七沢森林公園
散策:2003年03月下旬
【低山ハイク】 七沢森林公園
概 要 七沢森林公園は丹沢の南東部にあり、広い丘陵の公園です。 里山の風景を残した園内にはいくつもの散策路がめぐり、木々の鮮やかな四季の変化が楽しめます。 山あり・谷あり・沢ありと変化に富み、公園散策というよりも、そのまま山歩きをしているような感じです。
起 点 厚木市 小野宮前バス停
終 点 厚木市 七沢温泉入口バス停
ルート 小野宮前バス停…小野緑地…高松山…七沢森林公園(南口)…尾根のさんぽ道…沢のさんぽ道…七沢森林公園(正面入口)…森の民話館…七沢温泉入口バス停
所要時間 4時間40分
歩いて... 山あり・谷あり・沢ありと変化に富み、公園散策というよりも、そのまま山歩きをしているような感じです。 どのルートもよく整備されていて、快適な散策が楽しめます。 豊かな森では野鳥や小動物が生息し、道筋に咲く野花に出会うこともできます。
関連メモ 愛名緑地, 白山, 下古沢尾根
コース紹介
小野宮前(おのみやまえ)バス停
本厚木駅(小田急小田原線)の北口から海老名寄りへ少し行った所にある厚木バスセンターから、 [厚33][厚34]上谷戸行きバス、[厚38]広沢寺温泉行きバス、[厚39]神奈川リハビリ行きバス, または,[厚40]小野行きバスにて20分、 1時間に2本程度の便があります。
[厚33][厚34]上谷戸行きバスは、2006年12月のバス停の名称変更により「七沢行き」になりました。
バス停から、道路の向かい側にあるレストラン「海彦」の脇を抜けていきます。 正面にはこんもりとした小町緑地が広がっています。 宅地化が進む中にも、まだ畑が残っています。
枝に鈴なりに花が咲いている梅の木がありました。 ちょっと珍しくて写真に収めてしまいました。 遠目には猫の手のような感じもします。
小町緑地
しばらく進むと、小町緑地の入口があります。 小町緑地の谷筋には、児童広場、小広場、多目的広場があります。 尾根筋には、見晴らしの丘、秋葉神社、果実の森、小町神社があります。 一周で30分ほどですので、時間があれば、緑地内を散策してみましょう。
旧玉川
旧玉川は、大山の東側が源で、農業用水として大きな役割を 果たしましたが、関東大震災後は、降雨のたびに河床が高くなり、 たびたび氾濫して被害が続出した。 かっては、美田を潤した川が人命を奪う魔の川となったので、 昭和19年に新玉川が造られた。 (この玉川は相模川の支流です)
小町神社
小町緑地の入口の左手にある「高松山ハイキングコース・小町神社へ」の 道標に従って少し登っていくと、小町神社に着きます。 神社の縁起を書いた説明文を読んで昔に想いを馳せた後、さらに上へと登っていきます。
小町神社
平安初期の歌人として、また美人として有名な、小野小町の出生地と言われています。 これが小町姫を祭る小町神社です。毎年4月21日が祭日になっていて、 かつては近在からの人出で大いに賑わったようです。 鎌倉時代、源頼朝の側室丹後の局は頼朝の子を身ごもったことから、 政子に恨まれて諸兄されそうになりました。 それを命じられた畠山重忠(鎌倉初期の武将)の家人本田次郎が心をひるがえして局を連れて、 難波(大阪)へ逃げるという事件が起こりました。しかし、一説では、地元の豪族愛甲三郎季隆が 局をかくまって、この山里に住まわせたと言い伝えられています。 丹後の局は政子の恨みのためか、精神的苦しみからか、今までの黒髪が一夜にして 老婆のような白髪に変ってしまいました。非常に悲しんだ局は小町神社の祭神の 小町姫にお願いをして数日間祈願を続けたところ、不思議なことに、 白髪がまた元のように黒髪に戻りました。それ以来、小町神社には絵馬をあげ、 いろいろな願いをこめて参詣する女の人が多くなりました。
