葛城山
散策:2003年05月上旬
【低山ハイク】 葛城山
概 要 葛城山は、城山、発端丈山と共に、伊豆半島の付け根に連なる山々です。 いずれも500mに満たない低い山ですが、駿河湾に浮かぶ富士山のすばらしい展望が楽しめます。
起 点 大仁町 大仁駅
終 点 沼津市 三津バス停
ルート 大仁駅…子育地蔵尊…城山登山口…城山峠…城山…葛城山分岐…葛城山山頂登り口…葛城山…益山寺分岐…発端丈山…展望台…三津バス停
所要時間 5時間40分
歩いて... 伊豆半島の西側に連なる山並はいずれも標高は低いですが、 駿河湾を挟んで間近に見える富士山はすばらしいです。 春は霞がかかってぼんやりとしていますが、空気の澄んだ冬場なら、きっと綺麗に見えることでしょう。
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コース紹介
大仁(おおひと)駅
三島駅(JR東海道線)から、修善寺行き電車(伊豆箱根鉄道)にて26分、 1時間に4本から5本程度の便があります。
今回は「城山・発端丈山ハイキングコース」を歩きます。 城山、葛城山、発端丈山と順に訪ねていきます。
葛城山
葛城山(かつらぎやま)は、城山(じょうやま)、発端丈山(ほったんじょうやま)と共に、 伊豆半島の付け根に連なる山々です。いずれも500mに満たない低い山ですが、 駿河湾に浮かぶ富士山のすばらしい展望が楽しめます。
大仁駅を出て、三島駅へ戻るように左へ行き、更に左折して踏み切りを渡ります。 国道136号に出たら、左折して狩野川(かのがわ)大橋を渡ります。 渡りきってカーブ手前の所から右手に入っていくと、正面に城山の大岩壁が迫ってきます。
田んぼの中の道をまっすぐ進むと、山田川に架かる小室(おむろ)橋が正面に見えてきます。 橋を渡り、広めの舗装道路を右方向に進んでいきます。
子育地蔵尊
しばらく行くと、道路脇に子育地蔵尊があります。
子育地蔵尊
寛政10年(1798)に書かれた「神益中嶋村絵図」に、 小室の地蔵の文字が見られ、すでに江戸時代の中期には、このお地蔵様が存在していた事が分かります。 ここには、岩肌に彫られた大きなお地蔵様を中心にして、200体余りの可愛らしい小地蔵様があり、 「子授け地蔵さん」として広く知られています。 子供のいないご夫婦が訪れ、「願掛け」をして一体を借り受け、願いが成就すると、 もう一体を添えてお礼参りに来るといわれます。 小室地区では、このお地蔵様を大切に守ってきました。 今でも毎月23日の「地蔵の日」には、地元の人たちにより、清掃と供養が行われています。
弘法大師伝説
弘法大師(僧空海)の伝説は、全国各地に残されていますが、伊豆においても、修善寺「独鈷の湯」に 代表されるような伝説があります。 この子育て地蔵尊にも、弘法大師伝説があります。小室の場合、大師がここを訪れた時、 子供のない夫婦の悲願を聞いて地蔵を供養させたところ、間もなく子宝に恵まれたといいます。
 (大仁町教育委員会)
城山登山口
子育地蔵尊を過ぎて5分ほど行くと、城山登山口があります。 城山ハイキングコースの大きな案内板や城山の解説板があります。
城山案内
この城山は、富士・箱根・伊豆国立公園に属し、静岡の自然100選に選ばれております。 岩塊を隆起するこの山は、標高342m。懸崖は280mにもおよび、ロッククライミングの ゲレンデとして魅力ある名所となっております。 城山峠からのハイキングコースは誰でも手軽に登ることができ、 山頂からは、眼下に狩野川を、遠くに富士・箱根・天城連峰を一望することができます。 この大仁のシンボルを大切に、みんなで楽しく安全に登って下さい。
 (大仁町)
南壁入口
岩ゴロゴロの広めの道を登っていくと、4分ほどで正面にまっすぐな岩壁があります。
途中で、ハイキングルートとロッククライミングルートに分かれますが、 ハイキングルートを登っていきます。
岩登り心得
