明星ヶ岳
散策:2004年04月上旬
【低山ハイク】 明星ヶ岳
概 要 明星ヶ岳は箱根の古期外輪山のひとつで、明神ヶ岳と共に箱根の北東側に聳える山です。 山腹では大文字焼きの行事が行われ、大文字山とも呼ばれています。 山頂近くからは駒ヶ岳や二子山などの中央火口丘の峰々や富士山が間近に見えて、素晴らしい眺めを楽しめます。
起 点 箱根町 塔ノ沢駅
終 点 箱根町 宮城野橋バス停
ルート 塔ノ沢駅…阿弥陀寺登り口…阿弥陀寺山門…阿弥陀寺…塔ノ峰…林道出合…明星ヶ岳登り口…三笠山刀利天宮…明星ヶ岳…宮城野分岐…箱根大文字焼…宮城野側登山口…宮城野橋…宮城野橋バス停
所要時間 5時間40分
歩いて... 塔ノ峰までの登り道では分かりにくい所もあったりしますが、 塔ノ峰から明星ヶ岳までは道幅も広くてよく踏まれた尾根道が続きます。 頂上からの展望は期待できませんが、その前後の尾根筋からは箱根の山々の素晴らしい眺めが広がっています。
関連メモ 塔ノ峰, 久野林道
コース紹介
塔ノ沢(とうのさわ)駅
塔ノ沢駅(箱根登山鉄道)は箱根湯本駅の隣にあり、トンネルとトンネルの間に挟まれた静かで小さな駅です。 箱根湯本駅から1時間に4本程度の便があります。 塔ノ沢駅から歩いていきます。 今回は阿弥陀寺から塔ノ峰・明星ヶ岳を経て宮城野へと降るコースを歩きます。
箱根湯本駅方面のトンネルの上に架かる陸橋の登り口に 「ハイキングコース登り口(阿弥陀寺、塔ノ峰、明星ヶ岳)」と書いた案内板があります。 この陸橋を渡った正面に「塔ノ峰・明星ヶ岳コース案内図」があるので参考にしましょう。 マップによると、塔ノ峰まで65分、明星ヶ岳までは更に115分となっています。 明星ヶ岳から宮城野までは更に1時間となっていて、全体で約4時間の見当(休憩時間含まず)になります。
草木を折ったり、持ち帰ったりしないようにしましょう。
自分で出したゴミは必ず自分で持ち帰りましょう。
コースタイムは健康な成人男子の標準時間です。あくまで参考として、休憩時間を含めた十分に余裕のある計画をお立てください。
ここから先は自然が相手です。雨具、防寒具や山道用の靴など十分な装備で、安全なハイキングを楽しみましょう。
阿弥陀寺登り口
案内図から右手の階段を登っていきます。 そば・うどん・おでんの「杣の栖(そまのすみか)」を過ぎていきます。 細い道を進み、民家の裏手のような所を過ぎていくと、左上へと続く石段が現れます。 ここが阿弥陀寺登り口です。 右下へほんの少し降りた所に案内標識が立っています。
幅が広くて急な石段を少し登っていくと、1mほどのお地蔵様が立っています。 その昔、阿弥陀寺に詣でる人々にとって、この急な石段こそ修行にかわる功徳と考え、 一段ごとにお経の一節を唱えながら登ったのかも知れません。 そんなことを想いながら、今日これからの散策の安全をお祈りしていきましょう。
石段を更に登っていくと大きな石碑が建っています。 ここで道が二手に分かれています。 どちらへ行けばいいのかしばらく迷っていると、そばに手書きの案内板が倒れていました。 それによると、阿弥陀寺へは右手を指しているように思えて、右手の石段を登っていきます。
阿弥陀寺山門
4分ほど石段を登っていくと、阿弥陀寺の山門があります。 右手には先ほどのと同じようなお地蔵様が立っています。 山門をくぐって更に石段を登っていきます。
4分ほど石段を登っていくと、お地蔵様が沢山並んた所に着きます。 右手には大きな番傘のようなものが建っていました。 休憩処ということなのでしょうか。 その右手に見える舗装道路を登っていっても阿弥陀寺へ着くようですが、 今回は左手に続く石段を登っていきます。
