毘古コラム(7)
毘古コラム (散策していて興味を引かれた事などを綴っています)
見張り番
四谷不動の傍にある大きな鳥居に掲げられていた扁額です。
文字が書かれたものはよく見かけますが、このような顔の扁額は珍しく思いました。
江戸時代からある古い扁額のようで、鼻の先の部分が少しかけています。
目尻を吊り上げ、口をへの字に固く結んで、鳥居を通っていく人間達を睨み付けています。
傍に安置されている大山不動尊とは顔付きが違うようだし、
山伏や烏天狗がしているような頭巾を頭に付けていてるので、天狗なのでしょうか。
不遜な輩が大山へ入ってこないように、見張り番をしているように思えてきました。
天狗の怒り
高尾山の南側に続く尾根道から少し外れた所の展望地で見かけました。
ベンチの脇に立つ柱に取り付けられた10cmほどの天狗の顔の像です。
目の部分がネジ止めされていて、瞳のようになっていました。
口を横に大きく開けて、歯を力一杯食い縛り、
眉を吊り上げ眼を大きく開けて、睨みつけているような表情をしています。
鼻の頭は欠けていますが、当初は付いていたのでしょう。
高尾山系の自然を壊す者がいないかと見守っているように思えてきます。
樹上の砦
森の中の散策路で見かけました。
下の道に迫り出すようにして曲がりながら生えている樹木に板が渡されています。
四隅を固定したりもして、樹上のログキャビンの作りかけのようにも思えました。
木の曲がり具合が丁度良くて、人が座れそうな雰囲気です。
上に渡した板は二階にするのか、天井になるのでしょうか。
子供の頃に憧れたログキャビンの完成が待たれます。
何だかワクワクする気持ちが湧いてきて、好奇の目でしばらく見つめていました。
蔓のネックレス
庭園で見かけた蔓性植物です。
老木の幹をぐるりと取り巻いていました。
自然に巻き付いたのでしょうか、それとも人手で巻き付けたのでしょうか。
葉が規則正しく並んでいて、まるで老木を飾るネックレスのように思えました。
陽の当たり具合が違うからなのか、少しずつ葉の色が変わっていて、
綺麗なグラデーションを現していました。
素晴らしい自然からの贈り物のように思えて、しばらく愛でていました。
ベロタクシー
大桟橋へ向かっていくと、キーコ・キーコと音をさせながら緑色の車両が走ってきました。
見慣れない車だが何だろうと思っていると、山下公園の入口で止まって客が降りました。
どうやら客を運ぶタクシーみたいなもののようでした。
後で調べてみると、ドイツ発祥の「ベロタクシー」と云うのだそうです。
日本では関西方面を中心に走っていて、横浜では2007年3月に登場し、
元町からみなとみらい21地区にかけて運行しているようです。
ベロ(velo)とはラテン語で自転車の意味で、足でこぎながら走らせる三輪車です。
吹き抜け構造になっていて爽やかそうですが、雨の日などはどうするのでしょうか。
シュロの神殿
散策の途中で見かけたシュロで編まれた植木鉢です。
半球形をしていて、庭木の枝からシュロの紐で吊るされていました。
植えられているのは、日本で古くから栽培されている「紅木田」という蘭の一種のようです。
多肉植物のような感じの蘭を見ていると、鉢の方が気になりだしました。
どこかで見たような形だと思って考えてみるに、
漫画「ドラゴンボール」のカリン塔の上に浮かぶ神殿にそっくりなのです。
吊るされてはいるものの空中に浮かんでいて、正に神が住む神殿そのものなのでした。
一心同体
山道の脇で見かけた寄り添うように生えている木です。
二つの木が根元の近くでお互いに根を伸ばしています。
単に接しているのではなくて、まるで一つの木のように繋がっているようです。
中の維管束なども繋がっていて、水分や養分などが行き来しているようにも思えます。
