毘古コラム(4)
毘古コラム (散策していて興味を引かれた事などを綴っています)
無垢な心
大船観音寺にある子育地蔵尊の前に四体並んでいました。
子供を表しているのでしょうか、5cmほどの小さなお地蔵さんです。
鈴の付いた赤い前掛けをして、紐の付いた薄手の帽子をかぶっています。
掌を上に向けて組み手をして、丸い玉を持っているようにも見えます。
子供本来の純粋無垢な心を表しているのでしょうか。
子育地蔵尊に見守られて安心なのか、穏やかで少し微笑んでいるようにも思えます。
子供に明るい笑顔のみられる時代がずっと続いてほしいものです。
永久の果実
くりはま花の国へ向う途中にある民家の庭先で見かけました。
ビニールの網で作られた美味しそうなリンゴです。
庭先の木の枝には沢山のリンゴが付けられていました。
みんな本物そっくりの素晴らしい出来栄えです。
赤いのもありましたが、これはまだ少し青いようです。
熟して落ちてしまうこともなく、庭先の小枝にずっと下がっています。
いつまでも若々しい永久の生命力を持つ果実です。
竹の微笑み
葉山の里にある民家の玄関先で見かけました。
竹の根元の辺りを上手く使って作られた人の顔のお面です。
節の詰まった茎を頭、細い根を髭に見立て、中ほどに目・鼻・口などが彫られています。
この他にも同じようなお面が幾つも飾ってあり、中には魚の形をしたものもありました。
金属やプラスチックとは違って、生き物である竹で出来ているためか、
どれも微笑みかけるような和やかで温かな表情をしていました。
花瓶などとして実用にしているというよりも、飾り物のようでした。
きっと芸術心が豊かで心優しい方が住まわれているのでしょう。
宿り花
冬枯れの樹木の枝に、白い可憐な花が咲いていました。
なせ樹木に草花が咲いているのかと思ってよく観察してみると、
花の根元の辺りには水苔のような物が巻いてあって、
それらを針金などで縛って樹木に括り付けてあるようなのです。
植木鉢の代わりに生きた樹木を使った水苔栽培というところでしょうか。
他の人も珍しく思うのか、写真に納めている人を多く見かけました。
遠目にはほんとうに樹木から草花が生えているように見えます。
宿り木ならぬ「宿り花」とでも言えそうな雰囲気のする心憎い演出なのでした。
わら馬
舞岡公園の小谷戸の里で見かけた10cmほどの人形です。
稲藁で出来た馬で「わら馬」というのだそうです。
乗馬用ではなくて、農家の使役のために使われていた農耕馬なのでしょうか。
立派なタテガミをして尻尾を上へ向けて、四足でしっかりと大地を踏みしめています。
古民家の庭先では、この「わら馬づくり」の体験コーナーが開かれていました。
指導員に教わりながら、多くの人がゴザの上に座って制作に挑戦していました。
里に幸せを運ぶ「笑馬」であって欲しいものです。
ガオーッ
三浦半島の丘を散策していて見かけました。
工事現場の周りを囲っている金網に点々と取り付けてありました。
犬のようにも見えるしピューマのようでもあるし…、一体何なんでしょう。
大きな口を開けて「ガオーッ」と吼えているような絵の横にはかなりの余白がありました。
その余白をよく見てみると、何やら書いてあった跡が微かに残っていました。
痕跡をつなげてみると「あぶないからはいってはいけません」と書かれているようでした。
遠目にはこの絵だけが残っていて、一体何のための絵なのか分かりませんでした。
天使の腰掛
曽我丘陵の農道建設記念碑のそばで見かけました。
2m弱ほどの大きさで、木で出来てました。
右の方には天使の羽根のようなものが包み込むようにして彫られています。
左の方には少し出っ張りもあって独特の形をしていました。
しばらく考えてみましたが、何を表現しているのかは分りませんでした。
これは芸術オブジェなのでしょうか、それとも単なるベンチなのでしょうか。
腰を掛けるのには何だか具合が良さそうな形にも思えてきます。
目無し帽
散策に出かけた時に、目的地へ向う電車の中で見かけました。
毛糸の帽子をスッポリと鼻の辺りまで深々と被っていて目は完全に隠れています。
マスクもしていて、ほとんど顔を露出していない完全武装です。
「目出し帽」ならぬ「目無し帽」とでも呼べばいいのでしょうか。
目の辺りが少し膨らんでいるのは、たぶん眼鏡をかけているのだと思われます。
これで寝ている訳ではなくて、何と本を読んでいたのでした。
毛糸と毛糸の隙間を通して外を見ることができるのでしょう。
何だか巷でブレイクしそうな予感もして、しばらく眺めていたのでした。
里のひな飾り
舞岡公園の小谷戸の里にある古民家で見かけました。
民家の囲炉裏の間の奥の間に飾ってありました。
写真と同じようなひな壇が横にもう一つ並んでいて、
壁には桜色・橙色・黄緑色などを散りばめた綺麗な和服も掛かっていました。
お内裏様とお雛様、三人官女と五人囃子等々…何とも立派なひな飾りです。
女の子の健やかな成長を願う親心なのでしょうか。
男の子だった私も、子供の頃に近所で見かけたようにも思いますが、
今でもこんなに立派なものを飾っているのでしょうか。
健気なツララ
横浜の公園にある売店で見かけたツララです。
雪が降った前日から一夜明けた寒い朝のことでした。
雪国では珍しくもないツララですが、横浜では滅多に見ることはできません。