 (厚木らしさの創造推進事業玉川地区協議会)
小町神社縁起
この小町神社は、その昔鎌倉時代、丹後の局という世にもまれな美人がおり、 ひそかに源頼朝のご寵愛を受け、終に局はみごもりました。 これを知った夫人政子は大変ねたみ、畠山重忠に局を由比ガ浜で首をはねよと命じました。 重忠は下臣の本多次郎に命じ、局を浜へ伴い殺そうとしましたが、 局の身を哀れみ、身代わりを立て、その場をつくろい、乳兄弟で小野の住人川上酒匂の 屋敷にかくまい、局を助けました。然し、いつとはなく、その事が政子の耳に入り、 その怒りは骨髄に徹する程激しく、局は俄かに白髪の姿になってしまいました。 局は心を静め考えた末、「俤のかわらで年の積れかし、たとえ命に限りあるとも」という 古歌を短冊に書き、身心を清め、17日間一心に小町姫を祈った処、 満願の日に元の黒髪に戻りました。局は霊験の尊さを感じ、小野の林中に小町神社を 建てました。それ以降30歳以下の男女で白髪の人が心厚く小町神社へ祈ると黒髪に変り、 遠方の人々も参詣に来る様になりました。その後、局は泉州住吉で玉の様な男子を産みました。 その子が後の薩摩の島津家の先祖だと人々は伝えています。
 (伝者 別当 小野山宮野院)
小野小町の七不思議
 ・小町の片葉松
 ・小町海苔
 ・業平竹の自生
 ・化粧塚
 ・小町の化粧池
 ・小町の竹橋
 ・小町の石橋(一説には小町井戸)
果実の森からの道を合わせ、秋葉神社のあるピークを目指します。 木道の急な階段がしばらく続きます。
お願い
草花や木を取らないで! 小町緑地の自然は、市民共有の貴重な財産です。 緑地内の動物や植物をみんなで大切に守り育てましょう。
 (厚木市)
育てたい 山へのマナー 火の始末
 (厚木消防署 南毛利分署)
秋葉神社からは、道標に従って、「愛名緑地、高松山」の方向へ進みます。 よく整備された明るい尾根道が雑木林の中に続きます。 尾根道を歩くこと10数分で高松山山頂に着きます。
高松山 (標高146.5m)
高松山の山頂は広くなっていて、ベンチなどが設置されています。 山頂を取り巻くお中道も巡っています。
ここは高松山緑地保全地域です。 あじさいとつつじが植えてあります。 皆さんで大切に育てましょう。
 (愛名友話会)
鷹舞ふや 山河ひかりを 荒くせり
高松山は150m足らずの低い山ですが、山頂からは厚木の街並みが一望できます。 山頂には高松大明神の碑があります。 正保2年に、山頂から愛名地区へ遷座し、諏訪神社と改称されたようです。
高松山山頂から、雑木林の中に続く道を降っていきます。 愛名緑地と七沢森林公園との分岐を示す道標の所を曲がり、七沢森林公園を目指します。
後日に愛名緑地への道を歩きました。(「愛名緑地」, 「下古沢尾根」を参照)
さらに降っていくと、大学や研究所などが並んでいる森の里青山に着きます。 左手に車道を降っていくと若宮橋があり、その先に大きな調整池があります。
七沢森林公園(南口)
調整池を左にまくようにして森の里の住宅街の坂道を登っていくと、 やがて七沢森林公園の南口に着きます。
入園者へのお願い
 ・捨てないで。ゴミは必ず持ち帰って下さい。
 ・たき火や花火など、火を使うことはできません。
 ・犬はクサリにつないで。フンの始末も忘れずに。
 ・他人の迷惑にあるあそびや行為はやめましょう。
 ・植物を折ったり、動物をいじめたりしないで。
 ・山林や立入禁止の区域に入らないで下さい。
 ・公園内は狩猟禁止です。
 ・小さなお子さんには、保護者が同伴して下さい。