元々ひとつだった木が、苗木の頃に根本辺りから分かれたのでしょうか。
それとも、すぐ傍に芽を出した二つの木が生長過程で合体したのでしょうか。
いずれにしても正に一心同体、仲のいい夫婦のようにも思えてきました。
往く夏
海辺で見かけた二つ並べて置かれたデッキチェアです。
賑わっていた海岸も、秋口になってひっそりとしています。
そんな岩場に静かに佇んで、往く夏を惜しんでいるかのように思えたりもしました。
この椅子にはどんな人達が座っていたのでしょうか。
今年の夏は楽しかったね、来年はどんな夏にしようか、などと話し合っている若者でしょうか。
それとも、若かった時代の追憶を楽しむ老夫婦なのでしょうか。
夏の終りは、何だか物寂しい感じがしてきます。
水子小僧
お寺で見かけた水子地蔵の前に佇む15cmほどの石像です。
小さな掌を胸の前で合わせて数珠を架け、一心に祈っています。
水子の霊が具現した姿なのでしょうか、
それとも水子に代わってお祈りしているお寺の小僧さんでしょうか。
目を閉じた面立ちは幼く、ふっくらとした頬で穏やかな表情をしています。
胸には迫る 歎きあり 母には母の 涙あり
この世の縁は 浅くとも 深く契らん 次の世に
南無や能化の 地蔵尊 なむやのうけの じぞうそん
樹上の陣地
川沿いを歩いていると、道端の木に登っている子供達を見かけました。
地上から2〜3mほどの高さで、何やらワイワイと喋りながら遊んでいました。
男の子に混じって女の子も枝に跨っていて、自分達だけの陣地のようでした。
昔は木に登ってよく遊んだりしたものですが、最近ではあまり見かけなくなりました。
ここの子供達を見ていると、遠い子供の頃を懐かしく思い出したりします。
葉が沢山茂っているので見つからないだろうと思っていても、
ちょっとした音や話し声でも下からはよく聞こえて、すぐに見つかってしまったものです。
小雨に佇む鳩
小雨が降り出したちょっとした広場で、鳩が濡れながらジッと佇んでいました。
それ程激しい雨ではありませんでしたが、頭や胸などの羽が濡れて何とも寒そうなのでした。
すぐ脇まで近寄っていっても逃げていくこともありませんでした。
心なしか視線は空ろで焦点も定まってはおらず、
晩夏の午後の雨に呆然と立ち尽くしているように思えたりもしました。
雨に濡れないような場所へ避難すれば良さそうなものですが、
何を思って佇んでいるのでしょうか。
謎の洞穴
林道を歩いていて見かけた洞穴です。
高さや奥行きは1mもない小さなもので、山際の崖にポッカリと開いていました。
穴の中には小石が少し敷かれている以外には何もありませんでした。
内側の壁面の様子や草が生えているところをみると、かなり前からある穴のようですが、
それに比べると入口付近は新しい感じがして、何とも奇妙な雰囲気でした。
手前にある土をみると、最近になって入口の周りが崩れ落ちたようにも思えます。
自然に出来た穴という感じではないので、人工的に掘った穴なのでしょうが、
今では何も入っていなくて、一体何の穴なのか分からない謎の洞穴なのでした。
昭和の元気
青梅駅で見かけた逆立ちした天才バカボンのパパの像です。
青梅市にある「赤塚不二夫会館」は『昭和の元気の象徴』にもなっていて、
昭和をテーマにした街興しにひと役かっているようです。
街角には往時の懐かしい映画看板などが幾つも飾られていて、雰囲気を盛り上げています。
ようこそ昭和の街 青梅へ
江戸の頃には青梅縞の市場集落「青梅宿」、 終戦後は空前の織物景気で、西多摩随一の繁華街、 物が集まり、人が集まり、活気にあふれた青梅。 古い街並、商家、路地、街灯、映画看板、漫画館・・。 ここ青梅には、まるでスクリーンから抜け出したような、 懐しい昭和が生き続けています。 あなたに元気を与えてくれる昭和、 瞼にスケッチした昭和がきっとここにあります。