1. 城山の岩壁は南壁、東南壁、北壁に大別され、 特にこの南壁はホールドスタンスにとぼしく、主タルルートは人工登攀と 部分的なフリー登攀から成り立っています。 1ピッチで各自の技量を充分確認して、次の行動に対する判断を誤らないようにし、 決して事故を起こさないようにして下さい。
2. 登攀中の人工落石には充分注意し、誤って落とした時は、必ず大声でコールして下さい。
3. 技術的にすぐれた登山者であっても、山を汚す登山者であっては何にもなりません。 登山者は自分達の出したゴミ類は必ず持ち帰り、山の美化に入山者各位が 自覚を持つことを強く訴えます。
 (大仁町)
桜ヶ丘
少し開けた所にある桜ヶ丘です。 展望はありませんが、ベンチが設置されているので、小休止していきましょう。
城山峠
桜ヶ丘から5分ほどで鞍部の城山峠に着きます。 正面は葛城山への道ですが、先ずは、右折して、城山を目指します。
コースは次第に岩肌が目立つようになります。 岩盤の上の薄い土に生えている雑木林の中を登っていきます。 途中で、ロッククライミングルートと山頂方面に分かれる分岐がありますが、 山頂目指して進んでいきます。
城山
城山峠から15分ほどで城山山頂に着きます。 城山の山頂は8畳敷きほどの広さしかありませんが、 270度ほどの展望が広がり、眼下の街並みや富士山や伊豆の山々が見渡せます。
この日は天気はよかったのですが春霞がかかっていて、 残念ながらぼんやりとしか見えませんでした。
城山峠まで戻り、右折して葛城山を目指します。 しっかりとしたなだらかな道が続きます。
8分ほど進むと林道にでます。 左へ行くと、すぐの所に、葛城山へのハイキングコースの登り口があるので、 その細い山道を登っていきます。
葛城山分岐
ひと登りすると尾根道になります。 10数分行くと鞍部に着きます。ここが葛城山分岐です。 発端丈山はここを真っ直ぐに進んでいきますが、 葛城山へは、右へ戻るようにして続く道を降っていきます。
数分降っていくと林道に出ます。 ここを右側に少し登り気味に進んでいきます。
道幅3mほどの快適な林道が続きます。 所々、樹木が途切れて視界が広がります。
葛城山山頂登り口
8分ほどで葛城山山頂への登り口に着きます。 林道と別れて、細くて急な山道を登っていきます。
20分ほどの急登で、「かつらぎ山パノラマパーク」の一角に着きます。 葛城山山頂一帯は、小動物や遊戯施設が整った公園になっています。
園内には「森の散歩道」が整備され、ツツジの花で綺麗でした。 各所に解説板が設置され、森のことを学びながらの散策が楽しめます。
森の散歩道
さえずりの丘に至る約250mの散歩道には、森の植物や動物を解説した自然観察説明板や 樹木名板などがあり、ハイキング気分を味わいながら、かつらぎ山の自然を学ぶことができます。 さえずりの丘に登ると、眼下に狩野川や箱根から天城連山に至る雄大な景色も楽しめます。 また、さえずりの丘より先は、1周約15分のこもれびの小径(自然観察路)へと続き、 ウバメガシ林やミツバツツジの群生地を観察することができます。
1.植物と動物のすてきな関係
植物は、光りと水と養分と二酸化炭素から炭水化物を作りエネルギーとし、 酸素をはき出します。動物は、その炭水化物を食べ酸素をすい、 化合させてエネルギーにし、二酸化炭素をはき出します。 植物と動物は、たがいにはき出しあったもので、命をささえています。 この循環は1億5千万km離れた太陽のエネルギーによって維持されているのです。
2.森は酸素の工場だ
植物は、自分活動に必要な炭水化物をつくり出すとき(これを光合成と言います)、 私たちに必要な酸素をはき出します。 そのはき出す酸素の量は、ひとかかえぐらいのブナの木一本で、1時間に子供約80〜90人分の 量を出すと言われています。森は酸素をつくる大切な工場なのです。
3.森は緑のダム
森にふった雨のうち、約30%は太陽のエネルギーで蒸発してしまいます。 約40%は小川から川へ、川から海へと流れくだります。 残りの約30%は、土の中にしみこみ地下水になったり、森にたくわえられたりします。 森はどのくらいの雨をたくわえているのでしょうか? それは、水源地の森1ha(100m×100m)で、約8000トンと言われています。 25mプール約20個ぶんです。