この他、みんなが安全、快適に利用できるよう、禁止されている行為や、 許可を必要とする行為などが定められています。
尾根のさんぽ道
園内を南北に貫く「さとの道」から「尾根のさんぽ道」を歩きます。 明るい尾根道はよく整備されていて、歩きやすくなっています。 クヌギ・コナラなど自然林の樹間を縫う散策道で、 小町緑地や高松山の雑木林と同じような風景が続きます。 今は新興住宅地「森の里」で分断されていますが、以前にはひとつにつながっていたのでしょう。
展望デッキ
尾根道には2ヶ所に展望デッキが設置され、 いま歩いてきた小町緑地を始め、鎌倉、三浦半島、江ノ島、相模湾までが一望できます。
巡礼峠
どんどん尾根道を進んでいくと、やがて巡礼峠に到着します。 峠では伝説を秘めたお地蔵さんが出迎えてくれます。 この峠は関東ふれあいの道のコースにもなっています。
昔、順礼の老人と娘がこの峠を通りかかったとき、松の木に潜んでいた悪者に斬殺されてしまいました。 翌朝無残な姿を発見した村民は哀れな順礼のために、地蔵尊を建立し供養したといいます。 古くは、巡礼者(坂東三十三ヶ所順礼)が通る順礼道と、 飯山観音裏山の白山から尾根伝いに通じる道が交わるこの峠は、 休憩的な意味で建立されたといわれています。 塔身(角柱部分)は、享保8年(1737)作。 戦国時代、順礼峠の南西2キロメートルのところにあった七沢城を北条氏が攻めた時、 北条の隠密が順礼姿でここから七沢城内の様子をうかがったといわれています。
森のアトリエ
巡礼峠から少し下った所の「さくらの園」に、森のアトリエがあります。
季節ごとに彩りをかえる美しい木立に囲まれた森の小さなアトリエは、 里に伝わる自然の素材を生かした陶芸や木工芸など工芸活動の場となっています。 陶芸や楽焼きを通して土の温もりに触れ、一つの作品を作り上げる充実した時間を過ごしていただけます。 利用者の皆さんの創意工夫により多目的にご利用いただき、森や里の文化を体験していただけます。 また、作品を展示するギャラリースペースもありますので、合わせてご利用ください。
 (七沢森林公園管理事務所)
沢のさんぽ道
巡礼峠からは、小さな沢沿いにさんぽ道が続いています。 吊り橋のような形の橋もあったりします。 沢のせせらぎを聞きながら降っていきます。
森のかけはし
沢が終わってしばらくいくと、「森のかけはし」が車道の上に架かっています。 アーチの優雅なデザインが周辺の自然にひときわ映えるシンボルゲートです。 橋の上からは、公園の正面入口の管理事務所が見えます。
七沢森林公園(正面入口)
七沢森林公園の管理事務所には、森の民話館が併設され、七沢の昔からの民話を今に伝えています。 ここから車道を5分ほど降ると、七沢温泉入口バス停に着きます。
森の民話館
この森の民話館は、公園の案内を行うと共に、里山の暮らしの中でうまれ伝承されてきた民話の 紹介や、往時の生活に使用された民具などを展示し、これらを通して新たな自然との対話を 求めようとするものです。
 (七沢森林公園管理事務所)
立体紙芝居
ここでは、七沢に伝わる民話を上演しています。 この時は「てんぐの神かくし」という話で、20分間くらいでした。 舞台の右手のお婆さんを模した人形が、糸車を廻しながら話をします。 舞台の左手にある窓が開いて操り人形などが登場します。 何層にも奥行きのある場面が設定され、まるで本物の舞台のような感じがする「立体」紙芝居です。
日曜
祝祭日
1回目 09時00分 5回目 13時00分
2回目 10時00分 6回目 14時00分
3回目 11時00分 7回目 15時00分
4回目 12時00分 8回目 16時00分
平日 1回目 10時00分 3回目 14時00分