うれしいときには 感謝をこめて
苦しいときには 願いをこめて
反省あるとき ゆるしを乞うて
なむあみだぶつと 唱えます
 (賢世 合掌)
あなたと共に悩み苦しみ
あなたと共に喜び悲しみ
あなたと共に生きる
いのちあるかぎり
 (観音子)
阿弥陀寺
多くの石仏達が立ち並ぶ石段を5分ほど登っていくと阿弥陀寺の本堂に着きます。 この阿弥陀寺は木食遊行僧こと弾誓上人の創建した寺で、 「悲劇のヒロイン」として有名な和宮親子内親王の位牌も祀られているそうです。 本堂の入口には大きな「百万遍轉法輪」というのがありました。 直径1m以上はあろうかという滑車に数珠の紐が通してあります。 この滑車に名前を刻み、数珠の紐を引っ張って滑車を回すことで念仏を唱えたことになるのだそうです。
「塔ノ峰ハイキングコース」の標識に従い、 本堂の右手にあるトイレの脇を抜けていきます。 すぐに道が二手に分かれています。 道標はありませんが、左手の谷筋の道を登っていきます。
ハイカーのみなさんへ
このトイレは阿弥陀寺住職の御協力により、みなさんに開放しています。 トイレ内を汚したりゴミを捨てたりすることのないように御利用ください。
 (箱根町)
岩屋分岐
竹林の中の急な山道を2分ほど登っていくと雑木林に変わります。 クサリの手摺りが設置されている石段を登っていくと、4分ほどで分岐があります。 正面は「修行の岩屋」への道ですが、道標「塔ノ峰40分」に従って右手の道を登っていきます。
雑木林の中を5分ほど進んでいくと分岐があります。 正面の道の方がしっかりとしているようだと思って真直ぐに進んでいくと、 何だか行き止まりのようになっていたので、引返して右手の道を進んでいきます。 こういう場所には道標を設置しておいてほしいものです。
山腹の雑木林の道を進んでいきます。 箱根湯本方向に向かっているように思えるし道標も見当たらないので、 ほんとうにこの道でいいのかと不安になりながらも、芽吹き始めた雑木林の中を進んでいきます。
緑は森呼吸 山火事注意
たばこ・たき火はよく消そう!
 (神奈川県、森林国営保険)
やがて雑木林は桧林に変わります。 その桧林も3分ほどで終わって再び雑木林になると、 先ほどの分岐から15分ほどで「塔ノ峰15分」と記された道標がありました。 この道でよかったのだとひと安心します。 次第に道幅も広がりなだらかになってきます。
火気に注意
たき火・たばこに注意
山を緑に 山火事注意
 (神奈川県)
塔ノ峰 (標高566m)
雑木林の中にアカマツが混じるようになると、道標から12分ほどで塔ノ峰に着きます。 独立したピークではなく稜線の一部という感じの所で、周りは樹木に被われていて展望は得られません。 阿弥陀寺から40分ちょっと登ってきたので、ここで小休止していきましょう。
塔の峰
西インドの阿育(あしょか)大王が仏舎利(釈尊の遺骨)を安置した宝塔の一つが、 この山の中腹、阿弥陀寺の岩屋で見つかったといわれ、この山を塔ノ峰といいます。 山頂には小田原北条氏の出城の跡が見られます。
 (箱根町)
塔ノ峰の右手は「水之尾」へと続く尾根道で、 明星ヶ岳へは道標に従って、広くて緩やかな左手の尾根道を進んでいきます。 ここから明星ヶ岳まで115分とのことです。
山火事注意
守ります 山の緑と 防火のマナー
 (小田原市外二ヶ市町組合)
緩やかに降っていく広い尾根道を快適に歩いていきます。 周囲の木々も芽吹き、若葉が伸びていました。
鳥獣保護区
ここは保護区域です。 鳥や獣を守ってください!