4.森は私たちを守っている
森に降った雨は木の葉が雨を受けとめ、落ち葉のおおいが土を守り、 根がしっかりと土をささえているので、土が流れ出たり、山がくずれたりするのを 防いでくれています。スギやヒノキの人工林よりも、落ち葉の量や下草の多い広葉樹林のほうが、 土が流れでたり、山がくずれるのをふせぐ効果があります。
5.森林浴しましょう
森の中では心がやすらぎ、すがすがしい気持ちになります。 これはフィトンチッドの働きです。植物は虫や細菌に襲われると、この物質を出して自己防衛しますが、 人にはとても良い効果があります。「きこりに病なし」と昔から言います。 杉の葉や竹の皮が生き物の腐りを遅らせたり、笹だんご・桜餅・柏餅・柿の葉ずしなども、 この効果を利用したものです。
6.野鳥は森を救う
野鳥は、木の葉や幹を食い荒らす虫を食べて、森を守っています。 シジュウカラが一年に食べる虫の数は、3cmの毛虫に換算して約12万5千匹、 キツツキ類のアカゲラが一冬に食べるカミキリの幼虫は、約2千8百匹と言われています。 近年、ゴルフ場や植林地の害虫駆除に、農薬を使わず野鳥を誘致して退治することが 試みられています。
7.雑木林と植林地
雑木林は、高木・中木・低木・下草など、いろいろな植物が生息しています。 そして、それらを「エサ」や「すみか」にする動物もたくさん住んでいます。 それに比べ、スギやヒノキの植林地は下草や動物もごく限られたものした住んでいません。 しかし、木材を生産するという別の目的があります。どちらも大切な森なのですが、 土壌動物(ミミズ・ワラジムシ・ヤスデ等)を例に、その数を調べてみると、 雑木林と植林地では、雑木林の方が約3.5倍の土壌動物が住んでいます。
ツツジの花に囲まれた道を少し行くと、葛城山の山頂です。
葛城山
山頂の展望所からは富士山や伊豆・箱根の山々をはじめとした360度の展望が広がります。
葛城山の由来
標高452mの葛城山山頂付近には、古くから葛城神社が祀られておりました。 この葛城神社の由来は、平安時代の醍醐天皇の御代にできた延喜式神名帳(官社名を記した帳簿)に 全国の神社のうち2861社を官社(官社とは神祀官から朝廷の幣帛(贈り物にする品、神にささげるぬさ等)を 奉る神社のこと)として神名帳に載せ待遇したとあり、この中に伊豆国田方郡廿四座倭文神社というのが 記されています。この神社が葛城神社であると言われております。この神社の本社が大和国葛城下郡 倭文座天羽雷命神社であることから、やがて葛城神社と呼ばれるようになり、 さらに、葛城山と称するようになったのではないかと推測されます。 葛城山は、別名、寝釈迦山とも呼ばれていますが、これは横臥した涅槃仏に似ていることから ついた名前です。
葛城山の歴史
伊豆長岡町は、源頼朝が伊豆に配流された時のゆかりの地でもあります。 源氏再興に係わる史跡や伝説も沢山残っています。 この葛城山にも頼朝が鷹狩りをしたといういい伝えがあり、 山頂には若き日の源頼朝鷹狩の像があります。 また、戦国時代の葛城山付近は、伊豆国、駿河国の国境線で、北条氏と武田氏が幾たびか 戦いをした場所です。北条氏が小田原の本城を守るため、城山〜葛城山〜発端丈山に 狼煙台を設け、武田勢の進撃をいち早く発見するのに役立てました。 当時の間道(連絡路)が葛城山ハイキングコースとして残っています。
葛城山の自然
葛城山には、約35,000本のつつじが植栽されています。 毎年4月下旬から5月中旬にキリシマツツジ、クルメツツジ、オオムラサキツツジ、 リュウキュウツツジ、ヒラドツツジなどが一同に咲き乱れ、訪れる人を楽しませてくれます。 また、葛城山付近には、伊豆地方で見られる自然がたくさん残っています。 ウバメガシ、ヤブニッケイ、アオキを主とする樹林やスギ、ヒノキの植林地。 そして、メジロ、ホオジロ、ウグイス、シジュウカラ等の野鳥の宝庫です。 山頂には、動植物の観察ができるように自然観察路や、バードサンクチュアリ(野鳥の聖域)が 整備されています。