ネギの花ボール
道端の畑で見かけた大きなネギ坊主です。
小さな花がびっしりと集まって咲いていて、まるで花のボールのようです。
まだ閉じている花や丁度開き始めた花が混じっていました。
紫がかった桃色の花から伸びる蕊を見ていると、
何だか群生するイソギンチャクのように思えてきたりもしました。
ネギ独特の香りがするのでしょうか、それとも甘い香りがするのでしょうか、
ミツバチが何匹か集まってきていて、花に頭を入れて一生懸命に蜜を吸っていました。
健気なキノコ
尾根道を塞いでいる倒木で見かけたキノコです。
小振りで橙色の、大柄で抹茶色の、粉ふきの白茶色の、フワッとした白色のなど、
何種類かのキノコが列を作って仲良く生えていました。
キノコは日陰に生えるのが普通だと思っていましたが、
このキノコ達は太陽が燦燦と降り注ぐ真上を向いて生えています。
日陰に生えていたのに、樹木が倒れて日当たりが良くなってしまったのでしょうか。
激変したであろう環境にも耐えて、みんな健気に生きているようでした。
狛犬の休日
神社の前で見かけた阿形と吽形の狛犬です。
どこかへ移動させる途中なのか、修理のために一時的に置いてあるのか、
いずれにしても本来の置き場所ではないように思えました。
通常は参道の両側に離れて控えている狛犬ですが、
こうして顔を間近に近づけた姿を見ると、何やら相談しているようにも思えてきます。
『今日はお勤めが休みだからいいけど、神様を守るのも気苦労が絶えなくて…』
などと話し合っているのでしょうか。
いつもとは違った狛犬の内面を見たように思えて、何だか微笑ましくなるのでした。
池畔の釣り座
公園にある池で見かけた魚釣りの光景です。
畔から池へ突き出している板に陣取って釣り糸を垂れています。
備え付けの「釣り座」というのだそうで、大きさは1m×1.5mほどのようです。
手前のだけは少し小振りで形も他のものとは違っていたので、
自分用にわざわざ持参してきたのでしょうか。
何故こんな突き出した所から釣るのだろうと考えてみるに、
遠浅になっていて短い竿ではうまく釣れないからなのでしょうか。
釣り座の数は少ないので、確保できなかった人は池畔から釣っていました。
お出迎え犬
鎌倉の街を歩いていて、民家の前で見かけた犬の置物です。
自然木を簡単に切った用材をうまく利用して犬の姿を表しています。
「Welcome」と書かれた板切れを首から下げていて、
訪ねてくる客を玄関先で歓迎しているようです。
しばらく見つめていると、何だか優しい表情をしているようにも思えてきます。
本物の犬とは違って、見知らぬ人に吠え掛かることもなく、
静かなお出迎えをしてもらえそうです。
行列のできない店
秦野の街を歩いていて見かけた中華料理店です。
店の軒先には「行列のできない店!」と書かれていました。
人気があり過ぎて「行列のできる店」というのはよく耳にしますが、
この店は人気がないということを自ら告白しているのでしょうか。
客を待たせないスピーディなサービスを提供していますという意味なのでしょうが、
マイナスイメージに捉えられはしないかと何だか心配になったりもしました。
しかし目立つことが大切ということでは、これも宣伝効果があるのかも知れません。
見守る狛亀
逗子の街中にある亀岡八幡宮で見かけた石像です。
社殿の前の両側に設置された八角柱の上に置かれていました。
その昔にはこの神社が建つ境内は「なだらかな岡」だったとのことで、
その「なだらかさ」から亀の甲羅を連想して「亀岡」となったようです。
そんな「亀」に因んで設置されている石像なのでしょう。
狛犬ならぬ「狛亀」とでも云えばいいのでしょうか、
キッとした視線でこの神社を見守っているように思えてきます。