 (神奈川県) 緑は友だち 山火事注意
自然を守りましょう
 (神奈川県、森林国営保険)
塔ノ峰から10分ほど進んでいくと、急に景色が開けてきます。 正面に見える山の上まで登るのかと思うと、少々気が重くなったりします。
林道出合
やがて横木の階段を降るようになると林道に出ます。 この林道は、小田原市の久野地区から箱根外輪山を越えて宮城野へと続いています。 道標によると、ここから明星ヶ岳までは1時間45分とのことです。 まだまだかなりの距離がありそうです。
箱根鳥獣保護区
この区域は鳥獣の捕獲が禁止されております。 鳥獣の保護にご協力をお願いします。
 (神奈川県)
綺麗に咲いた桜の花や新しい若葉を愛でながら広い林道を歩いていきます。 傾斜がなくて歩きやすくていいのですが、 山の上にある舗装道路というのも、ちょっと興ざめしそうな気がします。 振り返ると、今降ってきた塔ノ峰がその全容を現しています。
明星ヶ岳登り口
林道を12分ほど進んでいくと右手に階段が現れます。 ここが明星ヶ岳への登り口になります。 階段の前に「明神ヶ岳・明星ヶ岳コース」の登り口である旨の案内板が設置されています。 また、階段を10数段登った所に、道標と「塔ノ峰・明星ヶ岳コース案内図」があります。 それによると、明星ヶ岳まではあと90分とのことです。
ゴミは持ち帰りましょう
森林にはおいしい水を貯え、災害を防ぐ働きがあります。 ゴミは持ち帰り、緑の森を育てましょう。
 (神奈川県西湘地区行政センター)
山火事注意
火の始末 山に来るたび 歩くたび
タバコの投げ捨てはやめましょう
 (神奈川県小田原市)
階段を登ると右手に広い道が続いています。 防火帯になっているのでしょうか。 最初は緩やかな道ですが、次第に傾斜が増してきます。
送電線の鉄塔を過ぎていくと、登り口から4分ほどで、 左手が開けて展望が広がっている所がありました。 二子山や駒ケ岳などの箱根の中央火口丘の峰々が続いています。 少し山の影に入ってはいますが、冠雪した富士山も綺麗に見えました。
景色を楽しんだら更に登っていきます。 道幅は広いものの横木の階段もあったりして結構急な登りになりますが、 15分ほどで稜線に着きます。 ここからは道標「明星ヶ岳」に従って左手に続く尾根道を進んでいきます。
しばらくは桧林の中の緩やかな尾根道が続きます。 やがて道幅が広がって登りになってきます。
鳥獣保護区
この附近は鳥獣保護区内です。 狩猟は一切できません。
 (神奈川県)
尾根筋に出て15分ほどすると、正面の小ピークを巻くようにして、 左手に笹竹の生い茂る道が始まります。 途中で笹竹が低くなって見晴らしのいい場所があったりします。
笹竹の回廊を4分ほど進んでいくと開けた場所に出ます。 尾根筋が向うの峰まで続いています。 林道から40分ほど歩いてきたので、広い景色を眺めながら岩に腰掛けて小休止していきました。
笹竹が生い茂る広くて明るい尾根筋を進んでいきます。 4分ほどして「明星ヶ岳30分」の道標を過ぎていくと、次第に登りになってきます。
ハイカーのみなさんへ
こ水切りはコースを保護するためのものです。 一握りでも結構ですから土砂の取り除きにご協力ください。
 (箱根町)
三笠山刀利天宮
登りになった道を20分ほど進んでいくと、木の袂に「三笠山刀利天宮」がありました。 箱根御嶽山とも記されていました。 知恵を授けてくださる神様とのことです。 ここから明星ヶ岳の頂上まではあと10数分です。
次第に道幅が広がってくると、見晴らしが良くなっていきます。 中央火口丘の峰々が間近に広がる景色を楽しみながら、 箱根の外輪山の尾根道をゆっくりと歩いていきましょう。 行く手には富士山も見えています。
笹竹に囲まれた広い道が正面に見えてくると、明星ヶ岳の頂上まではあと僅かです。
明星ヶ岳 (標高924m)
次第に傾斜が緩やかになってくると、明星ヶ岳の頂上に着きます。 帯状に長く続く頂上は笹竹や樹木に被われていて、残念ながら展望は余り良くはありませんが、 明るい尾根が緩やかに広がっているので、ここで大休憩といきましょう。 「明星ヶ岳」の標識は、右手に5mほど入ったところに笹竹に囲まれて立っています。 そばには「御嶽大神」の小さな神社もあります。
明星ヶ岳
古期外輪山の一つです。 この山で毎年8月16日夜、大文字焼が行なわれるので、大文字山とも呼ばれています。 大の字の一画は108メートル、二画は162メートル、三画は81メートルです。
 (箱根町)
宮城野分岐
広くて緩やかな尾根道を4分ほど進んでいくと宮城野分岐があります。 ここの道標にも「明神・明星コース案内図」が付いています。 尾根道はこの先も明神ヶ岳へと続いていますが、今回は 道標「宮城野60分」に従って、左手の笹竹の間にひっそりと開いている細い道へと入っていきます。
雑木林を過ぎて桧林を進んでいくと、3分ほどで分岐があります。 テレビの集合アンテナの「NHK宮城野TV共聴」送信線が続く左手の道の方が しっかりとしているように思えますが、ここは右手の道を進んでいきます。 「立入禁止」の看板もあったのですがこの時は側に倒れていて、 どちらが正しい道なのかよく分からない状況でした。
山火事予防
 (箱根町消防本部)
山火事注意
火の用心!
