下さい。
 (林野庁、関東森林管理局、高尾森林センター)
日影沢
ちょっと日影沢に降りてみました。 連日の猛暑のためか水量は少なめですが、綺麗で冷たい水が流れていました。 そばでは家族連れや若者たちがバーベキューを楽しんでいました。
日影沢園地を後にして、日影沢沿いの林道を降っていきます。 所々で沢に降りていける場所があったりします。
これからの森林づくり(複層林施業)
関東森林管理局では、ここ高尾山国有林において、森林のもっている保健休養などの公益的機能と 木材生産機能を調和させ、確実な世代交代を図っていくために、 明治末期に植えられたスギ、ヒノキの人工林を複層林へ誘導する森林づくりを実施しています。
【複層林ができるまで】
単層林 ほぼ同じ高さの木がそろっている林を単層林といい、スギやヒノキなどの人工林に多く見られます。
すかしぎり もとの単層林をきりすかし、林の中に光を多く入れて、あと継ぎの苗木がよく育つようにします。
苗木の植えつけ すかしぎりでできたあき地に、あと継ぎのスギやヒノキなどの苗木を植えます。
複層林 苗木を植えて、下刈り、枝打ちなどを行うと大きさのちがった林が出来ます。 このような林を二段林とよんでいます。 この作業を何度かくり返すことによって、大小さまざまな木々のまざりあった複層林ができます。
林地を裸にしないで、いつも樹木のある状態にしておき、災害の防止、地力の維持に役立て、 その上、風致の維持の面でも利点があります。 又、大径材から小径材まで多くの種類の木材の生産ができます。
 (関東森林管理局 高尾森林センター)
森林と水 森林と土砂
豊かな森林は、雨水を一時たくわえて、きれいな水を少しずつ流し出します。 また大雨のとき土や石の流出をおさえます。 高尾山の国有林では、大小・老若の木々・針葉樹と広葉樹などをほどよく組合わせて、 森林のいろいろな働きが最大となるように、とくにきめこまかな取扱い(施業)を行っています。 この附近の人工林も、上木を伐り残してその下にあと継ぎの苗木を植え、 一時的にも林地を裸にしないような方法で林を育てていきます。
 (高尾森林センター)
しばらく進んでいくと、道が広がって駐車場になっている所があります。
野生獣にエサを与えないで下さい!
八王子市の西部地域では野生獣(サル・イノシシ・ハクビシン等)による農作物被害が多発し、 地域の農業振興に弊害が出ています。 その対策として、市ではボランティアによる野生獣追い払いを実施し、 農地に出没した野生獣を山へ追い返すことで、農作物被害を未然に防いでいます。 野生獣にエサを与えることで、せっかく山へ追い返しても、再び農地に出没し、 農作物に被害を与えてしまいます。 また、やがては人なれし、人間にも危害を加える可能性があります。 従って、野生獣にはエサを与えないで下さい。
 (八王子市農林課)
入山者の方へ
東京都動物の愛護及び管理に関する条例第9条により、犬を放すことは禁止されていますので、 犬は絶対に放さないで下さい! また、この付近にはイノシシ捕獲用のワナが仕掛けてありますので、注意して下さい。
 (八王子市農林課)
駐車場の先には「高・尾・山・国・有・林」と一文字ずつ書かれた看板が並んでいました。
国際森林年記念の森
COMMEMORATIVE FOREST FOR THE INTERNATIONAL YEAR OF THE FOREST
 (林野庁、関東森林管理局)
カツラ人工林
カツラは、北海道から九州まで全国に分布し、古事記や万葉集にも記述がみられるなど、 古くから知られている日本固有の落葉高木です。 天然のカツラで大きいものは、高さ35m、直径2mのものもあります。 樹形がよく、春の芽ぶきの色、夏のさわやかな淡緑色、秋の紅葉が美しいため、公園などにも植えられます。 カツラの木は、木目が細かく加工しやすいため、彫刻、家具、碁盤などにひろく使われています。
植栽 昭和3年、HA当り本数 730本、面積 1.89HA、平均樹高 17m、平均直径 18cm
 (高尾森林センター)
高尾山国有林
一.森林を愛しましょう。樹木は皆んなの資源です。
一.山ではたき火に注意しましょう。
一.たばこは歩きながらすわないようにしましょう。
一.山のエチケットを守りましょう。
 (東京神奈川森林管理署)
看板の先にある小さな橋を渡っていきます。 すぐに車道に出るので、右折して道なりに少し進んでいくと、木下沢橋の先に日影バス停があります。
高尾鳥獣保護区区域図
注意
1.この区域は鳥獣の保護増殖のため捕獲が禁止されております。鳥獣の保護増殖にご協力をお願いします。
2.特別保護地区内で次の行為をするには許可が必要です。
  ・木竹の伐採をするとき。
  ・工作物の設置等をするとき。
3.問い合せ先 東京都南多摩経済事務所林務課
 (環境庁、東京都)
林道日影線
これから先は林業経営のため開設された林道です。 利用される方は次の事項を厳守のうえ通行してください。
1.降雨・降雪時には、スリップの危険があります。
2.落石や崩土が多いので、注意してください。
3.急カーブ・急勾配が多いので、スピードはひかえ目に。
4.道幅が狭いので、すれちがいに注意してください。
5.見通しの悪い箇所での駐車は避けてください。
 (東京都林業事務所浅川林務出張所)
日影(ひかげ)バス停
高尾駅(JR中央線)まで、高尾駅北口行きバスにて12分、 1時間に2本程度の便があります。
 土日曜 ...13:13 13:43 14:13 14:43 15:13 15:43 16:13 16:43 17:43 18:43 19:43 20:43