駿河湾の向こうに、裾野まで広がる雄大な富士山の姿が見られますが、 春霞のため、くっきりとは見られなかったのが残念です。
ロープウェイ
葛城山へは麓から伊豆長岡ロープウェイで、7分ほどで登ってくることができます。 伊豆長岡駅(伊豆箱根鉄道)から伊豆箱根バスの三津シーパラダイス行きで10分の 役場前バス停で下車すれば、ロープウェイ乗り場はすぐです。
みはらし茶屋
みはらし茶屋では、ドリンク類などの他に軽食も摂れます。
葛城神社
葛城山山頂付近には、古くから葛城神社が祀られていました。 この神社の本体が大和国葛城下郡倭文座(シトリザ)天羽雷命(アマハツチノミコト)神社であることから、 葛城神社そして葛城山とよばれるようになったと言われています。 祭神は倭人部(シトリベ)の神である萬幡豊秋津師比命(ヨロツハタトヨアキツシヒメノミコト)で、織物の神様です。
古来より、この山頂に葛城山神が祀られ、災厄除去の神として、人々から崇敬されておりました。 また、当山は今から約1300年前には修験道の開祖役行者(役小角)の修験霊場としても栄え、 あるいは、約600年前には金山城が築城されて古戦場となるなど、多くの由緒をもった山であります。 この霊山に昭和37年ロープウェイを建設するにあたり、期せずして神社再建の声がたかまり、 信仰あつき有志の方々の浄財を以って、当会社創立5周年を迎えるを機会に、 葛城神社を再建し、これを記念して碑を建て、寄進者の後厚意を永く後世に伝えんとするものであります。
百体地蔵
このお地蔵様は昔から導き地蔵として地元の人々により信仰されております。 それぞれのお願いごとを「胸掛け」に書いて奉納して下さい。 また、「お願い地蔵」にも願掛けをしてお供え下さい。 霊験あらたかなご利益があります。 なお、奉納された「胸掛け」「お願い地蔵」は毎年9月24日に行われる例大祭の時に 念仏して懇ろにご供養させていただきます。 合掌
葛城山頂からは、いま登ってきた急坂を降り林道を通って、先ほどの葛城山分岐まで戻り、 発端丈山を目指します。
益山寺分岐
葛城山分岐から18分ほど尾根道を行くと、長瀬・益山寺への分岐に着きます。
分岐を直進して正面の広めの道を登っていくと、5分ほどで4等三角点のあるピークに着きます。
ピークを過ぎ、新緑の木々に囲まれながら、ゆるやかな尾根道を進み、 最後に急坂を登ると発端丈山の山頂です。
発端丈山
発端丈山の山頂はそれほど広くはありませんが、 振り返ると葛城山の山頂が、正面には駿河湾越しに雄大な富士山が一望できます。
発端丈山からは、三津バス停を目指します。 4分ほど行くと、長浜・三津中央口と三津北口への分岐があります。 左手の「長浜・三津中央口」が示す細い山道の急坂を降っていきます。
途中で木々が途切れて視界が開け、淡島が浮かぶ駿河湾の向こうに、 富士山が綺麗に見えるところがあります。
展望台
さらに10分ほど降っていくと展望台があります。 ちょっと休憩して、眼下に広がるすばらしい眺めを堪能しましょう。
注意
かけがえのない自然を大切にしましょう。
ゴミは持ち帰りましょう。
タバコの吸がら注意しましょう。
展望台から20分ほど降っていくと、長浜と三津中央口への分岐があります。 右手の「三津中央口」を目指し、更に山道を降っていきます。
8分ほどで、谷あいの果樹畑に出ます。
三角に尖った淡島を正面に見ながら、コンクリート道路を降っていきます。 気多神社の境内を抜けて真っ直ぐに行くとバス道路に出ます。 道路を渡ると、三津バス停はすぐそこです。
三津(みと)バス停
沼津駅(JR東海道線)まで、沼津駅行きバスにて45分、 1時間に1本程度の便があります。 三津バス停のすぐ側にある三津郵便局前バス停から、 伊豆長岡駅(伊豆箱根鉄道)まで、バスで行くこともできます。 1時間に2本程度の便があります。