2回目 12時00分 4回目 16時00分
てんぐの神かくし
天狗は、長く大きな鼻、まっ赤な顔、長い白髪をして、 羽うちわによって自由に空を飛び、深い森に住む想像上の妖怪とされています。 山の中で起きる不思議な自然現象は、天狗のしわざであると信じられていました。 「神隠し」というのは、人がある日突然、姿を消してしまうことをいい、 これも天狗のしわざとされてきました。天狗は感情が激しく、怪力をもっているので、 山の村人たちの間では恐れられていますが、このお話には、陽気でおおらかな天狗たちが 登場します。これは、天狗たちの住まいである豊かな大きな森を、 人々が大切にして荒らすことなく暮らしていたからではないでしょうか。
火を運んだオオカミ
大昔には、大きくてとても立派な森がたくさんありました。 森は、そこに住むさまざまな生き物たちに、いろいろな食べ物や安全な棲みかを与えてくれました。 人も森の仲間として、動物たちと家族のように仲良く暮らしていました。 その頃の人々のとって「火」は、ほかの動物たちと同じようにとても恐ろしいものでした。 この話は、そんな火を、どうやって人は手にしたのかを語っている昔話です。 人は、火を手にしてからは、すぐれた知恵によって、火を巧みに使いこなし、 豊かさを求めて文明を築いてゆきました。文明の進歩と共に森は切り開かれ、 動物たちは次第に棲みかを追われてゆきます。 このお話から、人が、森や動物たちと仲良く暮らしていた頃の森の様子を 思い起こしてみましょう。
これらの民話以外にも、小さな専用モニタがいくつか設置されていて、 それぞれの民話を見ることができます。
農作業の道具たち
これは米を選別するための道具で、実家にもこれとほとんど同じ物がありました。 上から米を入れ、右の円いところの取っ手を廻して風を起します。 実入りのいい米は重いのですぐ下に落ちますが、実入りの悪い米は軽いので左から 外へ吹き飛んでいきます。
実家では、秋になると土間で農作業をしていました。刈り取った稲を稲木に架けて乾燥させた後、 家に持ち帰って脱穀します。電動式の脱穀機でゴーゴーと音を立てながら脱穀しました。 脱穀するときに細かい塵が飛び散るので体がかゆくてたまらず、すぐに街の温泉へ行ったものです。 脱穀した米は俵に入れ、畳を上げた居間に山のように積んで一時保管しました。 その俵の山に登ったり隙間に潜ったりして一人で遊んだことを思い出します。
日本の民家
民家の模型が展示されていました。 各棟はそれぞれ50cmほどの大きさで、本物そっくりによく出来ていました。
製作者からの一言
古き良き時代の農村の民家を作ってみたいと思っていたところ、 たまたまテレビで、飛騨の合掌づくりの家が放映されたのを見て、 イメージを膨らませながら作ったものです。 昨年の12月から作成を始めて、今年の5月までに3棟を完成させました。 約1ヶ月で1棟が完成できます。
 (製作者 厚木土木事務所 職員)
バス停へ向かう車道のそばには、田畑が広がっています。 森の民話館で昔話を聞いた後では、いつにも増して趣きを感じます。
子供の頃、田んぼのあぜ道を歩いていたら、道一面に何やら動くものがいました。 何だろうと思って近づいてみると、子ガニのおびただしい大群でした。 人の気配を察して一斉にサーッと四方へ散っていく様子がとても印象的で、 今でもはっきりと思い出します。
七沢温泉入口(ななさわおんせんいりぐち)バス停
本厚木駅(小田急小田原線)まで、厚木バスセンター行きバスにて25分、 1時間に2本程度の便があります。 伊勢原駅(小田急小田原線)と愛甲石田駅(小田急小田原線)へも、 それぞれ1時間に1本程度の便があります。