たきび・たばこは確実に消して!
 (森林共済セット保険、神奈川県)
箱根大文字焼
かなり抉れた笹竹の中の道を降っていくと6分ほどで開けた場所に出ます。 正面には富士山が見えています。 眼下の中央火口丘と外輪山の間には、宮城野地区の街並みが広がっています。 ここでは夏になると大文字焼が行なわれるようです。
箱根大文字焼
箱根の3大夏祭りの一つに数えられている大文字焼は、毎年8月16日、 この明星ヶ岳(大文字山)で行なわれます。 この行事は、大正10年、避暑客の慰安のために始められたものですが、 併せて全山の有縁無縁の諸霊を慰める、うら盆の送り火としても行なわれています。 当日は乾燥したシノダケ約350束が並べられ、夜7時過ぎ、花火を合図に一斉に点火されると、 「大」の字が夜空に赤く浮び上がり、見事な夏の風物詩となります。
 (箱根町)
大文字焼を過ぎると、先ほど分かれてきたテレビの送信線が続く作業道の側を 右に左にと交差しながら降っていきます。 かなりの急坂なので、急がずに一歩一歩着実に降っていきます。
たばこの投げ捨て!火事のもと
 (神奈川県)
豊かな緑 山火事注意
たばこ・たき火は完全に消そう!
 (森林国営保険、神奈川県)
宮城野側登山口
J-フォン東京(株)のJPT強羅局のアンテナを過ぎていくと3分ほどで急坂は終わります。 その先の緩やかな横木の階段を降っていくと舗装道路に出ます。 大文字焼の所から30分くらいで降りてこられます。
ハイカーの方へのお知らせ
トイレをご利用される方は、300m先の箱根老人ホーム内のトイレを使用することができます。
 (箱根町)
舗装道路に出たら、道標「宮城野15分」に従って、右手へ降っていきます。 すぐの所で道が左手に分かれていきますが、そのまま真直ぐに降っていきます。
道端ではイタドリが生えていました。 まだ30cm足らずの若い株でしたが、懐かしくなって1本食べてみました。
子供の頃には、もっと大きくて太いイタドリが沢山生えいていたので、よく食べたものです。 表皮はスカンポよりも厚くて、味もそれほど酸っぱくはありません。 茎を折ると「ポン!」といい音がするので「たいぽんぽん」などと呼んでいました。
5分ほど降っていくと車道に出ます。 道標「公衆トイレ・バス停10分」に従って車道を右手へ進んでいきます。 箱根老人ホームを過ぎていくと5分ほどで十字路があります。 左手の金網には「公衆トイレ・バス停」の道標がありますが、 こちらから来た場合には振り返らないと見え難い場所にあります。
宮城野橋
十字路を左折して「八百豊商店」の前を道なりに降っていくと、すぐに宮城野橋が見えてきます。 宮城野橋を渡って左手に行くと、宮城野橋バス停はすぐそこです。
宮城野橋(みやぎのばし)バス停
箱根湯本駅(箱根登山鉄道)まで、箱根湯本駅行きバス,または,小田原駅東口行きバスにて20分、 1時間に6本程度の便があります。