長さ20cmほどの小さなものが、軒下に幾つも並んで下がっていました。
朝方だったこともあって融け出すこともなく、雫も垂れてはいませんでした。
近年にはないほど寒いこの冬を健気に演出しているようにも思えて、
子供の頃を思い出しながら暫く眺めていたのでした。
カモメの波乗り
横浜港に係留されている氷川丸のそばで見かけたカモメ達です。
手を伸ばせば届きそうな所で、強い風に向って浮かんでいました。
進むでもなくさがるでもなく、翼を広げたままでじっと浮かんでいました。
何だか自分も鳥の群れの中にいて、一緒に空を飛んでいるような気持ちになります。
風の吹き具合によるのか、急に2mほど一斉にアップしたりダウンしたりもしていました。
カモメ達が上下する度に、周りの人たちもオーッと歓声を上げていました。
まるでカモメ達が波乗りをしているような感動的な眺めでした。
仏の御心
王禅寺の里にあるお寺で見かけました。
人の足の裏を模った石仏で、合掌した小僧さんが彫られています。
余り見かけない組み合わせですが、どういう意味なのでしょう。
いつも当たり前にあるものに対する感謝の気持ちなのでしょうか。
それとも、普段は余り意識しない所にも御仏は存在するということなのでしょうか。
このお寺にはこれ以外にも一風変わった石仏が沢山並んでいました。
仏教を分りやすく説こうということなのかも知れません。
ヘテ石
三ッ池公園内のコリア庭園の入口で見かけた「ヘテ石」です。
ヘテとは想像上の動物で、物事の是非善悪を見分けることが出来るのだそうです。
人が戦うのも見れば邪悪な方を角で突き、
人が議論するのを聞けばその不正な方を咬むのだそうです。
入口の方向と境界を示す力を持ち、火災や災禍を避ける神獣とも考えられ、
宮殿の前などによく設置されているとのことです。
魔除けのための狛犬と似ているようにも思えてきます。
なまけもの
武山への登り道の山頂近くで見かけた木の幹の膨らみです。
そはには「武山のなまけもの」と題した写真が設置してありました。
どうやら、ナマケモノの姿に見て欲しいようです。
まあ、アップにするとそれ程でもないのかも知れませんが、
遠目には、木に抱きついているナマケモノのように見えなくもありません。
どういう経緯でこのような形になったのでしょうか。
これを最初に見つけた人はきっと大喜びだったことでしょう。
冬虫夏草
鎌倉を散策していて見かけた人間の頭を模した鉢植えです。
脳天をくり抜かれて、何だか痛々しそうです。
店先に幾つも並んでいて、それぞれには違う植物が植えられていました。
周りには髪の毛も生えていて、カッパのようにも思えてきます。
不用になったマネキンを再利用したのか、それとも新たに作ったのでしょうか。
何だか冬虫夏草のようにも思えてきて、ちょっとグロテスクな感じがしました。
グルグル巻き
乳頭山へと向う三浦アルプスの尾根道で見かけました。
直径3cmほどはある太い蔓性植物が、倒木の幹に巻きついていました。
グルグルと締め付けるようにして取り付いています。
巻きつかれた樹木は苦しくはないのでしょうか。
動くことができない植物なので逃げ出すこともできません。
巻きつかれたので倒れたという訳ではないのでしょうが、
まるで獲物を攻撃している長虫のようにも思えてきました。
なむなむ
上和田の里のお寺の境内で見かけた石像です。
親子でしょうか、それとも僧侶と小僧さんでしょうか。
合掌した手を胸元にかざして、お互いに見つめ合っています。
和やかで何とも優しそうな顔つきをしています。
「なむなむ」と刻まれた石の台に立っていて、前には花が供えてありました。
「南無阿弥陀仏(ナムアミダブツ)」とでも唱えているのでしょうか。
何だか救われるような気持ちになってきます。
不老仙人
不老山から駿河小山駅へ降る道で見かけました。
ちぎれ雲に乗った仙人で、「不老仙人」というのだそうです。
すべてを悟ったような何とも優しい穏やかな顔をしています。
不老山に千回登らにゃ仙人にはなれんぞぇ」と言っています。
道標の柱に描かれていて、その場所を「不老千人」と呼ぶのだそうです。
千回にちなんで、千人と仙人をかけているようです。
私などはまだ3回目で、仙人になれるのにはほど遠い状況です。
往年の機関車
御殿場駅の前にある広場で見かけた石像です。
富士山を背景にして走る蒸気機関車です。
東海道線が今の御殿場線のルートを通っていた当初、
特急列車「燕」を引いて走る往年の雄姿が想われます。
昭和の初期に東海道線が熱海経由の現行ルートに変わり、
その後に単線になった御殿場線は、今ではひっそりとしています。
鉄道唱歌 15番
ここぞ御殿場 夏ならば われも登山を こころみん
高さは一万 数千尺 十三州も ただひと目
森の郵便受け
公園の散策路の脇にひっそりと立っていました。
コースに沿って点々と設置されているスタンプめぐり用のポイントです。
丸太を半分にしたテーブルの上に合掌形の屋根が付いています。
杉などの樹皮で葺かれていて、本物の屋根のような形をしています。
みんな森で生まれた材料で出来ていて、周りに馴染んだ佇まいです。
全体の姿は郵便受けのようにも見えてきたりします。
何だか昔懐かしい形に、思わず郷愁を誘われたりしました。